三階書記室の暗号 北朝鮮外交秘録
太永浩(著)
,李柳真(訳)
,黒河星子(訳)
,鐸木昌之(監訳)
/文春e-Books
作品情報
韓国では発売後、3週間で10万部を超える異例のベストセラーに。
「これは禁書になるかもしれない」と今も話題騒然の、元北朝鮮外交官による暴露本。
金日成に憧れ、金正日に信頼され、そして金正恩を捨てた――。
30年間にわたり平壌心臓部を生き抜いた男が、金政権中枢の真実を次々と明かす!
・金日成が指示した「ローマ教皇招聘計画」
・ミサイル輸出をめぐるイスラエルとの極秘交渉
・密輸で外貨を稼ぐ外交官たち
・日朝平壌宣言の敗北と偽遺骨問題
・金正男の偽造パスポート事件
・大韓航空機爆破事件の金賢姫は同窓生だった
・金正恩が恐怖政治に頼る本当の理由
・張成沢処刑の引き金を引いた人物
・金正哲と過ごした61時間の全貌
【目次】
■日本語版への序文
■序 章 脱北後に見た世界
《第一部 平壌心臓部の内幕》
■第1章 核兵器開発はこうして始まった
ローマ教皇招聘計画/中ソの圧力で国連加盟/日朝国交正常化に敗/イタリアと接近/毛沢東の牽制/核拡散防止条約脱退/金日成の死/米朝枠組み合意で時間を稼ぐ/深刻化する食糧危機/イギリスの秘密接触/義父の粛清/駐デンマーク大使館へ
■第2章 対イスラエル極秘ミサイル交渉
北朝鮮外交官がたばこを密輸/公表されなかった「張成沢逮捕」/デンマークからの食糧支援/金一族への献上品/主体思想創始者が脱北/医療費が払えない/スパイリスト捏造/同僚の粛清/金正日の激賞/金大中当選/イスラエルとの極秘交渉/帰国
■第3章 金正日と小泉純一郎
徹底した帰国審査/イギリスと国交樹立/ブッシュ政権への警戒/人権問題を隠れ蓑に/金正日の二枚舌外交/九・一一で況一変/アメリカの意図を探れ/イギリス大使館開設/APTN平壌支局/日朝平壌宣言の衝撃/偽遺骨問題/貨幣改革で大混乱
――監訳者解説1 本書が明らかにした北朝鮮外交の舞台裏
■第4章 アメリカの真意は見抜かれていた
駐英大使館に課された使命/利用されたイギリス/韓国人からゴルフレッスン/北朝鮮の中枢機関「三階書記室」/テポドン発射と初の核実験/激怒した中国/有名無実の六カ国協議/北朝鮮官僚がホームステイ/エリック・クラプトンに平壌公演を依頼
■第5章 金正恩の変節と粛清
同僚の思想調査/党と行政の権力闘争/金正日の決裁が下りず現場混乱/それは暗殺計画だったのか?/後継者候補から外れた金正男/貨幣改革に国民が抵抗/延坪島砲撃事件/金正日から金正恩へ/束の間の改革開放/戻ってきた恐怖政治/張成沢処刑
■第6章 亡命前夜、金正哲との六一時間
長男との別れ/金正恩の隠された生母/性奴隷と化した女学生たち/一万人粛清/文字が読めない中学生/北朝鮮軍部がイギリス政府を脅迫/三階書記室の暗号/金正哲の極秘訪問/ギター店巡り/エリック・クラプトンの公演/日本メディアがスクープ
――監訳者解説2 北朝鮮の中枢組織「三階書記室」
《第二部 南北統一へ》
■第7章 陸軍中野学校が教科書だった
平壌外国語学院/少年留学生に選抜/思想教育/アサド大統領との取引/身分を偽り中国留学/毛沢東の死/鄧小平の台頭/金日成と念写真/国際関係大学/北朝鮮流交渉術/陸軍中野学校を模範にせよ/夜間突撃隊/念願の入党/留学生粛清の始まり
■第8章 「地上の楽園」の実像
貧農だった祖父/土地改革で地主一掃/一族の運命を変えた朝鮮戦争/韓国軍に村が占領される/近代化に沸いた六〇年代/金日成の写真で作ったメンコ/エリート教育の実態/金賢姫は同窓生/大韓航空機爆破事件/金日成政治軍事大学総長の娘と結婚
■第9章 金王朝の崩壊が始まった
金日成と李舜臣/金日成の回顧録/“黄金期”を知らない子どもたち/中国での集団脱北/長男への帰国命令/家族で脱北/奴隷社会と化した国/中国製メディア・プレーヤーと携帯電話の普及/経済制裁は効いている/市場と韓国コンテンツが統一の鍵
――監訳者解説3 太永浩氏とその一族
■終 章 私の罪と償い
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商品情報
- シリーズ
- 三階書記室の暗号 北朝鮮外交秘録
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春e-Books
- 書籍発売日
- 2019.06.13
- Reader Store発売日
- 2019.06.13
- ファイルサイズ
- 2.8MB
- ページ数
- 496ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (5件のレビュー)
-
脱北した北の高位外交官。
実際どんな形で脱北したのかとか、全く書かれてないし、脱北を決めた心情とか唐突過ぎて、どこまで本当か、何を端折ってるのか判らないが、北の考え方とか体制とか、面白い。
変な言い…方だが、マジなんだな。
それにしても、外交っていうのは命懸けというのがよく判って、今の日本はここまで考えてやってんのかと思う。
南に寄せる過度な期待は、ちょっと笑う。続きを読む投稿日:2020.08.02
【271冊目】2016年に脱北した元在英北朝鮮大使館公使の外交回想録。めっちゃ面白かった!北朝鮮外交だけでなく、内政の内幕、さらに北朝鮮の歴史を内側から視る。北朝鮮という特殊な国家のことだけでなく、よ…り一般的に外交や独裁、あるいは統治についての洞察が得られる一冊。
題名にある「三階書記室」とは、韓国でいう青瓦台、米国でいうホワイトハウス、日本でいう内閣官房のような部署のこと。北朝鮮政府は完全な縦割りになっていて、横の連携は一切ない。全ての報告・決裁は金日成・金正日・金正恩に向かってあげられ、指示はそこから降りてくる。金氏が情報を独占することにより、唯一領導体系、すなわち独裁権力を強めるためである。しかし、さすがに金氏だけで一国全ての報告・判断を行うことは不可能。そこで、三階書記室が情報の結節点となり、時に金氏に代わって判断・指示を行う。それゆえ、三階書記室は北の体制に不可欠な重要部署なのである。
筆者が在英大使館時代に受けた三階書記室からの暗号の内容は、金正日の息子・金正哲がエリック・クラプトンの公演を観る際のアテンドをすること。超お忍びの訪英を現地で察知したのが日本のメディアというのも興味深い。
その他、張成沢粛清は金正恩が金正日の正妻の子ではないというルサンチマンに由来しているという筆者の分析や、拉致問題で日本の姿勢が予想以上に強硬だったために金正日が認めざるを得なかった等々、興味深い話はたくさんある。
最大の敵である米国の出方をうかがったり、北朝鮮への強硬策を回避するために、米国の同盟国で北朝鮮と国交のあるイギリスを利用したという外交戦略も面白い。この本が出版された後、イギリスは対北朝鮮政策を変えたのだろうか。
筆者は、今年5月の選挙に当選し、今や韓国の国会議員である。しかし、本書では、彼自身がかつて誇った思想的強固性は描かれるものの、彼が犯した罪についての記載は乏しい。外交官として食糧調達の話とか書いてあるけど、この本が読みやすく、かつ、大変示唆に富み、筆者の賢さをうかがわせる内容だからこそ、逆に、本書に描かれなかった彼自身の欺瞞に意識が向いてしまう。続きを読む投稿日:2020.12.11
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