さとり世代の魔法使い
藤まる(著)
/双葉文庫
作品情報
北条雫、19歳。どこにでもいる平凡な女子大生のようですが・・・じつは平成最後の魔女なんです!? そんな雫の前に、10年ぶりに幼馴染の爽太が現れた。「魔で人助けなんて時代遅れ」とすっかり冷めている雫だが、爽太は10年前に約束した「魔女の使命」を果たそうと一生懸命。爽太に乗せられ、雫は再び魔道具を取り出す――なぜ、爽太が雫の前に現れたのか? 雫が「魔女の使命」を果たしたとき・・・・・・涙溢れる、家族の物語!
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商品情報
- シリーズ
- さとり世代の魔法使い
- 著者
- 藤まる
- 出版社
- 双葉社
- 掲載誌・レーベル
- 双葉文庫
- 書籍発売日
- 2019.03.14
- Reader Store発売日
- 2019.05.24
- ファイルサイズ
- 0.6MB
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この作品のレビュー
平均 3.7 (3件のレビュー)
-
「さとり世代」って造語じゃなくて一般的に使われてる言葉なんだってのをこの本のお陰で知った。いわゆるジャケ買い……なんだけど、今度から小説を買うときは店頭で数ページ読んでから判断しよう。面白い作品はそれ…だけで充分判断できるはずだから。
星1か2で迷ったんですが、読んでる途中で何度も断念しようかと悩んだ事を考えると……って感じです。とにもかくにも文体、そして主人公の性格といった部分で自分との相性がめちゃくちゃ悪く、展開にもいろいろと不満の残るところが多くて……キャラクター小説に分類されてますが、自分の中ではライトノベル色の方がずっと濃かった印象。あと、装飾過多な文章には気をつけようと思った。際立たせたいところでこそ使わないと、埋もれちゃう。
ここはダメ出しの場じゃなく感想を述べる場所として使ってるつもりなんだけど、それでも一つだけ言わせてくれ……一応ネタバレなので気になる人は回避してください。
クライマックスのシーンで、主人公の女の子と幼なじみの男の子が良い感じの雰囲気で互いに別れを告げるシーンがあって、情感たっぷりに書かれてはいるんですが、その状況って自分の孫が一刻を争う命の危機に晒されてるところなんですよ。なのにお前ら何を悠長にイチャイチャしとんねん、って……そんな風に考えてしまったら感情移入できるはずもなく。この悔しさを糧にします。続きを読む投稿日:2019.05.12
魔導具を使って人を幸せにする使命のある魔女のお話
以下、公式のあらすじ
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北条雫、19歳。どこにでもいる平凡な女子大生のようですが…じつは平成最後の魔女なん…です!? そんな雫の前に、10年ぶりに幼馴染の爽太が現れた。「魔で人助けなんて時代遅れ」とすっかり冷めている雫だが、爽太は10年前に約束した「魔女の使命」を果たそうと一生懸命。爽太に乗せられ、雫は再び魔道具を取り出す――なぜ、爽太が雫の前に現れたのか? 雫が「魔女の使命」を果たしたとき……涙溢れる、家族の物語!
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祖母から孫へと引き継がれている魔女という存在
魔女の使命は「魔道具を使って人を幸せにする」こと
そんな魔女の血を引く雫は東京都内の大学に通う女子大生
雫はさとり世代なので(世代の問題ではなく本人の気質な気もするけど)魔女の使命に対しては冷めきった態度
そんな雫の前に幼馴染で行方がわからなくなっていた爽太が突然現れる
雫が子供の頃、山間部の田舎に住む祖母の家で暮らしていた時期があった
その時に出会って親しくしていた幼馴染の爽太
10年ぶりにいきなり訪れた爽太は昔の約束を果たそうと言う
そして雫は魔女の使命に渋々向き合う事になる
「平成も終わるこのご時世に魔女は不要と悟った」と言う雫
むしろ、いつの時代でも必要なんだけど、雫は逆に何いつの時代でも不要とか言いそうな気がする
「世の中は優しい人が損をする様に出来ているので、優しい人にはなりません」という主張には一部同意するけど、世の中満更捨てたもんじゃないないんですけどね
雫が若干のポンコツヒロインの要素がある
コミュ障とまでは言わないけど、人との関わり方が下手
まぁ、それまでの人生のせいか?
アヴァンギャルドな祖母の逆をいってるよなぁ
魔導具の設定にしても、課題の突飛さとか面白い
その課題がそんな理由だったというオチも含めて
爽太がどんな存在なのかは容易に想像がつく
来歴まではそんなに遡るのかという意外性もあったけど
おばあちゃんの仕業かと思ってたんですけどね
さとり世代という世代論とするには主語が大きいけれど
雫は自己責任的な考えが強い
だからこそ何かが出来ないという自分に責任を感じ、自分を無力だと思っている節がある
他人に優しく出来ないと悩むのも、本当は自己責任な社会ではないと思っているからこそでしょうし
魔女の力を失ってからが魔法使いとしての始まりというところが個人的に好き
「人に優しくする」という気持ちになる物語でしたね
「時給三〇〇円の死神」でもそうだったけど、藤まるさんの小説は何かを失った人だからこその優しさがあるなと感じる続きを読む投稿日:2023.11.24
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