実行力
橋下徹(著)
/PHP新書
作品情報
38歳で大阪府知事に就任し、数々の改革を成し遂げてきた橋下徹氏。大阪府庁1万人・大阪市役所3万8千人の職員、組織、そして国をも動かして結果を出してきた秘訣とは何か。年上の部下や並いる反対派をいかにして説得・掌握し、大阪の大改革へと舵を切ったのか、その手腕を初めて明かす。 ●「敵」はあえて側に置く ●リーダーと現場の仕事の切り分けかた ●チーム作りの「失敗の本質」・・・・・・など、自身の経験や例を挙げつつ、具体的に解説。部下と上司を動かし、チームや組織を変える。今の時代に一番必要なのは、アイデアではなく「実行力」だ。橋下流「君主論」の全貌。 【目次】●第1章 まずは、人を動かす――実行のための人間関係、人事の要諦 ●第2章 本当に実行すべき課題はどう見つけるか――橋下流・問題解決のノウハウと、マインドの持ち方 ●第3章 実行し、信頼される人の条件とは――部下は結局、上司の背中を見て動いている ●第4章 実行のための「ビジョン作り」と「チーム作り」――結果を出す「仕組み」はこう作る ●第5章 上司を動かし、提案を通す――「トップの視界」を想像しながら仕事をする ●第6章 情報を制する者は、組織を制す――強い組織は、情報共有の横串がしっかり入っている ●第7章 日本と大阪を「実行できる組織」にするために――徹底的に考え抜かれた大阪都構想の実行プロセス
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商品情報
- シリーズ
- 実行力
- 著者
- 橋下徹
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP新書
- 書籍発売日
- 2019.05.15
- Reader Store発売日
- 2019.05.17
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 272ページ
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この作品のレビュー
平均 4.2 (137件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
【感想】
レビューの続きを読む
誰もがご存知・橋下徹が書いた本。
よくテレビやYou Tubeなどでお見掛けするが、その鮮烈かつ論理的なプレゼンテーションは身震いするほど見ていて胸がスカっとする。
本ッッッ当に、この人の地頭の良さと論破力には敵う気がしない・・・・・
で、この本に関してはタイトル通り自身の「実行力」について掲載されていた。
ただ、あくまでも大阪府知事あるいは大阪市長という立場・目線での内容に終始なっており、勿論エピソードも殆ど政治や地域経済に関する事ばかりが記載していた為、そっくりそのまま自分に活かせるものではないかなーとも思った。
けど、「公務員ってこういう仕事までしているんだなー、有能な人材ばかりやん!」と、読んでいて素朴に感じた。
本書の概要として、巻末のこの文章がもはやすべてを語っていると言っていい。
※以下引用
「物事を実現するには、まずは大きな方針・ビジョンを立てること。これは抽象的なものです。
そしてこれを具体化し、実行するプランを作ります。
しかし、そのためにはまず組織体制を整えなければなりません。
具体的な実行プランを作成したら、今度はそのプランに基づいて実行していくことになりますが、そのときにも実行するための組織体制を整える必要があります。
繰り返し言いますが、案・プランと組織体制は常にワンセットです。」
「アイデアを口にするだけではダメなのです。実行しなければなりません。そのためには実行プロセスをたどることが必要なのです。」
PDCAとは、誠に「言うには易し、行なうには難し」だね・・・
いくら知事・市長であったとはいえ、大阪という摩訶不思議な環境・組織において、ビッグプロジェクトを何本もしっかりと実行した橋下徹は流石だなと思った。
要するに、実行するにあたってしっかりと準備するのは当たり前として、周りを固めつつスピード感をもって着実に達成しろってことですね。
自分にできるだろうか。。。
【内容まとめ】
1.橋下流「君主論」というべき、マネジメントの要諦と仕事術。
2.一番大事なことは、「部下ができないこと」をやれるかどうか。
トップが仕事をする上で大事なことは、「部下と良い関係を築くこと」ではない。そこはどうもならないことだと、ある程度ドライに考えた方がいい。
「誰もできない仕事をやる」、また、「仕事をやり遂げる」という事が信頼関係を築く上では重要なファクターである。
3.反対意見にしっかりと耳を傾け、心に余裕を持って柔軟に修正・改善しつつ、「最後決まった案には従ってもらう」というルールを徹底すること。
「リーダーはボトムアップで部下の声を吸い上げろ」という考えがあるが、部下の意見に乗っかるだけではトップの意味がない。
各メンバーの自己主張が強くなって収拾がつかなくなり、対応しにくくなってしまう。
4.人がついてくる最大の理由は「共感」
5.単にニュース知識を頭に入れて物知りになるのではなく、自分の意見も必ず付けて持論を言えるようにすること。
・日々のニュースに対して持論を持つことが、ビジョン作りにつながる。
単にニュースに目を通すのではなく、そこから課題・論点を見つけ出す。
新聞やテレビなどの様々なニュースに対して、漫然と読むだけではなく「自分はこう考える」という持論を頭の中で構築する作業をする。
6.「比較優位」の思考法
一つの案のメリットやデメリットばかり強調しても、より良い選択にはつながらない。
両案のメリット・デメリットをそれぞれ挙げて、比較優位な方、よりマシな方を選ぶという思考が必要。
【引用】
38歳で大阪府知事、42歳で大阪市長に就任し、4万8千人の組織を動かしてきた橋下徹。
年上の部下や並みいる反対派をいかにして説得・掌握し、どう大阪の大改革へと舵を切ったのか?
橋下流「君主論」というべき、マネジメントの要諦と仕事術を公開。
p5
あるべき姿を説くことも、勿論必要。
しかし、今求められているのは、そうした「あるべき姿」に近づくために、手を動かし、足を動かし、脳みそに汗をかいて「実行していくこと」ではないでしょうか。
p16
トップが仕事をする上で大事なことは、「部下と良い関係を築くこと」ではない。そこはどうもならないことだと、ある程度ドライに考えた方がいい。
一番大事なことは、「部下ができないこと」をやれるかどうかです。
「誰もできない仕事をやる」、また、「仕事をやり遂げる」という事が信頼関係を築く上では重要なファクターである。
p37
・「最後は従う」を守ってもらうと、多様な意見を取り入れられる。
「周囲にイエスマンばかりを置くな」というのは一理あります。
しかし、「最終的に決まった事には従う」という点を押さえていないと、意見が平行線をたどって、いつまで経っても結論が出なくなります。
反対意見にしっかりと耳を傾けて、心の余裕を持って柔軟に案を修正・改善しつつ、「最後決まった案には従ってもらう」というルールを徹底すること。
p56
「リーダーはボトムアップで部下の声を吸い上げろ」という考えがあるが、部下が言っていることに乗っかっているだけのトップでは意味がない。
この考え方だと各メンバーの自己主張が強くなって収拾がつかなくなり、対応しにくくなってしまう。
しかし、リーダーが現場の実務の細かなことにまで口出しすると、大概失敗する。
p84
・「部下ができないこと」を実行するのがリーダーの役割。
マキャベリの君主論
「統治者は最初に衝撃的な大事業を行うべき」
自分にしかできず、組織にインパクトを与えるような仕事を行う!
p98
・組織は口で言っても動かないが、何かを実現させるとメンバーの意識が劇的に変わるもの。
できると思い始めたら、何も言わなくても皆が率先して自らどんどんチャレンジしていく。
p105
・人がついてくる最大の理由は「共感」
p119
・日々のニュースに対して持論を持つことが、ビジョン作りにつながる。
単にニュースに目を通すのではなく、そこから課題・論点を見つけ出す。
新聞やテレビなどの様々なニュースに対して、漫然と読むだけではなく「自分はこう考える」という持論を頭の中で構築する作業をする。
単にニュース知識を頭に入れて物知りになるのではなく、自分の意見も必ず付けて持論を言えるようにすること。
p144
・チーム作りにおける「失敗の本質」
人を集めたら、その中で決定権者・権限者を決めておかなければなりません。
「意見がまとまらなかった時は、最後はこの人の決定に従う」ということを決めておく。
大胆な改革とは、強烈な反対の声が上がるもの。だからこそ決定権者はしっかりと定めておかなければならない。
p157
・「比較優位」の思考法
築地→豊洲の移転問題
大阪湾岸部のカジノ誘致案
現状のぺんぺん草状態と、カジノ誘致という新しい案を比較して、この地を今のまま放っておくよりもカジノを造った方が比較優位である、よりマシだという考え方。
一つの案のメリットやデメリットばかり強調しても、より良い選択にはつながりません。
両案のメリット・デメリットをそれぞれ挙げて、比較優位な方、よりマシな方を選ぶという思考が必要です。
p205
・「ホラクラシー経営」「ティール組織」
役職の階級がない、上下関係がない組織、という意味。
ホラクラシーは、格子(こうし)を全部取っ払ってしまう組織です。
ホラクラシー組織がうまくいくケースもあるかもしれませんが、僕は組織というのは「縦」と「横」で格子を組んでいくことが必要だと考えています。
p221
・大阪都構想について
大阪市役所と大阪府庁は違う国のように仲が悪い。
今里筋線と阪急電鉄をつなげるという合理的な選択・実行すらできない。。。
鉄道だけでなく、高速道路も市役所と府庁の所管が違うとつながらない。
一事が万事で、何から何まで大阪市の境界線で分断されている。
インフラだけに留まらず、経済政策や産業、観光、災害、感染症などの対策についても、常に大阪市と大阪府の境界線で分断されてしまう。
だから僕は、大阪府庁と大阪市役所を一旦解体して、大阪全体を所管する大阪都庁をつくり、大阪全体のリーダーとして大阪都知事を誕生させようとした。
p245
物事を実現するには、まずは大きな方針・ビジョンを立てることです。これは抽象的なものです。
そしてこれを具体化し、実行するプランを作ります。そのためには組織体制を整えなければなりません。
具体的な実行プランを作成したら、今度はそのプランに基づいて実行していくことになりますが、そのときにも実行するための組織体制を整える必要があります。
繰り返し言いますが、案・プランと組織体制は常にワンセットです。
アイデアを口にするだけではダメなのです。実行しなければなりません。
そのためには実行プロセスをたどることが必要なのです。投稿日:2019.06.06
橋本さんのやろうとしたことがよくわかりました。大きな方向性の設定から実行プランの策定まで、口先だけでなく実行すること、成果を創出することを重要視した(皆さんそうあってほしいですが)現実派で、印象が変わ…りました。
仕事でも年次が上がるとコメンテーター的な役回りに満足し実行性に欠けることをしゃべるだけなことがありそうだが、それは避けたいと思いました。続きを読む投稿日:2023.10.18
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