公園へ行かないか? 火曜日に
柴崎友香(著)
/新潮社
作品情報
2016年11月8日、わたしはアメリカで歴史的瞬間に居合わせた、はずだった――。世界各国から作家や詩人たちが集まる、アイオワ大学のインターナショナル・ライティング・プログラムに参加した著者が、英語で議論をし、街を歩き、大統領選挙を経験した3ヶ月。現地での様々な体験から感じたことを描く11の連作小説集。
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この作品のレビュー
平均 4.0 (21件のレビュー)
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すごくよかった。読み終わりたくなかったくらい。
柴崎友香さんが実際に、アイオア大学の、世界各国の作家が集まるライティング・プログラムに参加したときの話。(「小説集」って帯に書いてあったけど、エッセイだ…よね。エッセイって言っちゃNGなのかな? 小説よりエッセイっていったほうが手に取りやすい気もするけど。わたしも読むまで、小説仕立てになってるのかな?って思ってたけど、エッセイだと思う)
世界各国の作家や詩人が集まって、合宿みたいに大学内に宿泊して朗読会や翻訳会を行ったり、週末には旅行したりするプログラムそのものも興味深く、「留学生活」っぽい話も楽しく、それぞれ話す言葉も境遇も違う作家たちと親しくなっていく話もおもしろいし、そして思いのほか、いろいろなことを考えさせられもした。
たとえば、大統領選挙のときにNYにいて、結果が出る前にサポーターがつくったヒラリーの勝利動画を見て、こういうのがあかんとちゃうのかな、と思ったというくだりとか。大阪出身の柴崎さんは、アメリカでいう「ラストベルト」、工業がすたれて取り残された地域の人々にも共感し、エスタブリッシュメント層のサポーターが多いヒラリーを、NYを、「遠い」と感じたという。
たとえば、日本人は「国」を人がつくった制度とかシステムではなくて、家族の延長みたいな自然にあるものと思っているんじゃないか、と考えるところとか。だから自分たちで「国」を変えようとかどうこうしようとかあまり考えられないというような。
あと、ニューオーリンズの第二次世界大戦博物館を訪れたときの話は胸が苦しくなるようだった。ホロコースト記念博物館の話も。こうした博物館、まるでディズニーランドのアトラクションのようなつくりで、自分が実在する第二次世界大戦中の兵士になったような、ホロコーストを生き延びた人になったような気にさせられるようにできている、っていうのもすごい。
柴崎さんの文章も好き。淡々としているというかおっとりした感じというか。感情をあおるようなところはもちろんなくて、でも情景がすごく見えてくるし、静かな感動とか興奮とかが穏やかに伝わってくるような。
英語がそれほど得意ではないというのとか、話しかけたかったけど話しかけられなかったことがよくあるのとか、旅慣れてないというのとか、そういう、お人柄も好き。続きを読む投稿日:2018.08.08
ううむ、アメリカ文化やトランプ当選時の空気感について読みたくて手に取ったのですが、ちょいと期待外れ。著者自身が何度も書くように、英語が苦手だからそこまで深い会話や情報収集ができていないのですよね。「よ…くわからなかった」「聞き取れなかった」で著者の思考がぶつりと途切れることが多くて苛々してしまった。
それを「ものを分かったような気になって分析しない謙虚さ」と捉えているレビューがあり、なるほどそういう見方もあるかと唸ってしまいました。分からないことを分からないと書ける誠実さ。
海外旅行・留学中って、主に言語力の欠如により自分の得られる情報量が限られている分、物事がシンプルに見えて(本人は気づいていない)、あれこれ語りたくなるものなんですよね。それを自制しているように見える柴崎さんはやはりさすが作家、なのかも。
でも、「英語が苦手だから」があまりにも言い訳的に多用されている気がして…。辛口ごめんなさい。続きを読む投稿日:2024.03.29
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