芸術起業論
村上隆(著)
/幻冬舎文庫
この作品のレビュー
平均 4.1 (20件のレビュー)
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日本の現状、芸術業界の現状に、強い怒りを持っていることが、
伝わってきて、何が必要なのかが、納得できて、元気になれた。
村上隆はいう。
芸術には、世界基準の戦略が必要である。
世界基準を知るには、美…術史つまりルールの成り立ちを
つかむことが必要であり、そのルールの文脈の中で位置付けること。
現在の芸術のルールを作っているのは、パリではなく、
アメリカ、ニューヨークである。
芸術に携わるものは、技術というよりも、発想、アイデア
であり、新しい発想を作ることに力を注ぐべきである。
その発想が、文脈上に載っているかを検証する。
想像力を膨らませることに、価値がある。
つまり、芸術といえども、ビジネスの中にある。
芸術の顧客である富裕層を納得させる物語を作る必要がある。
業界の構造を知り、経済的な自立を図る。
個人の歴史の蓄積が、その人のブランドを作る。
個人の持つ才能よりも、サブタイトルである。
唯一の自分の核心を作り、自己満足を超える価値を発見する。
成長するのは、怒りであり、挫折を乗り越えることだ。
「魂の叫び」とは、違う。
アーティストの目的は、人の心の救済にある。
そのために、強烈な欲望がいるのだ。
芸術家になる根拠の濃度を高めることと、長期戦を覚悟すべきである。
そのためには、タフネスでなければならない。
熱量のある雰囲気がなければ、お客さんはつかない。
作品の価値は、物自体だけでは決まらない。
ビジネスセンスや、マネージメントセンスがいる。
知的な仕掛けやゲームやパズル性を楽しめるようにする。
芸術品を作るには、観念や概念であり、多大な努力でもない。
現代芸術の評価の基準は、概念の創造である。
金銭を賭けるに足る商品の物語があって、
つまり、投機対象になるような商品の物語。
購買欲、征服欲、勝利欲を揺さぶり盛り上げる。
芸術とは、時代の価値と気分が市場である。
芸術も娯楽も日本人だったら、世界で認められるには、
「翻訳」に投資して、人に晒す機会を増やすことである。
時代の気分を誘発する機会を増やす。
生き残るためには、どうするのか?
追いつめられた人間は、能力を駆使して自前の正義を作る。
そこには、生き残るという情熱が込められていることだ。
表現で、未来を照らしたければ、夢や希望の方向が見えていた方がいい。
「芸術家の提出した謎」
Something New、New Something!
モヤモヤしていて、表現できないことを表現しようとしている。
何の目的でやるのか。人を超えたい。超人願望がある。
現代人の感性を揺さぶる一発を打ち込む。
根強い慣習や因習を振り切れる衝撃や発見や現実味。
歴史の残るのは革命を起こした作品だけ、
すでにあるものには、喝采は贈られない。
質の高い作品、魂の入った作品→アートの文脈を見つける。
日本の芸術家は、文脈の設定に対する理解不足にある。
日本の頼るべき資産は、技術。
欧米の頼るべき資産は、アイデア。
現状では評価できないものこそ革命的になるかもしれない。
だれでにもわかる説明の限界。
作品の価値とは実体のない虚構から生まれる。
夢の持ちにくい時代。
挑戦できるところは、すべて挑戦されたと思わせる時代。
アイデアは、出尽くしたと思わせる時代。
生きていることが実感できない時代。
マネジメントに集中していく人間が勝つ。
人間には、天才型、努力型がある。
ルールに則った、文脈のある シナリオに沿って作っていく。
ルールとの関係性における挑戦の痕跡。
実現不可能なことへの挑戦。
新しいゲームの提案。
芸術史の新解釈、解放。
確信的ルール破る。ルールの枠に収まらない。
他の世界にない世界観の提案。
新しい権威者を作り上げる。
世界で、唯一の自分を発見し、その核心を歴史と相対化させつつ、
発展させること。
仕事を好きになるより、好きなことを仕事をする。
自分の好きなことを究明する。自分の興味を究明する。
「興奮できるお祭り騒ぎ」を作り上げられるか?
興味を抱かせて、楽しませて、引き込んでいく。
文化の精神を説明する。
若いこと。貧乏であること。無名であること。
文化とは、色を塗る行為ではなく、輪郭を作り出す行為である。
久しぶりに、気分が高揚するいい書に会うことができた。続きを読む投稿日:2020.04.10
ん〜〜面白かった!村上隆の個展に行く前に読んでおきたかった。一般消費者としてこの精神にどれぐらい共感できるかと言われたら3割ぐらいかなと思うけども、現代アートはそれを体現する人消費する人の考え方もまる…ごと文化で、面白いな〜!と気づいた。なんか色が綺麗…もいいけど、そうじゃなくて良いんだ!てかそうじゃだめだ!という意見は救いだし、宗教的でもある。続きを読む
投稿日:2024.02.22
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