この作品のレビュー
平均 3.0 (7件のレビュー)
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★★★★☆
苫米地英人の本はいつも新鮮な驚きをくれるが、これは二重の意味で面白かった。
巷で話題のトマ・ピケティ著「21世紀の資本」の関連本のひとつだが、ピケティに興味がなくても大丈夫。
という…のは、本書も他の苫米地本と同様、解説にかこつけて著者が自説を展開するという“いつものやつ”だからだ。
それも、今回は(前にも書いたけど)二重に面白い。
他のピケティ本の著者との視点の違いが楽しめるからだ。
ピケティの主張は「r(資本収益率)>g(経済成長率)、つまり資本を運用して得る収益の方が、働いて得る収益より大きいから格差は縮まらないどころかどんどん開いていく」というもの。
ピケティはこの解決案として「金持ちは資本をタックスヘイブンに逃してるから全世界で一斉に資本課税をしなければいけない」というアイデアを出しているが、それに対し苫米地は「金持ちの資本はタックスヘイブンではなく金融空間にある。それもレバレッジが効いているから課税できない」という。
「レバレッジが効いてるから課税できない」というのは、例えば100万円の手持ちがあって、レバレッジが10倍なら1000万円の取引ができるわけだが、その場合100万円に課税するとすると、実際には10倍の取引をしているからいつまでたっても格差は縮まらない。
といって、1000万円の方に課税すればいいかというと、手持ちは100万円しかないわけだからこの1000万円の内訳は、100万円(手持ち)+900万円(借金)ということになり、900万円の借金がある人から税金取るわけにはいかないから、やはり格差は縮まらない、となる。
では、他のピケティ本の著者はどういうことをいっているかというと、特に経済学者がいっていることなんだけれども、もっと根本的なところに問題があるという。
それは「r>g」の「r(資本収益率)」である。
「r(資本収益率)」の「資本」の定義の仕方がピケティはおかしいというのだ。
難しいことはわからないが、どうやら一般的に経済学で使われている「資本」の定義より、ピケティは広い意味で「資本」という言葉を使っているらしい。
哲学の本を読むと、冒頭に「この本ではこの言葉はこういう定義で使いますよ」ということが書かれている。
言葉は使う人によって意味が変わってしまうから最初に意味を限定しておかないとちゃんと内容が伝わらないからなのだが、逆にいうと定義さえ変えてしまえば、内容なんていかようにもなるということだ。
苫米地の意見は三菱地所で実際に資本を右に左に動かしていたから出てくるもので、経済学者の意見は学問だからこそ出てくる意見という意味で、両者を比べてみるととても面白い。続きを読む投稿日:2015.01.30
この本読むまで知らなかったんだけど、『21世紀の資本』を翻訳した山形浩生が、ネット上で、この本のこと「読む価値なし」って、思いっきりバカにしてる。
ピケティ人気に便乗した本の中でもずば抜けてヒドいと…。
http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20150105/1420525912
それに対する反論が載せられてる。
というか、苫米地って、専門分野がハッキリしないし、なんにでも便乗してくる怪しい人。
エコノミストでもないくせに、ピケティ人気に便乗してくるなんて意味不明。
個別の問題は、それぞれの専門家に任せる以外ないと思うんだけど。
それにしても、山形は、誰とでも論争をおっぱじめて面白い。浅田彰ともやってたし、池田信夫ともやってた。
池田信夫なんかエコノミストでもないし、ヘボ評論家でしかないんだけど。必死に、山形の痛いところを突こうとして
「横文字を縦に書き換えるだけの商売しかできねえくせに」
みたいなことを言ってて、笑った。
それはまあ、その通りだろうけど。
いろんな論争があるのは良いことだと思う。論点がハッキリするし。
どんどんやってほしい。続きを読む投稿日:2015.07.08
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