1918年最強ドイツ軍はなぜ敗れたのか ドイツ・システムの強さと脆さ
飯倉章(著)
/文春新書
作品情報
第一次世界大戦100年目の真実。第一次世界大戦末期、1918年の「春季大攻勢」でドイツ軍は連合国軍の塹壕線を突破、戦術的な「大成功」を収めた。しかし、それからわずか半年後には降伏することとなったのはなぜなのか。ドイツ国内での革命や裏切りのために敗れたという歴史観もあるがそれは真実なのか。ドイツ軍の頂点に立ち、その強さの象徴であった参謀本部とそのリーダーたちは対処したのか。容赦なく勝つことはできても、上手に負けることができないドイツというシステムを徹底検証。19世紀から今日にまで続くドイツ・システムの強さの要因とともに、その危険性について探った!
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商品情報
- 著者
- 飯倉章
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春新書
- 書籍発売日
- 2017.12.20
- Reader Store発売日
- 2017.12.20
- ファイルサイズ
- 5.8MB
- ページ数
- 288ページ
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この作品のレビュー
平均 3.6 (11件のレビュー)
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敗因は、システムなのか、個人の資質によるものなのか
王・首相・参謀長の三者がうまく鼎立しているときのドイツシステムは無類の強さを発揮するが、第一次大戦ではバランスを欠き、うまく制御できなかっこことが敗因だとする仮説が立てられ、本書で検証されているが、筆…者の目論見通りになったかは疑わしい。
わざわざ「ルーデンドルフという敗因」という見出しの節が用意されるなど、均衡不全がパーソナリティの問題によるものなのか、システムの問題なのか必ずしも判然としないまま終わる。
成功時と失敗時の比較をするなら、個々の能力や資質に大きな違いがないことを立証しないと前提が崩れてしまう。
ドイツという国は、どういうわけか自然とリーダーたちの間で三者が鼎立する構造ができ、それがうまく行ったケースはこの時代、まったく機能しなかったのはあの時代という風に論を進めるならわかるが、そもそも第一次世界大戦では三者がトライアングルになってもいないし、それ以前の鼎立した時代も、それがドイツという国だから必然的に生まれたものなのか、単純にたまたま顔ぶれに恵まれただけなのかよくわからない。
むしろ、歴代のリーダーたちが要職に就くと途端に精神不安に襲われていることの方こそ興味深く、深掘りすべきだったのではと感じた。
もう一つ面白いと思ったのは、家父長的で、権威への服従の習性から軍の指示徹底という意味では利点となりうる特徴をもつ組織が、ともすれば硬直的に陥り、指導者の無謀な作戦に盲信して失敗を重ねそうなところがそうはならず、むしろ現場の自主性を尊重したり、自由な気風のイギリスやフランスよりも軍規違反に寛容だったりというアンビバレントな側面がどういう背景から形作られたのかのほうが知りたいと思った。続きを読む投稿日:2019.07.27
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第一次大戦のドイツは結局敗北したが、実際には緒戦ではドイツ軍の被害よりも英仏軍の死傷者のほうが多かった。なぜドイツ軍はそれにもかかわらず敗北したのか? ドイツ(軍)の強みはどこかについてまとめている一…冊。
読んだ感想としては、戦術的勝利こそ多いものの、戦略的視野に欠ける勝利が多く、また戦略立案では希望的観測に基づいていることがわかる。
特にルーデンドルフが無能すぎた。ルーデンドルフは政治的視野に欠ける人物だが、政敵を追い落とすことにだけは熱心だった。ルーデンドルフの立案で戦術的勝利が得られているのは間違いないが、彼が外交に過剰に口を出して和平交渉を邪魔した。いかんせん彼の立案で勝っている(勝つ意味がある戦いではないというのは置いておいて)ため、彼を更迭することは難しかったのだろう。
そして、敗北の際にルーデンドルフは銃後の裏切りで敗北したと責任を転嫁する。これが後のヒトラーへと繋がったと考えると彼の罪は大きい。続きを読む投稿日:2022.11.12
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