安楽死で死なせて下さい
橋田壽賀子(著)
/文春新書
作品情報
死ぬ自由があってもいいじゃないですか。
脚本家の橋田壽賀子さんは、戦争中の体験から、死は自分にとって身近なもので、人生にある種の諦めを感じていたと言います。戦後、自由な時代になり、テレビの人気脚本家として忙しい日々を過ごしている間こそ、そういった考えは遠のいていたそうです。しかし、精一杯生きててきて、一息ついた頃、橋田さんは自らの往生について考えるようになりました。自分はどうやって、死にたいのかと考えた橋田さんの答えは「安楽死」も選択肢のひとつとしてもいいのではないか、というものでした。その考えを、月刊文藝春秋で記事にしたところ、世間から大きな反響がありました。そこで、橋田さんが人生と「安らかに楽に死ぬこと」についての考えをまとめたのがこの一冊です。「文藝春秋読者賞」受賞の問題作の書籍化!
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商品情報
- シリーズ
- 安楽死で死なせて下さい
- 著者
- 橋田壽賀子
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春新書
- 書籍発売日
- 2017.08.18
- Reader Store発売日
- 2017.08.18
- ファイルサイズ
- 18.6MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 3.7 (18件のレビュー)
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安楽死は自殺幇助になるのか?
ボリュームは少ない本ですが、色々考えさせられる内容でした。
前半は、橋田先生の現在の状況なのが語られるわけですが、正直言って、孤独だ孤独だと言いながらも、羨ましい生活をなさっているなぁ、という印…象でありました。ここまで優雅でなくとも、やはりある程度財産を持っていないと駄目なんですね。寂聴さんの生活もそうですよね。
で、後半になると、いよいよ本題に入ってきます。尊厳死と安楽死の違いについては、様々な解説がなされているので、知ってはおりました。でも、安楽死が合法化されているというスイスにおいても、安楽死は違法であり、自殺幇助が合法とされている、ということは初めて知りました。しかも、最期の瞬間は、医師が注射や点滴をするのではなく、処方された致死量の麻酔薬を自分で飲むという仕組みなんだそうな。そして、それを行う団体が存在し、厳しい要件を満たし、裁判所が認めた場合に限られ、死亡後には警察の検視もあるとのこと。
なるほどねぇ。そりゃそうだよね。この方法ならば、医師にも罪悪感を抱かせないかもしれません。
でもそれ以上に驚いたことは、自分の人生を自分で決められるようになってから、心が安らいだと、いう人の紹介でした。いつでも安楽死できるのならば、今はまだ頑張ろう。痛みがなんだ!という心境になるとのことです。しかも、オレゴン州では、安楽死の薬をもらったヒトとの4割しか服用しなかったという話もあるそうな。
さて、オマエさんはどうなんだい?と聞かれると、死が怖いというよりも、耐えきれない痛みが怖いなという気がしますし、完治の見込みのない病になってみないと判らないなというのがホンネです。
ただ、自分の身内が余りに苦しそうにしていれば、その苦痛をとりのぞいてやってくれと頼むでしょう。
いずれ独居老人となるであろう私は、勿論延命治療なんぞは望みませんが、意思疎通ができなくなるほどボケてしまった時、果たして希望どおりの死を迎えることが出来るかどうか、ん~。
孔子の言葉ではありませんが、「未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん。」
橋田先生のように90を超えて思うことと、今年やっと還暦となる私とでは、死に対する思いも異なるのは当然かもしれません。ただ、いつ何時、突然事故に遭うかもしれないのが、現代社会です。死について考えるのに、年齢は関係ないのでしょう。この本は、一つのきっかけになると思います。続きを読む投稿日:2019.03.01
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橋田壽賀子さんの著作、ブクログ登録は2冊目になります。
橋田壽賀子さん、どのような方か、ウィキペディアで確認しておきます。
橋田 壽賀子(はしだ すがこ、1925年〈大正14年〉5月10日 - 2…021年〈令和3年〉4月4日)は、日本の脚本家、劇作家、タレントである。本名:岩崎 壽賀子(いわさき すがこ)(旧姓:橋田)。位階は従三位。静岡県熱海市名誉市民。
本作の刊行は2017年なので、書かれた時の著者の年齢は92歳位になります。
少し前に、橋田壽賀子さんは、安楽死に賛成の立場をとられていることを知り、衝撃を受けたものです。
が、今は、私も賛成です。
本作を読むと、著者が、生前、安楽死について深く考えていた姿が浮かんできます。
本作の内容は、次のとおり。(コピペです)
92歳「渡る世間は鬼ばかり」の人気脚本家が語る究極の往生論衝撃の問題提起で2016年「文藝春秋読者賞」受賞!著者が「終活」を始めたのは89歳の時でした。きっかけは著者のことをママと呼んで親しくしている女優の泉ピン子さんから「ママはもう90なんだから、じゅうぶん歳を取ってるんだよ」と言われたことでした。夫に先立たれ、子供もなく、親しい友人もいない天涯孤独。仕事もやり尽くし、世界中の行きたい所へも行きました。やり残したことも、会いたい人もいない、もう十分に生きたと思いました。遺言は80歳の時に作っておいたので、まずは物の整理から始め、今までのドラマの原稿、ビデオテープ、手紙類などを大量に処分しました。あとは人に知られずにひっそりといなくなり、死んだことも公表せず、葬式や偲ぶ会もしないと決めたのです。ただ、唯一気がかりなことは、病気になったり、認知症になったりして、人さまに迷惑をかけることです。それは著者の尊厳の問題でした。死ぬ時に痛いのや苦しいのも勘弁してほしい。いつどうやって死ぬのかはやはり自分で決めたいと思った時に考えたのが「安楽死」です。しかし、現在の日本の医療現場で安楽死は許されていません。ヨーロッパの国やアメリカの州のいくつかで合法化されていますが、日本人が安楽死を希望する場合はスイスのNPOを頼ることになります。そのため著者は、日本でも法を整備し、自らの死に方を選択する自由を与えてほしいと主張します。もちろん、あくまで本人が希望し、周りの人の理解が得られた場合です。著者が2016年12月号の「文藝春秋」に寄稿した「私は安楽死で逝きたい」は大きな反響を呼び、第78回文藝春秋読者賞を受賞しました。読者の方からは「私も賛成です」「法制化の旗振り役になってください」など多くの賛同の声が寄せられました。本書には、病気で苦しむ妻に悩む男性や、進行性の難病を抱える男性と著者との手紙の対話も収録しています。
●2022年10月8日、追記。
本日の聖教新聞の記事に、「T4作戦」のことが書かれていた。
T4作戦とは、「ナチス・ドイツによる強制的な安楽死政策。優生思想に基づき、障がい者や病気の回復が見込めない人など、約20万人が犠牲になったとされる。」
こういう時代を生きた方々は、安楽死の賛否には慎重になりそうです。
●2023年9月4日、追記。
読売新聞によると、ヨーロッパでは、安楽死を認める国が急増しているとか。
以下、記事の引用です。
---引用開始
近年、安楽死を認める国が西ヨーロッパを中心に急増しています。ドイツは第2次世界大戦中、ナチスによる障害者(多くは精神障害者)の大量殺人が「安楽死」として行われた歴史から、安楽死はタブーとされてきましたが、2020年、憲法裁判所が安楽死を認めました。
2022年にはイタリアでも「合法的自殺幇助(ほうじょ)」が初めて実施されました。
---引用終了続きを読む投稿日:2022.07.23
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