日本経済を滅ぼす「高学歴社員」という病
上念司(著)
/PHP文庫
作品情報
東芝、朝日新聞、財務省・・・・・・彼らの何が、組織をダメにしたのか? 繰り返される組織の不祥事は、なぜ起こるのか? そこには、一流大学卒業のエリート経営者にもかかわらず、コンプライアンスよりも自己保身を優先させ、世間のヒエラルキーに弱い「高学歴社員」の体質があった! 彼らの行動原理は、一体どういうものなのか? 組織を崩壊させないマネジメントとは? 戦場のような現代のビジネス環境で生き残るために必読の一冊。あなたの会社にも必ずいる。こんな人物が「高学歴社員」だ! ●(1)とにかく「リスク回避」を優先する ●(2)つねに「自己保身」を考える ●(3)「世間のヒエラルキー」ばかりを重視する ●(4)「格上」の人間にはおもねり、身内に甘い ●(5)「格下」の人間には極めて冷淡 『高学歴社員が組織を滅ぼす』を改題。
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商品情報
- シリーズ
- 日本経済を滅ぼす「高学歴社員」という病
- 著者
- 上念司
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP文庫
- 書籍発売日
- 2017.06.01
- Reader Store発売日
- 2017.06.23
- ファイルサイズ
- 5.1MB
- ページ数
- 256ページ
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この作品のレビュー
平均 3.0 (4件のレビュー)
-
『日本経済を滅ぼす「高学歴社員」という病』というタイトルにひかれて手にとってみました。
序盤から、「日本のタブーというか『常識』」にふれています。
(以下引用)
「誰も意見を言わないのに、何となく事…がきまっていく」会社には「会議」という不思議な儀式があります。
(中略)利潤追及するという会社の目的は度外視されます。
費用対効果から考えたらとても正当化できない莫大な人的、時間的リソースが、
この儀式に費やされているのです。
(引用終わり)
多くの会社員(特に高学歴社員)は知っています。
自分達の会社の「仕事」って
「仕事のための仕事を増やしているだけで、会社の利潤には、全然貢献していないよな」ということを。
「でも、会社で生き残るためには、この仕事の仕事が大事なんだよね」ということを。
その代表格なのが、「決まらない会議」です。
本来会議というのは、
何かの議題(もちろん会社の利潤を直接ないし間接的に向上するもの)に関して
決めることです(誰が、何を、いつまでに、どう行うか、そして確認と責任の所在の明確化)。
しかし、多くの日本企業で行われれてる会議は、
この議題がいったい自社の利潤にどう結びつくのか、意味不明なものが少なくありません。
また、会議に参加してる参加者たちも、「参加することに意味がある」と思っていることが、
少なくありません。
バブルが崩壊してから30年近く経とうとし、日本経済は失われた30年目を爆走しているように思います。
また日本は、この20年少しもGDPを上げていません。
またこれも、あまり言われないですが、
労働生産性に関しては、G7中、日本はダントツの最下位で、
さらに労働時間は異常に長く、
トップクラスのドイツと比べて、
それぞれ7割、1.3倍ほどの悲惨な状況です。
日本の少なくない労働者は、
「こんなに頑張って、ストレスフルで働いてるのに、なんで、給料安いんだろう」と思っています、
決して口には出せませんが。
これは、なぜなのか?なぜ、日本企業では、
「利潤と全く関係ない、仕事のための仕事を、なぜか一生懸命行い、
労働生産性を下げることに、ある意味で必死になり、意味のない残業を増やして、
精神と肉体を酷使して、そして、給料は上がらないのか?」
※この20年で世帯所得は140万ほど減少しています。
最盛期94年から20%も減少しています。
そして労働者の精神疾患は大幅に増加しています(うつ病に関しては、この20年で倍以上に増えています。)。
そのカギ(なぜこの現象が起こるのか)を握るのが、
日本の企業のトップ層にいる高学歴社員達の行動様態(エトス)です。
彼らは、倍率の高い受験競争に勝ち抜き、
そして、もっと倍率の高い就職活動にも勝ち抜いた日本的「優秀な人たち」です。
しかし、この高学歴社員たちの行動様態は、非常に奇妙・独特です。
なぜなら、こと会社における自分達のアクションが、
会社の利潤に貢献しないことばかりだからです。
世界的に見ても、企業の利潤にまったく貢献しない高学歴な人たちが、
わんさかといる企業は、こと日本企業ぐらいでしょう。
また、さらに重要なことは、
「会社の利潤に直接結びつく現場を軽視し、社内の良識派(顧客と現場を最重視)を排除しようとする
人が会社の実権を握りやすい組織」になっていることです。
この20年で、この動きは、かなり顕著になりました。
※これは、企業の不祥事とその対応を見れば、一目瞭然でしょう。
本書は、上記の疑問に、「ある見方」を補助してくれますが、
理論的にも、著者の仮説・分析も、「かなり浅い」というのが印象です(それを狙っているのでしょうが)。
悪くいうと、雑誌ぐらいのレベル、良くいうと、わかりやすい本だなという印象です。
高学歴社員が「こうなってしまった」歴史的背景や、
実際の行動分析等、緻密に分析しないと、
高学歴社員たちの「意味不明な行動様態」は、わかりません。
また、なぜ、その人達が、積極的に日本経済を滅ぼそうとしているのかも。
なぜなら、これは日本企業の中でしかない独特の行動様態からです。
論理的に考えて(会社の役割と機能面から考えて)、
会社の利潤を生まないことに必死になり、社内から良識派を排除するようにしても、
会社全体(ステイクホルダー並びに)では何も良いことがないからです。
なぜ、そう行うのか本当に不思議です。
本書を読めば、そういう社員がトップ層にいるから、
自分が働いている会社はダメなんだという、やるせなさと諦め、
そして、やはり「そういう人達」に、期待なんかせずに、
自分は「考えて生きよう」と思えます。続きを読む投稿日:2017.12.23
2021年末の大掃除で発掘した本です、この本は2021年の間に読む本の様ですね。読みかけになっていたために、評価は「★一つ」にしております。内容が不満足だったわけではありません。
2021年12月2…9日作成続きを読む投稿日:2021.12.29
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