教養としての社会保障
香取照幸(著)
/東洋経済新報社
作品情報
年金局長、雇用均等・児童家庭局長等を歴任し、その間、介護保険法、子ども・子育て支援法、国民年金法、男女雇用機会均等法、GPIF改革等数々の制度創設・改正を担当。さらには内閣官房内閣審議官として「社会保障・税一体改革」を取りまとめるなど、社会保障改革と闘い続けた著者による書き下ろし。
日本の社会保障制度は、大きな曲がり角に差し掛かっています。安心社会の基盤となり、社会経済の変化に柔軟に対応し、社会の発展・経済の成長に貢献できる社会保障制度の構築は、これからの日本にとって必須の改革だと私は考えています。(中略)年金制度や医療制度を始めとする社会保障の諸制度は、市民一人ひとりの自立と自己実現を支えるための制度です。現代社会にあって、個人の自己実現を通じた経済の発展と社会の活力、そして市民生活の安定を同時に保障するサブシステムとして、人類が考え出した最も知的かつ合理的な仕組みであり、社会にとっても個人にとってもなくてはならない制度です。本書が、私たちにとってなくてはならない社会保障と、その社会保障制度が置かれている現状について理解するための一助になれば幸せです。(「はじめに」より)
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この作品のレビュー
平均 4.4 (48件のレビュー)
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人間は助けてあって生きていく。その思想を形にした画期的なシステムが社会保障
●本の概要・感想
多くの社会人が給与明細の控除額を嘆く。その控除額が社会保障を支えているのである。徴収分を嘆くのはミクロ…の視点であり、その意義を理解するにはマクロの仕組みを知らなければならない。社会保障の制度は一人ひとりが安心して暮らせるために作られた合理的なシステムだ。これを守り、生かし、いかに日本を発展させてゆくか。きちんと社会保障を学べば、給与明細や税徴収の見え方が変わるに違いない。社会保障は生きる価値の無い人などいないとする。人は時に助け合い、支えあわなければならないとしている。その制度を皆で選んでいる。そのことを我々は知るべきだろう。
●本の面白かった点、学びになった点
*社会保障がリスクを分散させる。不安を軽減させる
・人生にはリスクがつきものだ。明日事故にあうかもしれぬ。一家の大黒柱がいなくなるかもしれぬ。難病を発症し、いつものように働けなくなるかもしれぬ。もし、そんなリスクが現実になったとき、誰も手を差し伸べてくれない世界だとしたら。自分の貯蓄や家族だけしか当てにできないとしたら。人々は不安を抱き、他者を信頼しづらくなるかもしれない
・社会保障は助け合いを約束したシステムだ。生きづらい人、生活に困窮する人皆を支えていく仕組みである。生活には困っていない人たち同士でお金を出し合って、いざというときに備える。そのような仕組みがあるからこそ、僕たちは安心して人生を送ることができる
*社会保障が経済を回す
・日本の成長産業は社会保障と深く関わっているところばかりだ。福祉や医療、教育等..。もし、社会保障がなければ、金持ちは自分の資産を抱え込んでしまう。そうならないように、一定の額を徴収し、社会保障として還元することで、経済が豊かになる
・今や社会保障に関わる消費および投資がその地域を潤している場合もある
*社会保障は恵まれない人々の自立を支援する。自助・互助・共助・公助の考え方
・社会保障は何でもかんでも人々を支援するというわけではない。皆でリスクを分散しつつ、本当に大変な目にあっている人にはお金を渡すという仕組み
・まずは自助と互助を求める。あくまで自分の力で、それでもうまくいかない場合には周りの力で助けあう。それでもうまくいかない場合には共助の仕組みが働く。自分が普段払っている保険によって支援を受けられる仕組みだ。それでも困窮にあえぐ人には公助によって支える。虐待や生活保護者などがこれにあたる
*年金は破綻しない。なぜなら、ある分しか払わないから
・年金が破綻すると吹聴された政権があったが、全く払われなくなるということはない
・マクロ経済スライドという仕組みを導入した。ざっくり言うと、「払える分しか払わない」という仕組みになっている
*皆保険を達成した日本の奇跡
・皆保険を達成したのは日本が戦争に負けて資産格差がほとんどなくなったから。今の中国などでは、皆保険制度を作り上げることはムリだろう。資産家や金持ちが金銭的に割りを喰う制度になるからだ
●読んだきっかけ
オーディオブックのセール。図表が54もあってびっくりした。とても良い本だったけど、図表はオーディオブックと相性悪いんだよな続きを読む投稿日:2020.02.01
人口減少、社会保障費などの詳細データや国際比較などありよくまとまっている。
後段の施策部分は少し抽象的投稿日:2024.01.04
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