世界が水を奪い合う日・日本が水を奪われる日
橋本淳司(著)
/PHP研究所
作品情報
現在、世界各地で水不足が発生し、その一方、右肩上がりに水需要が増えているため、少ない水をめぐり、川の上流に位置する国と下流に位置する国とで奪い合いが起きている。このような問題について、島国である日本は一見無縁のようであるが、そう考えてはいけない。最近では、慢性的に水不足問題を抱える大国・中国を中心とした外国企業に、日本の水源地が買収されるという噂が絶えない事態となってきた。日本国内もすでに「水戦争」の戦場だと言っていい。そこで、本書では、水問題を専門とする気鋭のジャーナリストが、世界の水争奪戦を俯瞰するとともに、水ビジネスの動向なども交えながら、今後、日本がとるべき対策を説き明かす。資源・環境問題を考えるに欠かせない一冊である。
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この作品のレビュー
平均 4.0 (5件のレビュー)
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このレビューはネタバレを含みます
水資源が豊富な日本に住んでいては想像もつかないような、水問題が世界各地で起こっている。
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中国を中心とした外国企業が日本の水源地を狙っており、日本も他人事とは言えない状況。
日本に国際河川は存在しない。しかし日本は大量の食料を輸入しており、空港や港に国際河川が流れ込んでいるようなもの。
『食料など狭い国内で作らなくとも、世界中から買ってくればいい』という日本の考え。経済力がそれを可能にしていた。また、グローバル化を促進するため、燃料が非課税となっている。それが国内で輸送するよりも、隣国から輸入する方が安くなる状況を生み出している。
水が足りない国が水を集めて牛肉を作り、水資源が豊富な日本がそれを輸入し食べている。牛肉を飼料から国産でつくると、今の価格では到底食べられなくなり牛肉を食べる機会は減る。でも、それでいい。高度経済成長期から現在までが贅沢すぎた。足るを知る。
水はかつて高いところから低いところへと流れていた。しかし今では、カネのあるところへ向かって流れている。
水ビジネスの巨人ウォーター・バロン投稿日:2022.02.16
水に対する意識が変わりました。自分がどれだけ水に対して鈍感だったのか。
世界の紛争の根本部分に関わっているこたとなのに、そこの部分をあまり意識できてなかった、そういったことに気付かせてくれる良い本だと…思いました。続きを読む投稿日:2011.05.22
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