リケコイ。
喜多喜久(著)
/集英社文庫
作品情報
恋愛経験ゼロ。冴えない理系大学院生の森は、ある日突然恋に落ちた。相手は、卒業研究をするためにきた、黒髪メガネの年下リケジョ・羽生さん。ところが、好みド直球な彼女にはある重大な秘密が! 妄想と現実に身悶えながら、あの手この手でアプローチを仕掛けるが、ひたすら空回り。それでも諦めきれない・・・・・・。どこまでも不器用で、思わず応援したくなる、歯がゆさ満載の青春ストーリー!
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商品情報
- シリーズ
- リケコイ。
- 著者
- 喜多喜久
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社文庫
- 書籍発売日
- 2016.10.25
- Reader Store発売日
- 2016.12.02
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 336ページ
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この作品のレビュー
平均 2.1 (8件のレビュー)
-
いつもの理系ミステリの感じで読んだら、理系男子のイタい恋愛事情の話だった。何かに似てるけど思い出せない。面白い小説とは思わないけど、こんな人達いるだろうな、とは思う。
投稿日:2017.07.13
東京都の某大学農学部に通う、修士一年の森君。私大で4年の外研生である羽生さんのことが好きになってしまう。羽生さんが研究室で修士に進学してくれることを望みつつ、羽生さんと近づくことを画策する。
うーん…、読む人を相当に選ぶ一冊である。かくいうワタシも、同じような研究室生活をしてきたのでよくわかる。そう、よく分かる人でないと、話の内容というか、閉塞的な研究室の中で繰り広げられる、いわば「近親交配」を見せつけられると、気持ち悪くて仕方がなくなるであろう。
主人公の森くんは、20歳を過ぎて女性経験がなく、などと言うとちょっと変わり者のようだが、理系の大学院に進んでいる人の半数以上は、過去も現在も同じような境遇のはずだ。なまじ女性の同級生や先輩後輩がいるうえ、同僚や先輩から聞かされる性的な情報に悶々とする日々。わかる。
そうなんよね、わかるんよね。
さすがに、この中の森くんのような行動に移す人は、100人中1人もいないと思うけれども。
ということで、森くんが数しれずやっちまう話を、気持ち悪いなあと思いつつ、楽しめるかどうかがこの本の読者になりうるかというところである。
ところで、デビュー作なのか何かわからんし、途中のやや鬱陶しい解説において「森くんは私ではない」などと言い訳はしているが、1/3くらいは著者であり、残りは著者の妄想であろう。「私ではない」と言う割に、生合成の説明やアニメの知識の部分は、やけに必要以上なリアリティを持って描かれているというところからも想像がつく。
一方で、描きたいことをきちんと背景を説明しないまま書いてしまい、いらん一言を入れてしまったり、登場人物を出すことに必死で説明不足であったり、「〇〇だ」「〇〇だ」と単調に事実を羅列してしまっているところなど、私事ながら自分で書いているネット小説でやらかしているようなことをやらかしており、単純に文章が下手だなーと思うところが多々見られた。「その後合コンには行かなかった」はそこに書くなー!というようなこと。
研究室を題材にしていたり、一人称視点で妄想を爆発させたり、いろいろとワタシの小説かしら?と錯覚しそうなことも多々見られ、よくも悪くも自分の小説の反省材料を得られたという意味では価値は有った。
「気持ち悪い」まあそうだよ。だから何?
なお、タイトルの『リケコイ』ってどうなんかなー。恋ってんなら、そこを消化させるような文章にしてほしかったな。今ならライトノベルっぽい「いかに理系の僕がナンタラカンタラに至るか」みたいなタイトルにされそうだ。某アニメの略称とかぶってるし。
(追記)
そうそう、自分の周辺5mくらいの話で恐縮だけど、修士のときの他研究室もふくむ同級生同士って、実際に結構結婚するんよね。研究って、そういう環境になりやすい空気ってあると思う。これから修士に行こうとする人は、人生の転機になる出会いか、それともそれまでに作った関係が消えるか、それくらいの覚悟は持っておいてよい。ただし、出会いを求めて修士に行こうとするのなら、やめておけ。続きを読む投稿日:2022.07.03
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