日米開戦と情報戦
森山優(著)
/講談社現代新書
作品情報
真珠湾攻撃から75年。戦争に至る不毛な現実を描く、決定版!1日に20通以上の外交暗号を解読しあう熾烈な日米英インテリジェンス戦争。ローズヴェルト、チャーチルら指導者が生の情報に触れることで強まる対日対決姿勢。松岡洋右外相に翻弄され、陸軍・海軍内の組織利害対立で指導力を発揮できない日本の中枢部――。エリートたちはなぜ最悪の決定を選んだのか?
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商品情報
- シリーズ
- 日米開戦と情報戦
- 著者
- 森山優
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社現代新書
- 書籍発売日
- 2015.11.15
- Reader Store発売日
- 2016.11.25
- ファイルサイズ
- 6.2MB
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この作品のレビュー
平均 3.7 (9件のレビュー)
-
「両論併記」をした状態で決定文書としてしまう日本的な意思決定システムに原因があったとする分析。さまざまな考えを持つステークホルダ間で利害対立を調整できず、玉虫色の文章が作成されて各所で尾ひれがついた解…釈が一人歩きする。いまでさえどこの日本企業にもありそうな現象だと感じた。また、インテリジェンスの観点から、暗号解読を経て一次情報に触れていた人物たちが寧ろ誤った判断をしていたというのが興味深かった。「正しい」判断をするために必要なものがただ情報ではないというのは現代にも通じている。続きを読む
投稿日:2022.09.25
よく日本は情報音痴であり、情報戦に優れた英米に戦争に引き込まれた、とすらも聞き及ぶ。
では、実際にはどのように扱って開戦に至ったのか?を記載したのが本書である。
情報の取捨選択と判断という…“インテリジェンス”の流通を鍵に、日本の対応、英米と比較をし、本書は書かれている。
イギリスは、いくつかのルートが情報を収集、首相の元に一元化していた。インテリジェンスは首相の元にのみ存在し、国家方針を決定していたようだ。
アメリカは、陸軍、海軍等が独自に情報収集を行い、インテリジェンスまで作っていたようだ。ただし、最終的にはそのインテリジェンスを含めて、大統領は収集し、新たにインテリジェンスを作って国家方針を作成した。そして議会・世論の同意が得られれば、決定となった。
日本も、陸軍、海軍、外務省が独自に情報収集を行い、インテリジェンスまで作っていた。インテリジェンスをもとに国家方針を作成し、天皇臨席の御前会議で同意が得て決定となった。
一見アメリカに似ているが、日本の場合、御前会議の前段階、つまり各ルートで作ったインテリジェンスからの国家方針策定の機関が不安定だったようだ。
当時の日本は総理、外務大臣ほか数名と陸海軍などで構成される大本営政府連絡懇談会が国家方針決定の最高機関だったようだが、法制化もされておらず、議長もあいまいなようだった。そして、各部門も内部はバラバラだった。
様々な部署が、様々な方面のバランスを取りつつ苦悩、迷走していく日本。これ、当時の現場の人たちも何がどうなっているのか、わかってなかったんじゃない?とにかく、戦前はそれだけ迷走していたのだろう。
ではイギリス、アメリカはどうだっただろう?うまくいっていたのだろうか?
アメリカは大統領の権限が強いが、結局は日本の意図を正確にはとらえることができなかった。そのため真珠湾攻撃と緒戦の敗北を招いた。
イギリスはうまくいきそうであるが、それでも過度に日本を恐れるばかりに、やりすぎと思われた経済制裁を発動したりして結局は日本を追い詰めた。そして戦争には勝ったが、アジアの植民地はほとんどを失った。
結局、第二次世界大戦勃発は、日米英双方の情報の取り扱いの過誤の連鎖だった、そして、勝者はなかったのでは?というのが著者の意見。
じゃあ、どうしたら一番よかったのだろうかね?方針を決める時には、以下に先入観を省いて決めるか、ということだろうか。情報を収集する部局は情報収集に徹底、集めた情報からインテリジェンスを形成する部局、インテリジェンスを集めて意思決定部門に上げる部局。そして意思決定部門で意思決定とするしかないのだろうか?まあ、今は企業、国家ともこのようにやっているのだろう。
そして、本書の各国の失敗を見て、僕たちはどのように行動べきだろうか?自分はひとりなんで、部局をたくさん作ることはできない。自分が今、情報収集を行っているのか、インテリジェンスを作っているのか、方針を決めているのかを明確に分けることが大切なのではないか?続きを読む投稿日:2019.07.22
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