観察力を磨く 名画読解
エイミー E ハーマン(著)
,岡本 由香子(訳)
/早川書房
作品情報
フェルメールが描いた女性の表情から、あなたは何が読みとれる? アートを分析する力は、仕事にも活かせる! バイアスにとらわれない洞察力、重要な情報を引き出す質問力、確実に理解してもらえる伝達力、失敗しない判断力――FBIやCIA、大手企業などで実践されている手法を身につけよう。
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商品情報
- シリーズ
- 観察力を磨く 名画読解
- 著者
- エイミー E ハーマン, 岡本 由香子
- 出版社
- 早川書房
- 掲載誌・レーベル
- 早川書房
- 書籍発売日
- 2016.10.15
- Reader Store発売日
- 2016.10.15
- ファイルサイズ
- 56.1MB
- ページ数
- 368ページ
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この作品のレビュー
平均 4.2 (37件のレビュー)
-
"見る"がテーマの本。
読み進めると、普段どれだけ世界が見えていなかったかを痛感させられます。
無意識下で行われる"見る"という行為。
丁寧に紐解かれることでこの行為の持つ圧倒的なポテンシャルに気付か…される。
読む前と後で世界の見え方が180度変わります。続きを読む投稿日:2022.10.12
アートは観察力を磨くのに最適である、待ちゆく人を観察して予測しても、答え合わせはたいてい出来ない。一方、アートなら、どのような意図を持っているか、情報などを予測して、答え合わせまで出来る。観察の最適な…練習素材である。
アートは人によって見え方が違う。アーティストが特定の感情や風刺を込めなくても、鑑賞者がそれを感じ取ることがある。この時自分と異なる見方を受け入れることが出来れば、知覚の差を埋めることが出来る。知覚フィルターの存在を知っているだけでも齟齬や誤解を避けられるし、他人が自分と同じように見ないことに腹をたてずにすむ。事実、他人は自分と同じようにものを見ない。同じように見るはずがない。あなたの見方は、あなただけのものである。
ものを見た時の感じ方は経験に影響される。経験は知覚フィルターの基礎である。
事実を追求する時は、主観的な意見と客観的な意見を区別することが大切だ。
よくある知覚フィルターとして
見たいものを見るというものがある、確証バイアスなどが細かな印象を変える。
見ろと言われたものを見ることなどがある
ものを見る前に情報を与えられると、事実をそのまま理解しづらくなる。物事を正確に理解するには、できるだけ多くの情報を集め、できるだけ多くの視点で見ることが大事だ。得た情報を整理し、優先順位をつけ、意味を解読する。タイトルや箇条書きなどはあとでいい。
まず自分の目で見る→既存の情報や意見を参考にする→もう一度、自分の目で見る
で良い。基本は自分の目で見ることが大切である。2度見ること!
変化に気づけない
変化盲とも言われた、たとえば毎日木は変化しているが少しずくのため気付かないなど、少しずつの変化には気づきづらい。
自分が色眼鏡をしていると気づくことで色眼鏡が外せる。
情報の山から裏付けの取れた事実だけを抜き出すには、実際の経験、観察に基づいて確かめた事項である事実を集めなければならない。ものを見る際はポイントとなる情報があり、誰が関係していて、何が起きていて、それはいつ、どこでおきたのかを把握すると全体像がつかみやすい。
状況を正確に理解するためにはできるだけ多くの客観的事実を集めなければならない。
些細な情報を見逃すのは、こうあるべきという期待が強すぎるから。
細部の情報を見つけられるようになったら、細々としたことにこだわるあまり、全体像を見失わないように注意する。
説明の際は「絵を描く」ように説明する。その際にカンバスが真っ白だということに気をつけるべき。他の人には自分が書いた線や色しか見えない。
物理的視点を変えるのも観察において重要。
五感を使って観察・分析することも大切、吸収できる情報が増える、たとえ絵であっても、五感というフィルターを通すことで情報を吸収するための取っ掛かりになる。
他者の視点に変えてみるというのも観察・分析するうえで重要、人の視点を使うことで読み取れる情報が借りた人の視点×分だけ増える。具体的手法として有名人の視点を借りるというのも有用、有名人の視点を使うことで自分にないしてんで観察・分析出来る。
自分の世界について誰かに説明する時は、当たり前と思っていることも省かないように。情報をもれなく伝えるために次の質問をすべし
・省いた情報はないか?
・私にとって当たり前のことはなんだろう?
・違う世界からきた人が、私の世界について知らないことはなんだろう?
観察して情報を集めるのも大切だが、その情報の優先順位をつけるのもまた大切。集めた情報の中から重要度の高いものを抽出するために有用な三面アプローチというものがある。「私は何をしっているか?」「私は何を知らないか?」「私は何を知らなければいけないか?」というものである。最小限の手間と時間で答えを得るためには、1番多くの解が得られそうな疑問に集中すべきである。
情報に優先順位をつける時は、緊急度と重要度に気をつける。
優先順位はその人の人となりを雄弁に語る。情報の優先順位は自分という人間を反映している。観察結果を伝える際は、特定の情報がどうして優先度が高いと思うのか、説明できるようにしておくと良い。
メッセージを確実に届けるために、3つのRという考え方がある。
リピート 口頭で繰り返してもらう、もしくは、聞き手に対して、難しい点、簡単な点を聞き理解を深めさせる。
リネーム 名前を変えて伝えたいことを伝わるようにする。
リフレイム 認識を変える、視点を変えるメッセージを入れる。
不快な内容を伝える際は、思ったことではなく、見たものを伝える。
突きつけられた事実があまりに惨たらしかったり、信じられなかったりすると、人は情報を遮断する。心理学ではこれを「意図的盲目」と呼ぶ。
感情にのまれて論理的に考えられない時は、観察で使ったポイント(誰が、何を、どこで、いつ)を使って状況を整理。
不快感や嫌悪感を感じたら、主観的なそれらの感情を吐き出すことも重要、そうすれば冷静に客観的な分析を始める事ができる。
白熱した議論で、苦境に立たされたときにも3つのRが役に立つ。
リピート
自分の発言を復唱して伝わったかどうか確かめるのにも使える。議論が白熱した時には、相手の発言を繰り返すことで白熱した議論をおさめる。互いの考えを繰り返すことで、互いに対する理解を深め、相手がどのように世界を見ているかについて理解を深めれる。
リネーム
責任のなすりつけ合いから逃れる方法として、名前をつけ直すという手がある。全部ひっくるめて名前をつける。そうすることで解決策、再発防止策などこれからのことを考えられる。
リフレイム
懸念事項は、角が立たないように質問として投げかけると良い。一方が問いかけ、もう一方が答えるので必然的に会話が成立する。質問にすれば、相手に選択肢と逃げ場が提供できる、自分自身も誤った情報や憶測に基づいて結論を急がずにすむ。
感情に支配されそうになった時は、冷静に主観情報と客観情報を分けて考えてみる。
バイアスを上手に利用する3つのルールとして、
バイアスを自覚し、悪いバイアスは排除する。
バイアスと事実を混同しない。バイアスは、事実を見つける道具と心得る。
バイアスは事実の裏付けにはならず、経験や感情から生じるバイアスがあると、一方が他方よりも好ましく見える、しかし、それはどちらが正しいとか優れているという根拠にはならない。バイアスは、視野を広げるための基準点と捉えると良い。
結論を第三者に聞いてもらう。
自分のバイアスは身近すぎる上、無意識の領域にあって捉えづらい。第三者に確認してもらう。自分が導いた結論を他者に話して、役立つかどうか確認する。バイアスを上手く利用する。
続きを読む投稿日:2024.03.08
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