イソップ寓話集
イソップ(著)
,中務哲郎(訳)
/岩波文庫
この作品のレビュー
平均 3.7 (16件のレビュー)
-
全471話を収録し、出典として参照される版を基準に十一部に分かれている。第一部が全体の半数近くを占める。各話、最短一行から長くて4ページ程度まで。動物を擬人化したものが大半で、次いでギリシャ神話の神々…の登場回も多い。
実在も疑われるイソップは、解説によれば紀元前610~600年ごろの生まれと推測され、ギリシャのみにとどまらずバビロニアやエジプトにまで遍歴して寓話を語り伝えたとか。プラトンの時代において、すでに寓話作家の代名詞となっていたらしい。どの作品がイソップによるものか、正確には不明とされる。
道徳的教訓を伝えることを基調としており、話の前後に直接的に教訓が添えられるものも多い。なかでも何度となく繰り返し強調されるのが、「身のほどを弁えよ」「生まれもった性質は変えられない」といった教えである。その派生として、強欲による失敗、悪性は直らないこと、身の丈に合わない仕事や行為の否定といった戒めが多く、目を引く。そんななか、ときおり見られる「自由は富にはかえがたいこと(346.狼と肥えた犬)」や、「弱い(小さい)ことがメリットになりうる(282.漁師と魚)」といったメッセージを発する寓話が印象に残った。
救いのない結末や、殺人、獣姦や近親相姦といったきわどい性的な行為を扱うケースも含む。成り立ちからして当然だが、必ずしも現代における、いわゆる子ども向けの内容ではない。また、各話に添えられた教訓とは異なる教えが読み取れることも少なくなかった。
以下参考までに、一部の有名なものや、出典が異なる寓話や故事などに類似するものを挙げる。
「15.狐と葡萄」(→すっぱいブドウ)
「46.北風と太陽」
「53.兄弟喧嘩する農夫の息子」(→毛利元就「三本の矢」)
「112.蟻とセンチコガネ」(→アリとキリギリス)
「147.ライオンと熊」(→漁夫の利)
「148.ライオンと兎」(→二兎追うものは一兎も得ず)
「226.亀と兎」
「373.蝉と蟻」(→アリとキリギリス)続きを読む投稿日:2021.05.18
7つの習慣に共通の原則を謳う寓話がとりわけ印象的。
例え話の有用性に触れつつ、時に失笑を誘うユーモアを含有する寓話集。
お気に入りの寓話9つをピックアップ。
井戸の中の狐と山羊・・・井戸に落ちた狐と…、口車に騙されて井戸に入り、さらには踏み台にされた山羊の話。
まず終わりを思い描くことから始める。
ライオンを見た狐・・・狐がライオンを3度目に見た時には近寄って話しかけるほど大胆になっていた。習慣化の力を暗示。
腹の膨れた狐・・・腹を空かせた狐が木の洞穴の食料に飛び込み、腹が膨れ、脱出不可。別の狐が言ったのはじっとしていれば痩せて出られる。
困難は時間が解決する。
金の卵を生む鵞鳥・・・P/PCのバランスを説く話。効果性についての暗示。
ビーバー(海狸)・・・追いつかれそうになると生殖器を切り取って投げ、命を全うする。
命>財産の暗示。
産の軽さを競う豚と犬・・・四つ足動物でお産の軽さに優れるのは自分だと主張する犬、対して「目の見えぬ子犬を産むのに」と反論する豚。
速さも然りだが、一定の完成度(質)が必要だということを暗示。
猪と狐・・・猪が木のそばで牙を研ぐ。狐がなぜ今研ぐと問うと、「危険に襲われた時には研いでいる暇はない」
刃を研ぐ(7つの習慣)の暗示。
亀と鷲・・・空を飛びたいと懇願する亀。
鷲は渋々亀をつかんで飛び立つと、上空から放してしまった。
張り合う心から我が身を損なってはいけない。
烏と白鳥・・・白鳥の白さに憧れた烏は、餌場の祭壇を去って、池や川に住んだ。
当然色は変わらないし、飢えて死にそうになった。
生き方で本性は変えられない。続きを読む投稿日:2023.08.15
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。