70歳! 人と社会の老いの作法
五木寛之(著)
,釈徹宗(著)
/文春新書
作品情報
「戦後七十年というのは、新しい民主主義日本がオギャーと誕生してから
七十年経ったということ。つまり、いまの日本は『七十歳』ということなんです」
(五木寛之)
日本という国が、これ以上、高成長をを続けるのは体力的に無理。
これから先は「低成長・高成熟」の時代。では日本が進む先は、
どういった道なのか。その行く先を確認する時期に入っている。
若き日に敗戦を経験し、死を見つめてきた作家と、宗教学者にして、
認知症高齢者のグループホームを運営する僧侶による、老いと死をめぐる対話。
【おもな目次】
<第1章 七十歳になった日本で>
昭和十二年頃と似た雰囲気/現代人の肌感覚時間/祭祀儀礼が時間を延ばす/
老年の古典と青春の古典は違う/健康法も年代によって違う/高齢者のための文化 ほか
<第2章 死生観を持てるか>
「死生観を持て」と迫られる時代/根本は語りの中にある/現代に「つながり」の
場はあるか/様式の力/見えない世界を語る ほか
<第3章 日本人の宗教観はどこから来たか>
日本人にとっての「天国」/神道と仏教/夕焼け小焼けの生命観/死ねば仏/
日本に根づく宗教とは/場の宗教性に優れた日本人 ほか
<第4章 「他死社会」への心がまえ>
嫌老感の正体/維摩経にみる賢老像/若者の貧困と新しい希望/「使用済み」
という問題/「棄老」はタブーか/認知症は怖くない/お寺から始まる ほか
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商品情報
- シリーズ
- 70歳! 人と社会の老いの作法
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春新書
- 書籍発売日
- 2016.08.20
- Reader Store発売日
- 2016.08.26
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 208ページ
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この作品のレビュー
平均 2.7 (4件のレビュー)
-
p169
死に向かっていくといえば、なかなか大っぴらに語れない問題ですが、かつて日本の農村にあった楢山行きはひとつの習慣でした。あるいは、昔、中国には、阿片窟というものがあって、ある程度の高齢になると…、そこへ行って横たわり、日がな一日阿片を吸っていた。それはもう羽化登仙のなんともいえない快感の中で、朦朧としてくるというんですね。そしてそれを続けていると食欲がなくなり、やがて栄養失調死する。まさに枯れるように、生きながら極楽にいるような気になって死んでいったというんです。阿片の需要には、そういう高齢者の末期を助けることもあったようです。つまり、そこはある種の楢山だといえます。
上記は、五木寛之さんが語っている部分だが、他の本でも同じことを語っていたように記憶する。
これを語った時の五木さんの年齢は、83歳位。
どちらかというと、五木さんは、延命治療に否定的で自然死に肯定的というように思える。
p25
五木さんは、65歳で車の運転はやめた、とのこと。
どこかで読んだのだが、五木さんはけっこう車が好きだったはずなので、ちょっと気になった。
いずれにせよ、やめた理由というのは、高齢による事故が心配だったようだ。続きを読む投稿日:2020.11.03
サブタイトルに老いの作法とあるが、宗教を絡めて世情に切込み著書の考えを述べた本。対談形式のまとめで読みやすい。なるほどと思うこともあり勉強になった。
投稿日:2018.06.23
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