父・伊藤律 ある家族の「戦後」
伊藤淳(著)
/講談社
作品情報
伊藤律(1913~1989)は戦中・戦後の共産党史で謎に包まれた存在でした。曰く「生きているユダ」「革命を売る男」。しかし、それらは日本共産党中央や、尾崎秀樹、松本清張などが貼った誤ったレッテルでした。伊藤の次男の著者とその母は党籍を離れず活動を続けました。それがどれほど苦しいことであったか、ある世代以上の人には容易に推察できるでしょう。本書はイデオロギーと家族の絆が織りなすドラマなのです。
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商品情報
- シリーズ
- 父・伊藤律 ある家族の「戦後」
- 著者
- 伊藤淳
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 講談社
- 書籍発売日
- 2016.07.11
- Reader Store発売日
- 2016.07.22
- ファイルサイズ
- 0.2MB
- ページ数
- 258ページ
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この作品のレビュー
平均 5.0 (2件のレビュー)
-
一気読みした。著者の感情を抑えながらも冷静に父母の姿を語る筆致にこころが震えた。人は理論では動かず、最後は感情で動くもの。過酷な運命を真摯に生きてこられたのは著者の父母の人柄であり、その信頼感で支えて…くれた人達がいたからだと述懐。戦争はかくも人々を狂わす。どんな時代になっても自分の目で見て考えることが必要なのだということを実感した。曇らぬ目を持つためにも開かれたこころで情報を得ることが必要だと改めて感じる。続きを読む
投稿日:2016.09.30
戦中・戦前の日本共産党の重要人物でありながら、ゾルゲ事件で
逮捕・処刑されたリヒャルト・ゾルゲと尾崎秀実の逮捕の端緒を
つくったとされた伊藤律。
「生きているユダ」「革命を売る男」のレッテルを…貼られ、日本
共産党からは公に死亡説が流された。
幼い頃のおぼろげな記憶の中で、突然行方をくらませた父。
その父・伊藤律が中国で生きていた。伊藤律の次男である著者が、
30年ぶりの父の帰国、父不在の期間の家族の生活、父を信じ、
著者と兄を支え続けた母に対する思いを綴ったのが本書だ。
編集部のアドバイスを受けて書かれたのだろうが、構成・文章共に
上手く、テンポよく読み進められた。
伊藤律帰国にあたっての日本共産党の対応はとことん酷い。父の帰国
に際し、真っ先に党に相談しようとした著者だが母の助言を受け入れ
中国大使館に足を運んだことが幸いした。
党から死んだと言われていた父が生きて中国の病院にいる。生きて
いることだけで家族にとっては奇跡のような出来事だろう。なのに
日本共産党は著者の母親の自宅まで乗り込んで家族を恫喝する。
しかも最高幹部である野坂参三のご登場である。野坂達、当時の
執行部にとっては相当に伊藤律の帰国は都合が悪かったのだろうと
想像がつく。党は伊藤律に「スパイ」のレッテルを貼ったのに、
後に野坂参三こそがスパイだったと判明したのだから。
日本共産党の非人道的な対応も印象深いが、著者の母であり伊藤律
の妻であるキミさんの芯の強さに脱帽する。自分自身も共産党員で
あり、律出奔後も離婚することなく家族の生活を守り、律帰国に
際しての党の恫喝にも動じなかった人だ。
30年振りの帰国を果たした伊藤律は9年を家族と共に過ごし、彼岸
へと旅立った。その間、家族は律に振り回されることも度々だったが、
人生の最後だけでも家族の元に帰ることが出来て本当に良かったと
感じた。
尚、律の死後になるがゾルゲ事件の研究も進み、伊藤律スパイ説は
既に覆されている。名誉回復がなされたことは喜ばしいが、日本共産
党が家族に謝罪したとは寡聞にして知らない。続きを読む投稿日:2019.03.27
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