スナックちどり
よしもとばなな(著)
/文春文庫
作品情報
さびしさを包みあう、女ふたり旅。四十歳を目前にして離婚した「私」と、親代わりに育ててくれた祖父母を亡くしたばかりの、幼なじみで従妹のちどり。孤独を抱えた二人は、一緒にイギリスの西端の田舎町・ペンザンスに小旅行に出かける。淋しさを包みあう二人の間に、三日目の夜、ある「事件」が起きる・・・・・・。日々を生きる喜びが心にしみわたる傑作小説。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- スナックちどり
- 著者
- よしもとばなな
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春文庫
- 書籍発売日
- 2016.05.10
- Reader Store発売日
- 2016.05.27
- ファイルサイズ
- 0.2MB
- ページ数
- 192ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.5 (32件のレビュー)
-
リフレッシュってきっとこういうことだ
気の合う人と歩き回って美味しいものを食べて、お酒を飲んで寝る、こんな風にずっと暮らしていけたらいいのに…って当たり前だろう、ホテルに泊まって家事も仕事もしなくてよしなんて生活、一握りの大金持ちの特権だ…ろうが、なんて突っ込みたくなるが、「休み」「旅行」だもんね、そう思う気持ちはよくわかる。
そして美味しいものや優しい笑顔や明るい光、に少しずつ少しずつ力をもらって、へとへとの体と心がゆっくりとあるべきように回復していくーもうマンネリといっていいくらいこの人の作品のお約束なんだけど、飽きないのは上手いんだろうなあ。続きを読む投稿日:2016.07.06
-
「彼と暮らしていた今よりも少し若き熱い日々を思い出すたび、やはり目の前が暗くなった。あの日に戻れないなら、もう私の人生にはなんにもない、そんな気持ちがしょっちゅうこみあげてきた。楽しさだけを基準にする…なら、話し上手で勘がよく、人の気持ちをさっと察して的確なことを言える彼との暮らしはやっぱり楽しかったのだ」
「誰かの生きがいを生きるという重み」
「自分自身のことを愛してない人といると、それだけでとてもつらいしら苦しいんだ」
「先の約束をひとつする度に、未来に小さな光がひとつ灯った。それを実感できるくらい弱っていた。このところずっと今日を泳ぐのでせいいっぱい、明日は溺れるかも、そんな感じだったことをこの町に来て私は悟った」
「目から涙がぽろりと出てきた。ほんとうは心許してほしかった。もっと無言の時間をもてるくらいに。そして、静かに過ごしたかった。特別な言葉がなくても、相手をほめ殺しにしなくて も、派手に料理を作って並べなくても、特に面白いニュースがなくても、人と人はそっと地味な光が内側から照らすような寄り添い方ができるんだよ、ということをわかってほしかった。」
「人をほんとうにほんとうに愛するって、それはそれはたくさん時間かかるんじゃない?」
ちどりは言った。
「そうだね・・・・・時間をかけてもよかったのかもしれないのにね。 なんで離婚に至ったんだろう?自分のつごうを差し置いてまで愛せる気が全くしなかったからなんだろうと思う。毎日が楽しくて、それを重ねていったら愛になりましたって、そういうものでは決してなかった。まるで借金を抱えている人みたいに、今だけは借金のことを忘れていようってむりに見ないようにして楽しいと思うような、そんな日々の積み重ねだった。入院している人が一時帰宅して、病院のことは今だけ忘れようって思うような切実でありがたい忘れかたではなく、明日の朝仕事上の重要なミーティングがあるけど、すごくいやな人がいて気が重い、だから飲んじゃえ、みたいな甘えた逃げの時間だった」
「でもね、ほんとうにほんとうに愛してたら、いや、愛せそうな予感がしたら、どんなに自分と価値観が違ったって続けたと思うよ。」
「クマさんともしも寝たら、脱いだシャツもハンカチも、みんなクマさんの奥さんが毎日の中でもはや義務感さえなく、普通のリズムで取り揃えたものなんだよね。クマさんのカバンも、靴下も、みんなふたりの家、子どもたちを育てた家からやってきたものなんだよね。不倫っていうのは、要するにとことんそういうものなんだよ。一見楽しく見える。ホテルはそうじもしなくていいし、シーツだって換えなくていい。おいしいもの食べ
て、お酒飲んで、セックスして、いいことずくめ、最高じゃない?と思う。
でもそれは、さっちゃんの元だんなさんの思ってるきらびやかでいつもふんわり楽しい人生と同じで、実はすごくつまんないものなんだよね。ひたすら皿を洗ったり、ふきんでふいたり、ばかほど洗濯物干したり、シーツ換えて腰痛めたり、なんかそういうのがないと、人との関係って深くはならないんだよ。どうしたって。どうしてだかは知らないよ。でも、そういうふうにできてるみたいね。」
続きを読む投稿日:2023.07.09
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。