推理小説の歴史をひもとけば、「黄色い部屋の謎」や「アクロイド殺害事件」のように、犯人の意外性で売り出した名作があまた存在する。ところがこれまで、どんな物語にも不可欠な人物であるのに、かつてこれを犯人に仕立てた推理小説というのは、ただの一編もなかった。読者=犯人である。そのことに気づいた、推理作家たらんと志すかけだしのぼくは、犯人を読者に求めようとしたのだ。そう、この推理小説中に伏在する真犯人は、きみなんです!――推理小説の仕掛け人・辻真先の出発点となった名作登場。/解説=桂真佐喜
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青山から北関東のとある町へ移住した牧薩次(ポテト)とキリコ(スーパー)夫婦。亡き義父の願いから高齢出産を決意したキリコは、地元の女子中学生・美祢に住み込みで手伝いをしてもらうことにする。やがて臨月間近の秋祭のさなか、キリコに謎の原稿が手渡される。助産師の息子の書いたミステリ作品らしい。それが、キリコたちに新たな事件をもたらすことになろうとは──。大きなお腹をかかえ難事件に挑むキリコと薩次、そしておなじみのキャストで贈る、シリーズ最終巻。「犯人は読者だ!」の衝撃作『仮題・中学殺人事件』から40年を経て、ついに迎えるフィナーレ!
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ポテトとスーパーの通う西郊高校きっての秀才が、校舎の三階の窓から飛び降りた・・・・・・はずなのに、校庭には誰も倒れていない、ばかりか窓の下に突き出ているビニールの日よけは、どこにも破れ目がなかった。彼はどこへ消えてしまったのだろう? ところが意外なことに、それから四時間たったその日の夕方、校庭に墜落死体が横たわっていたのだ! 続いて、喫茶店を借り切って高校生たちの乱痴気パーティが開かれた夜、西郊高校生が殺された。そして、第一の事件も、第二の事件も、高校の校歌どおりの死に方だったのは偶然なのか? 受験戦争のまっただ中、鬱屈した気持ちを抱える高校生たちの中で起こる奇怪な連続見立て殺人。相次ぐ不可能状況の事件と、そして作者が仕掛ける究極のトリック。辻真先の出発点となった初期連作の第3弾!
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新宿駅の九番線ホームで電車を待っていた牧薩次のうしろで鈍い爆音とともに売店から黒煙が上がった。パニック状態に陥った群衆は階段に殺到し、折り重なって転落した。死者九名、重軽傷者六十一名の大惨事であった。病院に担ぎ込まれた薩次は同室の若い被害者二人と意気投合し、その中の一人、三原恭助の実家、鬼鍬温泉に、それぞれカップルで出かけることになった。だが、そこで密室殺人事件に巻き込まれることになる・・・・・・! 『仮題・中学殺人事件』に引き続き、今度は「作者は、被害者です。作者は、犯人です。作者は、探偵です。この作品は、そんな推理小説です」と、自信満々、作者が仕掛ける超ミステリ。スーパーとポテト・コンビの名推理が冴える第2弾!/解説=はやみねかおる
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推理小説の歴史をひもとけば、「黄色い部屋の謎」や「アクロイド殺害事件」のように、犯人の意外性で売り出した名作があまた存在する。ところがこれまで、どんな物語にも不可欠な人物であるのに、かつてこれを犯人に仕立てた推理小説というのは、ただの一編もなかった。読者=犯人である。そのことに気づいた、推理作家たらんと志すかけだしのぼくは、犯人を読者に求めようとしたのだ。そう、この推理小説中に伏在する真犯人は、きみなんです!――推理小説の仕掛け人・辻真先の出発点となった名作登場。/解説=桂真佐喜
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