この作品のレビュー
平均 3.4 (39件のレビュー)
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なぜ、「モノを持つことがダサい」時代になったのか?
車、時計、宝飾品、奇抜なブランドものの服、靴、高級オーディオやテレビ、家電・・・・形のあるものが売れないと言われて久しい昨今、一体何が起こっているのか。元「エスクァイア」「Cut」の編集者が自身の体験…と、多くのインタビューを通して考察する一冊。
著者は学者ではないので、客観データに乏しいと感じるところはあるが、多くの体験・世界中の事象からまとめられており、説得力がある。
消費のパラダイムシフトを読み解く良著だと思う。
・モノが売れない、欲しくない、むしろモノに縛られることがダサい
・モノ(ファッション)を通して、自分を表現し、他人より優れていることを示す必要がなくなった
・この現象は日本だけでなく、あらゆる先進国で起きている
・それはインターネット・情報化による、「作ることに金がかかり環境負荷の高いモノ・ハード・アトムの世界」ではなく、
「サービス・ソフト・バーチャルの世界」への変化が背景にある
・その変化を紐解くキーワードが「ライフスタイル」という言葉。その具体例が掲載されており、
アメリカの一田舎町だったポートランドが全米で最も住みたい街になっている理由はそこにある
・代官山ツタヤ、ツタヤ家電が生まれた文脈も同じところにある。
その代官山ツタヤで一番売れている洋雑誌は「ヴォーグ」ではなくポートランドで創刊された「キンフォーク」
・今流行りのシェアリング・エコノミーの解く鍵も同根にある
・ライフスタイル的な生き方は、働き方の価値観にも大きく影響を与えている
・地方再生や、若者の農業への回帰、スローフードなどの動きも同じ文脈でなぜ注目されるのか見えてくる
・経済成長がなくても、文化の成長が人間の幸福度を高める。むしろ、経済成長を第一義にしていたこの数十年は特殊な時代だった
「文化の成熟」がこれからの時代のキーワード。
今起きている世の中の変化が、一体何なのか考察するのに適した良著。
社会の変化に興味がある人は是非。
※資本主義そのものに対する考察はちょっと素人の思い込み感が強かったので個人的には「ホンマかいな」と思いながら読んでいたので★は4つ。続きを読む投稿日:2016.01.27
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そうは言っても、やはり見通せない今後の世界
まずファッションの話から始まりました。私自身は、ファッションには全く興味はなく、服を買う基準は、サイズが合うかどうか、着ることが出来るかどうか、でありましたので、そもそもファッションに対する物欲はあ…りませんでした。でも、「ライフスタイル」がブームであると言うことは判ります。
「欲しいものがない時代」う~ン確かにそうかもしれません。私の生まれた頃は、今から思えば何にもありませんでした。冷蔵庫もなかったらしいですが、それは記憶にはありません。でも小学校時代はずっと白黒テレビでしたし、自家用車もありませんでした。ただねぇ、今の若者が物欲がなくなったというのは、単純には言えないでしょうね。欲しくても買えない人も多いでしょうし、その一方、スマホの新機種がでれば人々が殺到するという現実、まぁ、これもファッションなのかもしれません。
話は、モノとの新しい関係、共有とかシェアについて述べられていき、そして徐々に資本主義の先の世界への考察に移っていきました。最後の章は、筆者の意見と言うよりも、様々な学者さん等の考えていることや事例の紹介でしたけど、これが大変興味深いものでした。成熟した社会とはどのようなものか。日本の今後が成熟なき衰退にならないかと懸念する人等、色々ありましたけど、今後の世界を考える際、巨大化した貧富の差はいかんともしがたい障害となるでしょう。その中で、おそらく1番良い解決策は、本の中で紹介された「最低所得と最高所得の幅を制限する」というものかもしれませんね。でも、地球規模でこれを実現することは不可能だろうねぇ。資本主義の先の世界、どうなるのでしょうかね。続きを読む投稿日:2022.05.01
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