カレーライスと日本人
森枝卓士(著)
/講談社学術文庫
作品情報
インドで生まれたカレーが、いまや日本の食卓の王座についている。日本人はなぜカレーが好きなのだろうか。われわれが食べているカレーはインドから輸入されたのか。アジア全土を食べあるき、スパイスのルーツをイギリスにさぐり、明治文明開化以来の洋食史を渉猟した著者が、「カレーとは何か」を丹念に探った名著。刊行後、『美味しんぼ』で詳しく紹介されるなど、日本の食文化論に大きな影響を与えた。著者による補筆を収録。(講談社学術文庫)
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商品情報
- シリーズ
- カレーライスと日本人
- 著者
- 森枝卓士
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社学術文庫
- 書籍発売日
- 2015.08.10
- Reader Store発売日
- 2015.08.28
- ファイルサイズ
- 14.8MB
- ページ数
- 264ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (12件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
「もはや日本食」といって誰もが納得するであろう、インド発祥、イギリス経由で入ってきて、それから日本化したカレーライスについての、インドでのその様を探っていく段階から、歴史や変遷をたどっていく、非常に面白い本。食いしん坊でカレー好き、さらに読書も好きな人ならば、小躍りしてしまうこと請け合いの良書でした。さまざまな興味深いトピックに溢れてます。たとえば、明治五年のことですが、天皇が肉を食べた、と宮内省(当時)が発表したそうなんですが、それまでは日本人って、肉食が禁忌だったとのこと。それでも山村部などでは今でいうジビエ肉が食べていただろうと思われ、さらにいえば、表ざたになってないまでも、庶民の間でたまに食べられていたりもしただろうし、どこかの藩で将軍に献上している記録もあるようでした。タブーであって、全面禁止ではなかった。また、鳥肉は食べていたようです。さらに、ウサギを一羽二羽…と数えるのは、獣としてカウントするとタブーにひかっかるからだそう。そうやって心理面で操作して食べていたんですね。で、明治の文明開化による洋食誕生、つまり、西洋の調理法が日本に入ってきて、日本化されていく過程で同時に日本の食文化も変わってくるんですけども、肉食の解禁によって牛鍋が流行った。ステーキくらいの牛肉を味噌だとか醤油だとか砂糖だとかと鍋で煮たみたいです。夏目漱石の小説を読んでいても「牛鍋」なんてものが出てきますから、牛丼の具のようなものかなあと想像していたのですがちょっと違っていますね。で、それが文明開化の象徴だったのかもしれない。そんななか、カレーがイギリス経由で伝来する。イギリスでカレー粉が発明されていたので輸入して、手軽に作れたんでしょう。現存している最初の頃のレシピでは、カエルカレーがあります。ほか、玉子カレーだの牡蠣カレーだの、さまざまな食材でチャレンジしているのところに、明治の人たちの楽しんでいるさまが感じられる。明治の後期になると、もうその段階で、乾燥カレーなるものも商品化されている。お湯を注いで混ぜればカレーになったそうで、今でいうフリーズドライ製品的なものだったのかもしれませんね。とまあ、そんな感じで、著者の視野は広く、昭和にいたって、いわゆる原風景としてのじゃがいもと人参と玉ねぎと豚肉のカレー、それも、肉はちょっぴりだけど…というものに辿り着いていく。
レビューの続きを読む投稿日:2020.03.03
カレーとはどこから来たのか、
日本人にとってのカレーとは、
何がカレーなのか、
かなり歴史を深く掘り下げ客観的に考察。投稿日:2023.12.29
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