この作品のレビュー
平均 4.0 (8件のレビュー)
-
今の天皇陛下のことは、けっこう好きです。
好みの問題なんでしょうが。
見た目とか、そういうことではないんですが、
昭和天皇が亡くなって、今の天皇、明仁天皇さんになってから、
報道で流れる天皇の姿と、…天皇の発言を見ていると。
無論の事、ある程度、パターンだし、良くある言葉でしかないのですが、
その向こうに物凄く強固な「リベラル志向」を感じるんですね。
もっと具体的に言うと、
●第2次世界大戦、太平洋戦争。それを、きちんと日中戦争まで含んだ「十五年戦争」と把握するべきだ、という志向。
●その過去について「日本は悪くなかったもんね」というニュアンスを一切、許さない雰囲気。
●といって、自虐的になりたいだけではなくて、「何があったのか」という事実を学ぶ重要性の上で、「同じようなことを繰り返さない」ことだけを強調する姿勢。
●はしばしで「今の日本国憲法を変えるなんて、ぜんぜん理由がわかりません」という空気感。
●「自分が死んだら大喪の礼は簡素に」「とにかく災害現場に行き、低姿勢で話を聞く」「奥さん(美智子さん)を大切にしている感じ」などから匂う、「マッチョ嫌い」「権威権力嫌い」。
と、言うようなところでしょうか。
もっと言ってしまえば。
安倍政権が、大手マスコミをも委縮させる権力を振い、
新聞は人々に見放され、ネットとテレビの刹那な情報が猛威を振るい、
野党が求心力を失って、選挙制度が自民党有利に固定されてしまっている現在、
「潜在的な精神として「アンチ安倍」を醸し出しながら、凛とした姿勢も失わない、日本で最も影響力があり有名な人物」
というのは、実は天皇陛下なんぢゃなかろうか。
######
という訳で、何か一冊、今の天皇さんについての本を読んでみようかなあ、と。
どうやら、学習院関係の学者の方が書いた新書です。
緩やかな、明仁天皇の伝記、でした。
食い足りない部分としては、伝記としての執拗さがあまりなく、かなりな部分は過去の新聞記事と小学生のころの文章から推論しているだけ、みたいなお手軽さはいまいちでした。
まあでも、分量そのものが軽い本なので、そこはまあ、そういうものかなあ、と。
ブックレットみたいなもの。
そして、冒頭からとにかく「明仁天皇ってさ、いやあ、素晴らしいですよね」という立場が明確に貫かれちゃってるので、その辺のこう、若干、提灯記事のような軽さもありますね。
ただ、面白かった部分もありました。
やっぱり、明仁天皇の発言をそれなりにトレースしていくと、とってもよく勉強して、そして考えてはるなあ、と。
●象徴天皇って、どういう役割をして、どこまでしていいのか。政治的でないところに立ちながら、とってもクリエイティブに、考えながら「天皇像」を作ってらっしゃる。
●多くの問題について、学者さんに聞くなどして、ホントに勉強してはる。3.11.直後に、地震や救援や原発について、ものすごい勉強してはった。
●実は、いろいろな公務で相当に日常的に忙しい。それに加えて、「自分で希望した仕事」を積み上げている。そしてそれを、びっくりするくらい美智子さんと分かち合って共同作業している。
●当然ながら「天皇制そのものの是非議論」「かつての戦争の責任の、天皇の有無議論」についても、「当然、議論はあってしかるべき」という、タブーを作らない姿勢。はっきりと、「言論の自由は大事である」と明言されている。
●戦時中に既に、少年の明仁さんが軍人に「どうして特攻作戦をとるのか」と素直に質問した挿話は面白かった。
と、いうような細部がちょこっと勉強になったのは、面白かったです。
#
ご高齢なので、今と同じ活躍が長くはできないでしょう。
生前退位云々のありますが、希望としては、きっと、お子さんたちにも想いを共有しておられることですね。
この先も、日本の社会の右傾化、ナショナリズムの暴走を止める最大の勢力に、天皇家がなってくれるのでは、という、素敵な皮肉が真実にならずに済むと良いのですけどね。
#
昔、10年くらい前に、一度だけ、車の中で通過する「生天皇夫婦」を見た事があります。
沿道の僕らに微笑みながら申し訳なさそうに頭を下げておられました。続きを読む投稿日:2016.07.27
天皇陛下のざっくりした伝記みたいな感じ。タイトルから期待したのは、陛下が平和についてどう考えとらえているかを皇位についてからの言動を中心に紹介・分析・論じてくれるものだったんだけど、そうではなかった。…けっこう幼少期にもページを割いている。一人の人間の内面形成期をしっかり掘り下げ、そこから現在に至るものを見い出そうということかとも思うけど、掘り下げも足りない。
ただ、幼少期には弱気だったり傲慢な態度も見せていた陛下が、その後の人生を生きるなかで今のように変わったことがすごいと思った。何が変えたのかはわからないけど(美智子さまがそのうちの1つなのは確かだけど)、人は後天的に変われるんだ。
あと感じたのは、昭和天皇がヴァイニング夫人のような外国人の養育係をつけるよう望んだこととか、良子皇后が子ども思いだったといったエピソードについて。とかく、乳人なしで育児したことなど、現両陛下が皇室の革新者のように描かれるけれど、昭和の両陛下もしきたりを破り3歳まで現陛下を手元で育てたように、ちゃんと少しずつ変化させてきたんだなあ。続きを読む投稿日:2019.04.23
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。