創世記機械

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  nannryou

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  科学子は夢を見る…

  超兵器は戦隊ものや特撮、アニメ、ゲームの夢ですね!
  K理論の深い研究からあれよあれよという間に物語は進んでいきます。まるでウェルズの解放された世界そのもののように…。J・P・ホーガンの深い知見に科学…フリークの魂が揺さぶられて、実際に重力の利用や高次放射について本気で考えてしまいましたよ。
  さて、冷戦の終結後、バイ・ドール法の導入その他によって高まった大学の統治に伴い、日本では兵器研究とデュアルユース研究は、行うべきではない論理規範として制限されています。これは、憲法の前文にも合致し、日本国民は平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して安全と生存を保持しようと決意しているわけです。
  …ですが、アメリカに守ってもらっている日本人がいうのも変ですが、実際問題として有色人種の権利の問題はロシア、中国、インド、パキスタンが核保有を行っていることに依存しているのも一つの事実です。
  現代のアメリカなら、この作品に登場するように超兵器を一つくらい隠し持っていても不思議はないというのも実感です。
  物語後半に登場するシャーマン大統領の”東側を対等な相手とは認めない”という側面は冷戦後の日本人にも複雑な感覚を与えます。
  それでも、科学子は平和を実現するというクリフォード博士とオーブ博士のような
  純潔な理想を胸に、厳しい現実と折り合いを付けなければいけないな、と強く感じます。現実で言えば益川先生のような心意気ですね。科学子も夢は見ます。”デュゲスの指輪”を一顧だにしない側は素晴らしいです。ですが、指輪を手にして行使したとしても、後に改心することは意味が無いわけでもないのでは、と感じることがあります。日本には前科があり、そのことを顧みる時、ナチスの轍を踏まないことはとても重要だと感じます。
  科学は夢で、希望です。SFは他の分野に見られない魅力があります。
  いつか目覚める科学子にJ・P・ホーガン先生の夢が伝わるように祈ります。
  星5つ。続きを読む

  投稿日：2019.01.18

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  一条浩司(ダギナ)

  若き天才科学者が発見する究極の理論。『星を継ぐもの』のホーガンによる、科学者の夢を描いたハードSF。
  
  「科学の力って　すげー！」
  某ゲームに毎回登場するというセリフを、架空の理論によって巧みに実感さ…せるホーガンの面目躍如たる一作。
  
  組織での軋轢のなかで苦闘する前半から、世界の政治情勢を一変させるという大きな話に広がっていく後半まで、一貫して描かれるのはホーガン流の創作理論と科学者としての矜持を持つキャラクターの魅力。そして「こうきたか……！」と唸らせるセンス・オブ・ワンダーなラスト。創世記ってそういうことか！やっぱホーガンってすげぇな、とハードSFの面白さを再認識。K理論の内容についてのわかるようなわからないような説明も雰囲気で楽しめた。続きを読む

  投稿日：2022.12.22

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