霖雨
葉室麟(著)
/PHP文芸文庫
作品情報
天領の豊後日田で、私塾・咸宜園(かんぎえん)を主宰する広瀬淡窓(たんそう)と、家業を継いだ弟・久兵衛。画期的な教育方針を打ち出す淡窓へも、商人としてひたむきに生きる久兵衛へも、お上の執拗な嫌がらせが続く。大塩平八郎の乱が起きるなど、時代の大きなうねりの中で、権力の横暴に耐え、清冽な生き方を貫こうとする広瀬兄弟。理不尽なことが身に降りかかろうとも、諦めず、凛として生きることの大切さを切々と訴えた歴史長編。
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商品情報
- シリーズ
- 霖雨
- 著者
- 葉室麟
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP文芸文庫
- 書籍発売日
- 2014.11.07
- Reader Store発売日
- 2015.01.30
- ファイルサイズ
- 0.7MB
- ページ数
- 320ページ
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この作品のレビュー
平均 3.5 (18件のレビュー)
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凜として生きるには?
この小説は実在する人物が題材となっています。私は全く存じ上げませんでしたが、豊後日田で、私塾・咸宜園の広瀬淡窓と言えば、かなり有名な方のようです。
物語の中でも、淡窓の名声は他藩にまで広く知れ渡っ…ていたとあります。しかし、なぜこの私塾が、それ程人気があり、その教育方針がどれほど優れていたかは、当初は今一つわかりません。具体的な説明がないのです。しかも、淡窓は、理不尽な代官の嫌がらせに、立ち向かうと言うよりも、堪え忍ぶ、あるいは小手先で誤魔化す?というスタイルに徹しますので、読んでいても、もどかしくて仕方がない。とは言え、時代は大塩平八郎の乱が勃発する寸前の頃。当然、淡窓自身が、忸怩たる思いだったことは想像に難くありません。そして物語の終盤、ついに淡窓が塾生達を前に、己の考えを披露する場面が訪れます。このスピーチこそが、この小説のキモ、著者の書き表したかったことなのでしょう。
物語は、淡窓と弟、久兵衛の人生を骨格に、千世と佳一郎というワケありの若い二人が絡むわけですが、この佳一郎のような生き方だけは、したくないなぁと、思
う次第であります。この部分は作者の創作によって付け加えられたものと思いますが、幕末近く、各地にあったという私塾の一つに広瀬淡窓という、権力におもねることなく、かといって力で対抗するわけでもなく、されど、心持ちだけは、凜として生きた人物がいたことを知るだけでも価値ある一冊だと思います。
「蜩ノ記」の主人公の様な生き方は、とても無理ですが、淡窓の様な生き方ならあるいは。。。でも、やっぱり無理かな。続きを読む投稿日:2015.09.30
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時代小説は自分では手に取らないジャンル、人から貸してもらったので読んでみた
豊後日田(現在の大分県?)で、
私塾咸宜園(かんぎえん)を主宰する広瀬淡窓と、家業を継いだ弟の久兵衛が
様々な困難を乗り越…えていく様を淡々と描く
タイトルや各章に「雨」が含まれていて、その雨の表現が秀逸
響いた本文中の文言
*********
「生きるのに値打ちがあるのだ、と教えてくれるのが学問ではありますまいか。
おのれが生きることが無駄ではないと知れば、おのずから楽しめるというものです」
鋭きも鈍きもともに捨てがたし、錐と槌とに使いわけなば
頭の鋭い秀才も、一見鈍く見える努力型も、ひとは皆、使い道しだいであり、
それぞれの持ち味を尊重すべき
ひとは生まれながらにして徳を備えているわけではない、と淡窓は考えた
様々に欠けたところがあるのを埋めるように、目指すものに向かって
努力を怠りなく続けることができて、初めて人は進化を発揮できる
その努力を粘り強く見守ることが、ひとを教えるというだ
「止んだ雨はまた降り出しもしようし、そうでなければ作物は育たぬであろう。
この世に生まれて霖雨が降り続くような苦難にあうのは、
ひととして育まれるための雨に恵まれたと思わねばなるまい」
*********
やまない雨はない
代官の横暴、飢饉の時代、大塩平八郎の乱
ただじっと耐えるだけでなく、学び、教え、行動を続けた広瀬兄弟は
自らの足で雨が降らない土地へと進むことが出来る人だと思った
広瀬兄弟が陽の立ち位置なら、臼井桂一郎と元兄嫁・千世は陰の立ち位置だろう
物事の責任転嫁----桂一郎
依存--千世
読んでいる最中は少し嫌悪感も感じてしまいましたが
読後、考えてみると生きずらい時代においては大方の人がこの二人のような
かたちで生活していたような気もしてきました
他人様の短所は、自分の短所
短所はあるものだと認識しつつ、長所をのばして
雨が止むのをボケ~と待つのではなく、晴れてる場所に一歩でも進める
知識と行動力を日々研鑽していきたいと思う続きを読む投稿日:2023.02.26
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