天災と国防
寺田寅彦(著)
/講談社学術文庫
作品情報
標題作「天災と国防」ほか、自らの関東大震災経験を綴った「震災日記より」、デマに対する考察「流言蜚語」など、地震・津波・火災・噴火などについての論考やエッセイ全十二編を収録。平時における備えと災害教育の必要性など、物理学者にして名随筆家ならではの議論はいまだに有効である。天災について再考するための必読書。(講談社学術文庫)
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商品情報
- シリーズ
- 天災と国防
- 著者
- 寺田寅彦
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 数学・物理学・化学
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社学術文庫
- 書籍発売日
- 2011.06.09
- Reader Store発売日
- 2014.11.28
- ファイルサイズ
- 0.5MB
- ページ数
- 208ページ
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この作品のレビュー
平均 4.1 (21件のレビュー)
-
あまりに淡々と、至極真っ当な真実の警鐘が書かれていることに、大いなるショックを受けた。
そして、本論文を著したのが、戦前に活躍した物理学者 寺田寅彦先生であるということに、二度目のショックを受ける。
…
表題タイトルの論文を含む寺田虎彦先生の随筆集。
天災に対する備えを説いた本小論文は、充分に現代であっても通用する考え方。
現在の利益至上主義であり防災、国土保全、そして未来を考えることを忘れた官僚や国会議員達は、まず本論文を熟読し性根を叩き直す必要があろう。
長くなるが、本文を引く「悪い年回りはむしろいつかは回ってい来るのが自然の鉄則であると覚悟を定めて、良い年回りの間に充分の用意をしておかなければならないということは、実に明白すぎるほど明白なことであるが、またこれほど万人がきれいに忘れがちなこともまれである。
もっともこれを忘れているおかげで今日を楽しむことができるのだという人があるかもしれないのであるが、それは個人めいめいの哲学に任せるとして、少なくも一国の為政の枢機に参与する人々だけは、この健忘症に対する診療を常々怠らないようにしてもらいたいと思う次第である。」
熊本地震でいち早くテント村を立ち上げた野口健氏。そして彼を支えた総社市との連携は、まさにこの思想の具現化であると思われる。 http://www.noguchi-ken.com/M/2016/05/post-836.html
昭和9年に書かれた小論文「天災と国防」、これこそ、国会議員に読ませたい論文である。
表題先のほかにも、白木屋火災、函館大火、関東大震災、台湾地震の記録などがまとめられている。
また、災難雑考には、このような一節が
「もっともだいじなことは、今後いかにしてこういう災難を少なくするかを慎重に研究することだろうと思われる。」
「しかし、多くの場合位に、責任者に対するとがめ立て、それに対する責任者の一応の弁解、ないしは引責というだけでその問題が完全に落着したようが気がして....」
原発事故、オリンピック招致(災害だったんだ)、都知事....多くの災害に通じる考え方であると思う。続きを読む投稿日:2016.06.23
このレビューはネタバレを含みます
本著も「ドストエフスキイの生活(小林秀雄著)」同様、「地震と社会〈下〉(外岡秀俊著)」に言及があったので読んだ。
レビューの続きを読む
ほんと、寺田寅彦の「「地震の現象」と「地震による災害」とは区別して考えなければなら…ない。現象のほうは人間の力でどうにもならなくても「災害」のほうは注意次第でどんなんにでも軽減されうる可能性があるのである。(p 38)」のひと言は、当たり前ながらも、秀逸だ。
でも、学者が前もって警告しても被災者(一般人)は時が過ぎれば覚えてられないということを「つまり、これが人間界の「現象」なのである。(p137)」と至極ニュートラルな立場で語る。でも寅彦は悲観して終わることなく、「教育」の大切さを説く。
一方、「文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向があるという事実を十分に自覚して(後略)」という寅彦の言葉、これをどれほどの現代人が心して科学技術を享受しているのか...。寅彦にしてみれば氏の憂はより確実なものになっている。透徹した見識を持つ寺田寅彦に、改めて、会えた一冊だ。続きを読む投稿日:2023.11.16
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