関東軍 在満陸軍の独走
島田俊彦(著)
/講談社学術文庫
作品情報
日露戦争直後から太平洋戦争終結までの40年間、満州に駐屯し、日本の対中国政策の尖兵的役割を演じた関東軍。陸軍中央の統制に背いて独走し、軍事的衝突を策した彼らの行動は、日本の運命に重大な影響を及ぼした。張作霖爆殺事件や満州事変、ノモンハン事件等の歴史的大事件を中心に、膨大な史料に基づいて、関東軍の歴史と独走の実態を描き出す。(講談社学術文庫)
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商品情報
- シリーズ
- 関東軍 在満陸軍の独走
- 著者
- 島田俊彦
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社学術文庫
- 書籍発売日
- 2005.06.10
- Reader Store発売日
- 2014.10.24
- ファイルサイズ
- 3.7MB
- ページ数
- 256ページ
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この作品のレビュー
平均 3.5 (6件のレビュー)
-
2015.10記・
関東軍の歴史。
本来は北方防備(対ロシア戦)のための一地方軍が、日露戦争で得た権益維持・経営のため身の丈に合わない背伸びを強いられ、それが関東軍の前身となったこと。現地民衆の信頼…を得られない、と軍政に徹底的に反対したのは伊藤博文(軍と外務省との勢力争いで徹底的に後者の肩を持った)。
そして関東軍暴走の契機とも言える張作霖爆殺事件。当時、野党の民政党が自ら現地に乗り込んで調査するなど、国民全体が関東軍を疑っていたこと。それでも続くノモンハンでの独走と大敗。対ソ戦準備で集中的に戦力を集められ、栄華を極めた関東軍も、太平洋戦争では何ら役割がないまま兵力がどんどん南方に引き抜かれ、最期のソ連の対日参戦に当たってはほぼ戦わずして壊滅。
ソ連が攻めてきた時、日本軍は居留民を守らずに真っ先に逃げた、と戦後さんざん叩かれた。地域によっては大いに誤解ありで、楯となって日本人の避難を助けた部隊もいた一方で(例えば内蒙古)、そうでない部隊がいたのも事実なようだ。あるひとつの経験談だけで全体を語ることはできない。
最新歴史学研究の成果から見るとやや古い見解なども含んでいるようだが(出版は1960年代)、この領域における基本書としての地位は揺らいでいない。日本型エリート組織のある種の特徴を完璧なまでに体現している関東軍、組織で働く人にとってはいろいろ思うところも多いであろう・・・。続きを読む投稿日:2019.01.05
島田俊彦著『関東軍 : 在満陸軍の独走
(講談社学術文庫)』(講談社)
2005.6発行
2024.2.20読了
本書は1965年に中公新書から刊行された同名の著作を文庫化したものである。関東軍に…関する歴史研究書として最も基本的な文献と言われている。
巻末の解説によると、原書が刊行された1960年代半ばは、マルクス主義歴史学の影響が弱まり、史実に基づいた実証的な歴史研究がようやく緒につき始めた時期にあたり、日本の近現代史に関する書物が続々と出版された時期なのだという。そして、関東軍の視点から諸事件を通時的に考察し、関東軍の全体像を明らかにしようとした研究は、本書が初めてであったという。
本書は関東軍と銘打っているところから了解されるように、関東軍の成立から消滅までを描いている。特に関東軍が成立するまでの前史について詳しく、類書である及川琢英著『関東軍』を上回っている印象を受けた。過去の人々の顔が浮かんでくるような記述の仕方になっており、読んでいて面白い。張作霖爆殺事件や満洲事変、ノモンハン事件、関特演といった歴史的大事件を中心に描いているので、非専門家でも分かりやすいように思った。しかし、その分、奉直戦争や華北工作、内蒙工作といった事柄に関しての記述が少なく、満洲現地勢力についての記述も少ない。関東軍がなぜ独走するに至ったのか、その核心に迫り切れていないように感じた。
日本は日露戦争で関東州や南満洲の鉄道経営権等を得たわけだが、著者曰く「大荷物」だったという。それならばなぜそのような条件で講和したのか疑問に思った。関東軍の意思に関わらず、講和の成り立ちからして満蒙領有は将来の規定路線だったのではないだろうか。
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007780296続きを読む投稿日:2024.02.20
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