さみしさの周波数
乙一(著)
,羽住都(イラスト)
/角川スニーカー文庫
作品情報
短編の名手・乙一の傑作集! 「お前ら、いつか結婚するぜ」そんな未来を予言されたのは小学生のころ。それきり僕は彼女と眼を合わせることができなくなった。しかし、やりたいことが見つからず、高校を出ても迷走するばかりの僕にとって、彼女を思う時間だけが灯火になった・・・“未来予報”。ちょっとした金を盗むため、旅館の壁に穴を開けて手を入れた男は、とんでもないものを掴んでしまう“手を握る泥棒の物語”。他2篇を収録。
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商品情報
- シリーズ
- さみしさの周波数
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- 角川スニーカー文庫
- 書籍発売日
- 2003.01.01
- Reader Store発売日
- 2014.09.01
- ファイルサイズ
- 9.1MB
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この作品のレビュー
平均 3.8 (254件のレビュー)
-
4編の短編集。
好印象だった【さみしさの周波数】という表題。
しかし読み進めど、まったく感情が揺さ振られない、事前期待を超えてくれない。
読むことを諦めそうになったとき、最終編〈失はれた物語〉で救わ…れた。唯一、周波数が合った。
もしもある日突然、右手以外の感覚の全てを失って意思表示もできない、ただの肉塊になってしまったら…
絶望感。罪悪感。想像するだけで苦しい。苦しいに決まってる。自分も、大切な人も。
続きを読む投稿日:2020.09.06
このレビューはネタバレを含みます
目次
レビューの続きを読む
・未来予報 あした、晴れればいい。
・手を握る泥棒の物語
・フィルムの中の少女
・失はれた物語
切なさド直球の物語、と思ったら、「切ない話を」とのオーダーだったのですね。(未来予報)
未来が見…える、わかるというのは、必ずしも幸せなことではない。
天気予報レベルで外れることも多い未来予報だとしても。
彼も、彼女も、特段その未来に縛られていたわけではないけれども、その未来は支えだったはず。
「意味のない人生なんてない」
清水が言ったからこそまっすぐに伝わった言葉。
”僕たちの間には言葉で表現できる「関係」は存在しなかった。ただ透明な川が二人の間を隔てて流れているように、ああるような、ないような距離を保っていた。
しかし、僕は清水のことを考えるとき、まるで何十年も連れ添った後、寿命で眠るように死んでしまった妻へ思いを馳せるような、懐かしい気持ちになるのだ。”
この最後がもう飛び切りに上手い。
しかし古寺は、どんな気持ちでこの二人を見続けていたのか。
金に困って、旅館の壁に穴をあけて札束の入ったバッグを盗もうとした主人公が、まったく違うものを掴んでしまった挙句、何も取らずに家に逃げ帰ってしたこととは。(手を握る泥棒の物語)
”身辺を片付け、テレビやビデオの電源を抜き、冷蔵庫に入れていた腐りそうなものを食べた。逮捕されてしばらく戻ってこれなくてもいいようにという準備だった。”
こういう、ふざけているのか真面目なのかわからない語り口が乙一だなあ。
思わず噴いた。
「こわい話を」というオーダーで書かれた作品。(フィルムの中の少女)
確かに本来そこにいなかった少女がフィルムに映っていたら、そして再生するたびにその向きを変えていたら怖いよ。
でもこの作品の真の怖さはそこじゃなかった。
そして彼女がフィルムの中に存在した理由は、「せつない」じゃないか。
乙一の小説って、喪失とか欠落とか多いよね。(失はれた物語)
これはまた不条理で、切なくて、妻の気持も夫の気持もどちらもわかるだけに、どうするのが正解かなんて簡単には言えない。
だけど、最後のそれはないわ。
入院費用を払っている人はいるはずだし(まさかの自動引き落とし?)、点滴を交換しなければならないのだから、絶対忘れられた存在になるはずはないと思うの。
ってことは、叙述トリック?
ちょっと解釈に悩んじゃいます。続きを読む投稿日:2022.05.20
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