家族喰い――尼崎連続変死事件の真相
小野一光(著)
/太田出版
作品情報
主犯・角田美代子の“家族乗っ取り"はなぜ起きたのか。
2012年12月12日、兵庫県警本部の留置施設内で、ひとりの女が自殺した。
女の名は角田美代子。尼崎連続変死事件の主犯である。美代子と同居する集団、いわゆる“角田ファミリー"が逮捕され、これまでの非道な犯行が次々と明らかになってきていた矢先のことだった。
主犯の自殺によって記憶の彼方に葬り去られようとしているこの事件の裏側には何があるのか? 尼崎を中心とした徹底取材をもとに、驚愕の真相を白日の下に曝す。
百田尚樹氏をして「ホラー小説も逃げ出すくらいに気味の悪い本だった! 」と言わしめた問題作!
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商品情報
- シリーズ
- 家族喰い――尼崎連続変死事件の真相
- 著者
- 小野一光
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 太田出版
- 書籍発売日
- 2013.11.01
- Reader Store発売日
- 2014.05.30
- ファイルサイズ
- 3.2MB
- ページ数
- 288ページ
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この作品のレビュー
平均 3.5 (65件のレビュー)
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あぁ気色悪い。
2012年10月の家宅捜査から次々死体が発見され12月に主犯の角田美代子が獄中で自殺、全貌はつかめないままだが著者の粘りの聞き込みで少しは何が起こったか見えてきている。角田家以外に巻き込まれたのが6家…系、20世帯、50人以上が関連し、死者行方不明者が少なくとも12名で、逮捕者11名。多くの登場者が被害者でもあり加害者にもなっている。角田はいちゃもんをつけ、相手の家に乗り込み居座り、家族をバラバラにしお互いを虐待させ合う。しかし本人はほとんど手を下さず、暴力団の関与をにおわせ脅しているのだが、気色悪いのはなぜ普通の家族が角田に見入られたように言いなりになって行ったかだ。
時系列では角田家に出入りしていた橋本芳子さんが1987年に失踪し戸籍上死亡、しかしこの件では事件性があったかどうかは今ではわからない。何かあったとしても角田家の外には事件は拡がっていなかった。1998年美代子の母が無くなり、続いて伯父の嫁(仮名小春)が無くなった際、美代子の母の葬儀には顔を出さず、小春の葬儀を実家で出したことにいちゃもんをつけたのが最初のようだ。難は小春の妹(光恵、仮名)の嫁ぎ先I家に及んだ。光恵の4男と角田美代子の弟、そして養子になった戸籍上の妹三枝子は中学の同級生でどうやら昔からの知り合いでもあり、光恵の孫が二人美代子の養子になった(一人は後に解消)。美代子は光恵の子供達にも次々に難癖を付け一方で孫達には取り入り全ての子供夫婦は離婚させられ、会社を辞めさせ退職金を巻き上げ、家やマンションは自分の名義に変えさせている。きっかけは喪主を角田家から出さなかったことと葬儀代金を一時美代子が立て替えたことだけだった。光恵は子供達に殴られ虐待され99年に亡くなった。(事件にはなっていない)家族の誰かがその日のターゲットになり他の家族に殴らせる。美代子のもう一人の伯父の養子になった李正則が暴力団関係者としての脅し役なのだが光恵の子供達4人兄弟で10人以上いるのになぜこういう支配が可能になったのかがわからない。後にターゲットになった家族も同様に家庭内に被害者と加害者がうまれている。殺されたうちの3人は不起訴処分になったが他の殺人や傷害致死の容疑者でもある。
美代子の逮捕のきっかけになったのは大江香愛が監禁から抜け出し警察に駆け込んだことからだが、大江家が巻き込まれるきっかけになったのは電車でのクレームだった。香愛の妹裕美の夫川村博之は私鉄勤務で美代子のクレームに対応したとき逆に持ち上げられ裕美共々取り込まれて行く、脱サラして喫茶店をやりたいと言う話をして美代子の持つ不動産を使えと勧められ、数万円のコーヒーカップをプレゼントされ退職を後押しさせられた。美代子は川村の娘二人を甘やかして取り込み、川村の過去の浮気から裕美に離婚するようにけしかけた。そこから先がやはりわからないのだが川村の退職金はいつのまにか巻き上げられ、子供達には親の悪口を吹き込んで自宅に住まわせ、親族通しで殴らせるように誘導していった。そして大江家の2世帯住宅を自分の物にするため母の大江和代を呼び出し監禁し最後には衰弱死させ、同じように監禁した香愛(和代に対する加害者でもある)が逃げ出しやっと事件になったのだ。
なぜか美代子には脅しに屈する人間の見分けがついた様だ。同じように近づいても全く折れない人間相手にはさっさと手を引いている。それにしてもなぜこれだけの人間がいて結局大元の暴力装置も李正則ひとりで(彼も美代子に屈服させられているのだが)だれもがいいなりになってしまうのか。被害者の何人かがインタビューに応じているが警察に届けても家族間のことは民事不介入と取り合ってもらえず、かといって大勢で押し掛けてくる美代子達には対抗できず、それこそ金を払うしかないと言いなりになり、家族の虐待や手伝わされた窃盗をネタにさらに脅かされて行った。もうひとつ気持ち悪いのが逮捕された若い世代が親兄弟を死に到らしめているのにあまり後悔や反省の様子が見えず、ただ美代子の支配からは逃げたがっている所だ。
美代子の戸籍上の息子優太郎は内縁の夫鄭頼太郎と戸籍上の妹三枝子の実子で優太郎の妻瑠衣とともに瑠衣の姉茉莉子への殺人、監禁容疑がかかっている。茉莉子と瑠衣はその母初代に対する傷害致死容疑がかかったが不起訴となった。優太郎は美代子の逮捕直後バーを開店し店には主なき角田ファミリーが集まった。このバーで優太郎は自分もパクられるが死体遺棄だけなのですぐに出て来れると発言をし、また逮捕後の瑠衣は調書の中で「お母さんにはいい方向に変わって欲しいと思うし、もう変われないのなら、私はお母さんから離れて自立しようと思います」と美代子に決別している。この若い夫婦が子供と4人で写った写真では幸せそうな家族として写っている。続きを読む投稿日:2014.08.24
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犯人の生い立ちを知り、寂しい人なんだと思った。ニュースでしか知らなかったこの事件、この本を読んで人間味が増した。犯罪者の心理をもっと知りたくなった。
投稿日:2023.03.31
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