はじめての憲法教室――立憲主義の基本から考える
水島朝穂(著)
/集英社新書
作品情報
「憲法は国民が守るもの」と教えられることが多い日本の憲法教育。しかし、立憲主義の本質からいえば、憲法は国家権力の暴走を縛るためのものである。このような憲法の基礎知識を踏まえつつ、憲法学者・水島朝穂が、そもそも憲法とは何か、また、“ここだけは変えてはならない一線”とは何かを考察。さらに、自民党の提案した「日本国憲法改正草案」や、読売新聞の憲法に関する意識調査などにも言及しながら、改憲議論の何が問題かを指摘する。憲法について深く知るための、必読の書!【目次】プロローグ――憲法改正を語るまえに/早稲田大学法学部「水島ゼミ」について/第一章 憲法とは何か/第二章 自衛隊と国防軍、違うのは名称だけではない?/第三章 統治について――二院制は必要か?/第四章 人権を制限する憲法改正とは?/第五章 憲法条文の読み解き方/エピローグ――憲法改正の「作法」/あとがき
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商品情報
- 著者
- 水島朝穂
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社新書
- 書籍発売日
- 2013.10.22
- Reader Store発売日
- 2014.06.25
- ファイルサイズ
- 2.4MB
- ページ数
- 192ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (7件のレビュー)
-
第2次安部政権の下、執念のごとく押し進められる憲法改正議論は,連合与党の公明党にさえも決断を強いる、あまりに性急な議論としか思えない。
本書は早稲田大学法学部水島研究室において学ぶ学生達と水島教授の…ゼミナールを元に、解説・論考を加え、憲法の意味を今一度問い直すもの。取り扱うのは固い内容だが、学生達の対話から一緒に考えることができ大変面白い。
改めて憲法は何のためにあるのか、これを守るべきはだれか、守られているのは誰かと問い直されると、我々が日常として理解してきたことの曖昧さ、ジャーナリストでさえ時に議論の視座を見失っていることが明らかになる(政権の担当者でさえ、大いなる勘違いなのか、恣意的な解釈なのか)。
憲法の存在を「立憲主義」の視点から考えるとき、これを遵守すべきは政府、政治の暴走により、過去多くの国が過ちを犯し、自国、他国の人々を苦しめてきた。これを制限する知恵の集積が憲法。
憲法を変化に応じ変えるべく議論をしていくのは必要であろう。しかしながらそれは為政者のためにあるのではなく、国民のためにあるべきだ。かつ、数の論理でも犯されてはいけない、個人の生きていく権利を守るためだ。
「国民の過半数が憲法改正を望んでいる」というジャーナリズムの意図的統計数値にも注意すべきだ。「多くが正論を語るとき、自分の頭で考えよ」とは、他界された筑紫哲也氏の次世代へ残されたことば。続きを読む投稿日:2014.06.21
早稲田の憲法ゼミ2コマ分の文字起こし。ゼミとはどういうものなのか?早稲田のレベルはどの程度か?という事がわかる内容になっている点ではそれなりに有益ではある。ついでに憲法についても少しは学べるが、こっち…はオマケ程度という印象。
問題点は護憲派の教員(著者)による思想的誘導が感じられる事。そもそも教員というものは自分の主義主張を学生に押し付ける部分が多少はあるものなのだが、学生の方もそれに合わせてというか流されてしまっている印象がある。この辺は知識の差もあるだろうが、教員には逆らえない権力構造も原因かもしれない。一応その辺を留意して読む必要はある。続きを読む投稿日:2021.05.19
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