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ラブレーの壮大な世界も遂に本書で終幕を迎える.前書に引き続く島々めぐりの漂流譚で主従一行は枢機鳥,司教鳥,教皇鳥などの住む鐘鳴島,樹木に鎌や刀剣が実のようになっている鉄器具島,淫痴奇島などを次々と遍歴してゆく.苦心の訳文に周到綿密な訳注・解説が付された本書は,決定訳であり比類のない研究書でもある.
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パンタグリュエル一行は大航海の旅へと出発する.世にも奇怪な,幻想に満ちた島々をめぐって出くわす人々や事件のなかに人間性圧迫者たちへの諷刺や批判がますます多彩に語られる.宗教改革をめぐる争いが激化し,不寛容と思想弾圧の荒れ狂う社会を背景に書かれたこの第四之書にはさらに進んだ深い味わいと意味がある.
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「第三之書」発表までには十余年の歳月が経過し,ラブレーを取り巻く社会情勢は更に厳しくかつ複雑化した.本書では家臣パニュルジュの結婚是非について様々な意見が述べられるという筋立てでラブレー流の女性論議が開陳される.前二作の巨人物語風は影をひそめ,陰影に富んだ含蓄深い文章にラブレーの精神がこめられる.
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第一之書の主人公ガルガンチュワ王は,その齢五百二十四歳に達した時王子パンタグリュエルを儲けた.王子はまだ揺籃にありながら食事の度に四千六百頭の牝牛の乳を飲むばかりか牝牛そのものさえ引き裂いて食べてしまう始末・・・・・・.この恐るべき王子の成長とともに物語は行方も知らぬ大河のごとく果てしもなく展開してゆく.
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フランス・ルネサンスを代表する大作家ラブレーの長篇「ガルガンチュワとパンタグリュエル物語」の第一冊.桁はずれに巨大な王ガルガンチュワの奔放自在な生涯と武勲を豪快に物語りながら,中世末期社会の権威と秩序を陽気に笑いとばす規模雄大な作品.(全五冊.第二之書以下は「パンタグリュエル物語」.)
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