フランケンシュタイン
シェリー(著)
,小林章夫(訳)
/光文社古典新訳文庫
作品情報
天才科学者フランケンシュタインは生命の秘密を探り当て、ついに人造人間を生み出すことに成功する。しかし誕生した生物は、その醜悪な姿のためフランケンシュタインに見捨てられる。やがて知性と感情を獲得した「怪物」は、人間の理解と愛を求めて懇願する。「おれは妻が欲しい。友も欲しい・・・・・・」だが拒絶と疎外の果てに悲劇は起こる。若き女性作家が書いた最も哀切な“怪奇小説”
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商品情報
- シリーズ
- フランケンシュタイン
- 出版社
- 光文社
- 掲載誌・レーベル
- 光文社古典新訳文庫
- 書籍発売日
- 2010.10.20
- Reader Store発売日
- 2013.12.20
- ファイルサイズ
- 0.4MB
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この作品のレビュー
平均 4.0 (78件のレビュー)
-
怪奇小説?いやいや、これは哲学小説だったのだ!
読むきっかけは、Eテレ「100分de名著」であります。勿論、映画やドラマ等で名前は知ってましたし、フランケンシュタインとは怪物の名前ではなく、それを作り上げた人物の名前ということも知ってはいました。…しかし、まさかこんな内容の話だとは思ってもいませんでした。
メアリー・シェリーという、あのバイロンとも交流があったという美しい女性が19世紀に書いた小説なのですが、とても怪奇小説などと言うカテゴリーに当てはまるものではありはまりません。ヨーロッパ各地の様子、大自然の描写はまさに純文学ですし、その内容は、読み手の意識によって、いかようにも解釈することが出来る、とんでもない小説でありました。
まず、構成が凝ってます。語り手という人が最初に登場しますが、この人は探検家で、北極探検に向かう途中、故郷イギリスにいる姉に書いた手紙の内容が小説になってます。
曰く、北極探検の途中で、おぼれかけているフランケンシュタインを救助した。そしたら、この男がとんでもない話をしだした。という形で話が始まります。なにしろ、なかなか怪物は登場しないし、また、怪物を作り上げてしまった後、フランケンシュタインは、その場からすぐ逃げ出しますので、これまた、ず~と怪物は登場しない。そして、本筋である、知恵も知識も何も与えられなかった怪物が、どのように自我を芽生えさせ、成長し、狂気に到ったかについては、後にフランケンシュタインと怪物が対峙した際、怪物がフランケンシュタインに語り出した告白を、フランケンシュタインが探検家に話したことで初めて明かされます。つまり、物語の内容は、すべて又聞きの又聞きというスタイルなんですね。
怪物は、自分の醜さに悩み、そのために、人と交わることが出来ません。それで狂気に陥るわけですが、人間は誰しもコンプレックスを持っていますから、この怪物には容易に感情移入できてしまいます。また、19世紀という、おそらく輝かしい科学の発展と産業革命で世間が沸いていた時代の最中に、科学者が作り上げてしまった造形物の悲劇という内容には、核兵器を開発してしまった20世紀の世界を予言しているかにも見えます。
また一方、フランケンシュタインは、自分が作り上げたモノがあまりに醜いため彼を見捨てたわけですが、もしそれが、この世に二つとない、とてつもなく美しいモノだったら、どうなっていたのでしょうか。そして、フランケンシュタインの言うことだけを無条件に受け入れる様な怪物だったら……。それはそれで、とんでもなく恐ろしい話になりそうです。
この本は古典の部類に入りますので、様々な人の訳で出版されています。是非、そのうちの一つでも手にとって読んでみてはいかがでしょうか。きっと何か考えさせられる部分があると思います。続きを読む投稿日:2015.04.11
-
1818年の作品
200年前ですよ!
圧巻!
そりゃあ残るわ、200年残るわ
そして間違いなくこの後の200年も残るわ
名作過ぎて震える
圧倒的に面白いのねこれに尽きます
そしてとんでもなく読み…やすかった
訳者の小林章夫さんの力量に脱帽です
ご本人も触れていましたが、古典ものにありがちな注釈を極力廃して、本文の中で片付けようとしてるところがこの読みやすさに繋がってるんだと思う
ほんともうありがとうね
ありがとう『光文社古典新訳文庫』!
はい、本編!
やはりいろんな捉え方ができると思うんだけど、闘いよね
もう「苦悩」VS「苦悩」の闘い
怪物を生み出してしまった「苦悩」と怪物として生み出されてしまった「苦悩」の闘い
途中不幸自慢みたいなことにもなっとるけども
そん中で結局「人間」てなんなのよ?って考えさせられます
わいはこの不幸自慢に生み出した側の天才科学者フランケンシュタインの「身勝手さ」みたいなんをずっと感じていて腹立たしかったんだけど、この「身勝手さ」こそ「人間」なんだなとも思うわけね
今世界を悩ます問題の多くは「人間」の持つ「身勝手さ」の現れであるんじゃないかな〜って
この世界には多くのフランケンシュタイン博士が住んでいて、その「身勝手さ」が戦争や差別や環境破壊みたいな「怪物」を生み出している
そして最後にはこの物語と同じ結末を迎えるじゃないかな〜って思ったりします
結末?知りたかったら読んでみればいんじゃね?続きを読む投稿日:2024.01.15
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