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昭和20年8月、広島・長崎に原子爆弾が投下され、日本はついに無条件降伏。永かった戦争にようやく終止符が打たれた。占領軍の統治の下、日本は旧い軍国主義を一掃し、平和国家の建設に取り組むが、そのころ、米ソ間では緊張が一段と高まり、朝鮮半島で、新たな戦争の火蓋が切られていた。
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真珠湾奇襲で大成功をおさめた日本軍は、勢いに乗じ、次つぎと連勝を続けていた。しかしそれも束の間、ミッドウェイ海戦でアメリカ軍の猛反撃を受け、戦局はしだいに悪化していく。同じ枢軸国側のドイツも、スターリングラードでソ連に敗北し、イタリアはついに無条件降伏。日本の敗戦は、しだいに色濃くなっていった。
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日本は、日中戦争で悪化したアメリカとの関係を修復し、アジアでの勢力をさらに広げようとしていた。一方、ドイツは、ソ連の広大な土地を手に入れるため、独ソ戦をもくろんでいた。それぞれの思惑から、日独両国は軍事同盟を結ぶが、その結果、日米関係はさらに悪化し、ついに太平洋戦争が勃発。日本は世界大戦の渦に巻きこまれていく。
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盧溝橋事件に端を発した日中戦争は、何度か終結のチャンスがありながら、それを活かせず、泥沼に入っていた。一方、ヨーロッパでは、野望に燃えるヒットラーの下、ナチス・ドイツがオーストリア、チェコスロバキアを侵略し、ついに大陸は第二次世界大戦へと突入していく。やがてそのうねりは、日本にも押し寄せてきた・・・・・・。
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この作品は、日本人の運命と日本の針路を決定づけた「二・二六事件」から十数年間の歴史をつづったもので、執筆に五年の歳月を費した。日本の動きだけでなく、世界史のなかの日本という視点に立って書いた。いいかえれば、ヒットラーやルーズベルトが何を考えたかによって、わたしたち日本人の運命も変わってきた。戦争を知らぬ世代にも経験してきた世代にも読んでいただきたいと思う。 三好徹
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