この地球に生れあわせて
湯川秀樹(著)
/講談社文庫
作品情報
進歩に魅入られ、とめどない加速性の文明を構築した現代、人類にとってかけがえのない一つの環境、もはや無限大ではない、この地球に生れあわせて――。自然界を世界をトータルに把握しようとする著者が、悲観的、だが地球との共存の可能性を探る「この地球に生れあわせて」「考え方を変えること」等、最新の文明論、加えて生きがい論、様々な旅の回想等、偉大な一科学者の思想と心の遍歴を綴る。
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商品情報
- シリーズ
- この地球に生れあわせて
- 著者
- 湯川秀樹
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社文庫
- 書籍発売日
- 1982.03.01
- Reader Store発売日
- 2011.07.01
- ファイルサイズ
- 0.3MB
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この作品のレビュー
平均 5.0 (1件のレビュー)
-
平和主義と研究者
湯川先生も素粒子研究社として核物理学の分野にも非常な関心があられたのかもしれません。
しかし、先生は公には核廃絶主義者であり、平和主義者でありました。
戦前の先生の旅行記を眺めるに、先生にも「なぜ?」…という疑問が尽きなかったのでしょう。
なぜ、大日本帝国は戦争したのかとつくづく感じます。
えーと、それで、そういう歴史的なことはよいとして、湯川先生の欧米旅行記と招聘記録のエッセイを読むと、一次大戦から米ソ冷戦の終結までの綺羅星のような物理学の巨人の名前にめまいがしますね。アインシュタイン、ボーア、ディラック、フェルミ、ワイル、ローレンス、オッペンハイマー、他…、そして湯川秀樹。
加速器物理学の流れは、1930年代から続いていたのですね。そしてそれが、最後のヒッグス粒子の発見につながっている…。物理学の終焉かもしれませんが、個人的にはSF上のギミックが実現される未来がくるとよいなあと思います。
星5つ。続きを読む投稿日:2016.11.05
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