amazon「帝国」との共存
ナタリー・バーグ(著)
,ミヤ・ナイツ(著)
,成毛眞(訳)
/フォレスト出版
作品情報
■ベストセラー『amazon 世界最先端の戦略がわかる』(ダイヤモンド社)において、
アマゾンの理念やビジネスモデル、キャッシュフロー経営、AI技術など、
最新のビジネス感覚や未来の社会を伝えた本書の監訳者・成毛眞氏。
では、世界では、さらに現地アメリカでは、
アマゾンはどのような存在なのでしょうか?
そこでは、eコマースを含めた小売業はもちろん、テクノロジー、ロジスティクス分野でも最先端を行き、
オンラインからオフラインへの制圧を進める、貪欲な「創造的破壊者」の姿が際立っています。
日本がこの巨大な「帝国」に駆逐される日は近いのでしょうか――?
あるいは、彼らと共存する道は残っているのでしょうか?
今、世界におけるアマゾンが最もわかる、ビジネスパーソン必読の書です。
■あなたのビジネスがアマゾンに飲み込まれないために知るべきこと。
◎アマゾンの影響で消える企業、生き残る企業とは?
◎なぜアマゾンは成長しつづけているのか?
◎アマゾンがホールフーズを買収した真相とは?
◎オンラインからオフラインに向かうアマゾンの野望。
◎EC専門企業が生き残れない理由。
◎いつ、アマゾンで生鮮食品が気軽に買えるようになるのか?
◎未来のストアの姿とは?…etc.
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商品情報
- シリーズ
- amazon「帝国」との共存
- ジャンル
- コンピュータ・情報 - IT・Eビジネス・資格・読み物
- 出版社
- フォレスト出版
- 書籍発売日
- 2019.06.03
- Reader Store発売日
- 2022.10.10
- ファイルサイズ
- 10.4MB
- ページ数
- 427ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (6件のレビュー)
-
AMAZONに対し、どうやって他社が戦略的に向き合っているかを示した内容だ。真正面から戦うのか、共存するのか。
本当にこれから生き残りをかけて各企業は戦わなくてはいけない。
それは日本でも全く同じ状況…だ。
日本企業もこのままではAMAZONに呑み込まれてしまう。
もっともっとAMAZONを研究し、その上で自分たちがどういう戦略で戦うのかを真剣に考えなければいけないと思う。
(本当に自身の会社を考えると余計にそう感じてしまう)
AMAZONについての解説本は数あれど、ついつい何冊も買ってしまう。
著者の視点によって、同じ内容を語っていても、それぞれに発見があるからだ。
それだけAMAZONという企業は奥深い。
AMAZONがロジスティックスに力を入れていることはよく知られているが、果たしてなぜなのか。
そしてどういう背景でそこに至ったのか。
AMAZON内のベゾスの紙ナプキンは有名な図であるが、ロジこそがAMAZONを支えるフライホイールだとも言える。
なぜそこに気が付いたのかが本当に興味深い。
普通の会社はここまでやらない。
AMAZONは徹底的にやる。利益を削ってでも、物流に力を注ぎ続けた。
小売である以上、物流は確かに大切であるが、ここまで徹底した倉庫を作るだろうか。
そして拠点間を結ぶためにAMAZON専用のトレーラーが走り、AMAZON専用の輸送機が飛ぶ。
この戦略の延長線上に、実店舗ホールフーズを買収し、その店舗を小規模な物流拠点としても位置付ける。
物流拠点から自宅までの距離が短くなればなるほど、配送時間は短縮できる。
本当によく出来た戦略だと思う。
そしてそれらを下支えする、AWSの拡充、AMAZON Primeという固定収入。
AMAZONの新規事業は失敗が多いと聞くが、失敗の中からこうしてフライホイールを加速させるためのピタリとしたパーツが現れるのもまた特徴だ。
Prime会員は本書内では世界で1億人と記載があるが、2022年時点で2億人になったとニュースになっている。
巨額の固定収入を武器に、物流を磨き、さらに映像音楽などのオマケ部分も拡充させている。
Prime会員だから、AMAZON GoもAMAZONフレッシュも使えるようになる。
日本ではまだまだかもしれないが、間違いなく未来はこれらが更に拡充されていくはずだ。
つまり実店舗の商売がドンドンと浸食されていくということなのだ。
AMAZONは完全にECの会社ということではない。
今後は実店舗の方にも侵食し、徹底的なデジタル化によって顧客利便性を大きく高めていくだろう。
ラストワンマイル・フルフィルメントセンターを究極の形に進化させるということは、当然に実店舗を持つことのメリットが大きい。
フラッと立ち寄る店舗でそのまま買い物してもいいし、1クリックで家に届けてもらってもいい。
逆に自宅で1クリックして、店舗で受取でもいい。
店舗で返品を受け付けて、ついでにそこで買い物をしてくれれば、売上もさらに上がるというものだ。
かつてコンビニは、ヘビーユーザーにとって「自宅の冷蔵庫」と例えられた。
AMAZON店舗は「自宅の倉庫」となっていくだろう。
とにかくリアル・バーチャル、アナログ・デジタルの境界はなく、益々フリクションレスな世界になっていくということだ。
もちろんAMAZONはそれを目指している。
1クリックの特許を取得したのが1997年だそうだ。
2017年にその特許が切れた訳であるが、AMAZONは保護期間の20年間でその特許の恩恵を大いに受けた。
そして今、本気で0クリックを目指している。
消耗品については、すでに0クリックに近いものを顧客に提供し始めている。
圧倒的な利便性を追及するAMAZONは、果たしてどこまでテクノロジーを磨くのだろうか。
顧客のニーズに応えるためには、サーバーの増強は不可避だった。
するとそのサーバーの空きスペースは、他企業に貸し出すことが可能となった。
そして益々サーバーであるAWSを磨くことで、AMAZON Prime Videoを支える基盤となった。
そして今はAlexaだ。AIこそ強力なAWSがなければ成り立たない。
まさにAMAZONはフライホイールを高速で回し続ける。
この仮説検証を繰り返す中で、AMAZONビジネスを次々に連結させて相乗効果を狙っていけるところが本当に強い。
確かにAMAZONの新規事業は多数失敗している。
しかしそれもすべて仮説検証だ。
失敗から学び、確実に次の新規事業の成功に繋げている。
そんなAMAZONに対して我々はどんな戦いを挑むのか?
それとも呑み込まれて上手く共存するのか?
それとも独自路線で、WACD(What Amazon Can't Do=AMAZONに出来ないこと)を追求するか?
人々の生活が、モノ消費からコト消費へ移行していることは何年も前から言われている。
ストレスなく0クリックで欲しい物が届く世界は素晴らしいが、合わせて「コト消費」についてもAMAZONは狙っているはずだ。
実店舗での体験に価値を置き、Prime会員には映像音楽などオリジナルなものも提供し、Alexaとの会話はきっと益々進化していき、顧客の重要なパートナーになっていくだろう。
AMAZON化された世界は非常に便利な一方で、AMAZONに対抗するビジネスを構築するにはどうすればよいのか。
答えはないが、探し続けなければいけない。
AMAZONは益々進化してフライホイールを回し続けるのだから。
(2022/9/17)続きを読む投稿日:2022.09.19
Amazonの取り組み方
・Amazonフライホイール効果
・デジタルディスラプターやレリバンシー
Amazonが台頭してきたことによって小売業にどんな影響を与えたか
リアル店舗の有無
トイザらスの失…敗例
業界用語が多めなので読む人にとっては難しいかもしれない続きを読む投稿日:2021.08.21
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