もう生まれたくない
長嶋有(著)
/講談社文庫
作品情報
マンモス大学の診療室に勤める春菜、シングルマザーの美里、二人の謎めいた友人の神子。震災の年の夏、「偶然の訃報」でつながった彼女たちの運命が動き始める――。
新聞に載る死。テレビで騒がれる死。どこかでひっそり終わった死。有名人の死。身近な人の死。名も知らぬ遠い国の誰かの死。
そのどれもが身近で、私たちの人生と隣り合わせにある。死を描くことで今を生きることの意味を見出す、著者新境地。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- もう生まれたくない
- 著者
- 長嶋有
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社文庫
- 書籍発売日
- 2021.11.16
- Reader Store発売日
- 2021.11.16
- ファイルサイズ
- 0.7MB
- ページ数
- 272ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.3 (14件のレビュー)
-
引き続き、長嶋有さんブーム。
ブクログ点数が高かった&西加奈子さんの帯が気になったので購入、読了。
いやーーー、本作素晴らしい…
自分の人生観に影響を与える本ってなかなかに巡り合えないもんだと思い…ますが、久々に出会えた感がありました。
個人的に思ったのは「人は本当に前触れもなく、そして何気なく死ぬ」し、「その死が他人に与える影響はほぼ皆無」なので、「いつ死んでも良いように力一杯、後悔が無いように日々生きるべき」でした。
タイトル「もう生まれたくない」は、「もう生まれなくて良いように今を生きよう」という風に捉えましたが…
読み手によってかなり感じ方が違うと思うので、他の方の感想も読んでみようかと。
それにしても、長嶋有さんの文章良いですねぇ…
全体に「死」の雰囲気を漂わせながら、各登場人物の浮き沈みをフラットに描きつつ、そして長嶋有さんの装飾し過ぎないこの文体で…その全ての要素があるからこそ「死は何気なく訪れる」という結論が説得力を持っているように思いました。
あと、ちなみに西加奈子さんの解説が神ですね。
コレが無かったら作品の良さにすら気付け無かったかもしれないです…それは自分の読解力の問題かもしれませんが…
まあそれはさておき、とても良い出会いでした。
コレがあるから本は辞められないですね…(´∀`)
<印象に残った言葉>
・おじさんの言う「ちょっとの差よ」というのは端的に「死ぬか/死ななかったか」という意味だ。飛行機を一便遅らせていたら墜落していた、という「直感」の話に、おじさんの話は似ている。でもなにかが違う。(P26)
・誰もが、いつか死ぬことを認識している。でもそれが次の瞬間だと知ることだけは、できない。(P69)
・「彼が一番驚いていると思う」ということ「しか」思わなかった。そのときは。たとえば「もっと生きたかったろう」とか「やりたいことがあっただろう」というような「言葉」は、それは今になって「思う」ことだ。自分が今になって言葉を思うということでもあるし、夫も死んですぐにではない、きっと今ぐらいにそれを思っている。(P150)
・……初めて、復縁してほしいって言葉でいったねえ(P228)
<内容(「Amazon」より)>
「誰にも言わないままの言葉をいつか私はしたためよう。亡くなった人に、友達だと思っている人に。ネットに載せて読めるようなのではなくて、そう、空母の中の郵便局にたまる手紙のように」――。
マンモス大学の診療室に勤める春菜、ゲームオタクのシングルマザー・美里、謎めいた美人清掃員の神子。震災の年の夏、「偶然の訃報」でつながった彼女たちの運命が動き始める――。 スティーブ・ジョブズ、元XJAPANのTAIJIなど有名人から無名の一般人、そして身近な家族まで、数々の「訃報」を登場人物たちはどこで、どんなふうに受けとったのか。誰もが死とともにある日常を通してかけがえのない生の光を伝える、芥川・谷崎賞作家の新境地傑作小説!続きを読む投稿日:2022.01.03
事故、自殺、早逝…誰かの不慮の死の報せに触れたとき、人は全く関わりがなく関心もなかったはずの他人の人生に思いを馳せたくなる。
誰もが思い当たるこの心情に踏み込むニッチな語り口。
この小説は、2011…年の大震災で多くの生命が失われたことを契機にしている。2024年の元旦、能登でまた大きな地震があり予期せず失われた生命が多くあったことを報じる様子を聴きながら、このレビューを書いている。
巻末に「本作に登場する主な死者と死因」のリストが掲載されている。殆んどは現実に起きた(2014年以前のものだが)有名・無名の人の死ではあるが、明確に憶えているものもあれば、すっかり忘れかけていたものもある。
人は自分の生き方を選ぶことはできても、自分の死に方を選ぶことは難しい。
ましてや自分の死が他者にどのような思いを抱かされるのかなど制御のしようもない。
そんな儚い普遍に改めて気づかされる。
久々に長嶋有を読んだが、登場人物の境遇や心情の機微を拾う視点のユニークさは相変わらず。
そのディテールの綿密さを、書くほうも読むほうも楽しむという面がある。
セガサターンへの偏愛は著者の趣味の反映そのものだと思うし、大学講師・布田や蕗山フキ子の造形なんかはちょっと悪ノリを感じる。続きを読む投稿日:2024.01.03
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。