踊る熊たち:冷戦後の体制転換にもがく人々
ヴィトルト・シャブウォフスキ(著)
,芝田文乃(訳)
/白水社
作品情報
自由とは新たな挑戦だ
第一部では、2007年にブルガリア最後の「踊る熊」たちがいかにして動物保護団体に引き取られたか、そして生業を奪われた飼い主のロマたちが陥った困難な状況について、さまざまな立場の関係者を取材する。第二部ではソ連崩壊以降のおもに旧共産主義諸国(キューバ、ポーランド、ウクライナ、アルバニア、エストニア、セルビア、コソボ、グルジア、ギリシャ)を訪ね、現地の人々のさまざまな声に耳を傾ける。そこに共通するのは、社会の変化に取り残されたり翻弄されたりしながらも、したたかに生き抜こうとするたくましさである。
第一部と第二部はそれぞれ同じ章立て。共産主義の終焉から資本主義に移行しきれない国、またはEUに組み込まれたことで経済危機に陥った国の人々の混乱と困惑を、隷属状態から逃れても「自由」を享受しきれない「踊る熊」たちの悲哀に見事になぞらえ、重ね合わせている。
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商品情報
- シリーズ
- 踊る熊たち:冷戦後の体制転換にもがく人々
- 著者
- ヴィトルト・シャブウォフスキ, 芝田文乃
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 白水社
- 書籍発売日
- 2021.02.26
- Reader Store発売日
- 2021.11.12
- ファイルサイズ
- 4.5MB
- ページ数
- 295ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (3件のレビュー)
-
前半が熊使いにまつわる話、後半は共産主義から資本主義に移行して戸惑う人々の話。後半の章ごとに冒頭に差し込まれる前半の言葉が心模様を端的に表している。100%の社会など存在しない。ソ連解体に伴う意識の変…化を通じ、社会の成り立ちの基本を見直せる良書。続きを読む
投稿日:2022.02.14
今年一番、すすめたい本。
前半はブルガリア・ロマの熊使いの伝統の終焉の、人と熊と。自由は社会の設定ではないのだと感じる。しかし社会の設定は自由な社会を設定しようとする。これは社会の過渡期なのだろうか…?そう考えるよりも、自由は能力のように上達させるものなのだろう。
日本に限らないと思うが、自由は置かれているのに閉塞感が強い。いや、足枷はないがルールがある。社会なら仕方がない質のものはあるだろうけど、問題なものもあるだろう。ただ、案外に好きにすればと放任されている。こういった暮らしを知ると。例外は一旦置いといて。
便利なのだ。道具だけでなく仕組みも。広い意味での道具が便利で、扱いに注意しなくてもセーフティなものに多く囲まれるようになった。街道一の建具や職人のひ孫の僕は、以前の「道具」を知っているし、その感覚はどことなく身につけた。以前の道具は、付き合い方がうまくならないといけなかった。
道具で仕事をするのではなく、道具と仕事をしていた。人間が道具の能力に合わせる面があり、素材の都合に合わせる面があった。そしてその結果が匠だった。それを考えると今は、素人向けの道具に囲まれ、多くの人が同じようにそうやれる。そして扱いが悪くても道具を壊してしまったり、大怪我をしてしまうこともだいぶ減った。
自由を手にするとは、自由さんという道具のようなものとお互いに擦り合わせて、能力が上達することで手にするものなのだろう。便利な道具だらけではその能力のなさに気づきにくく、謙虚な心がなくても、道具はいうことを聞いてくれる。自由力とは慎みや片付けなどの基本動作の筋力アップで付くものだった。今はそれをしにくい。自由という吊るしの完成品、むしろ初心者ほど、効き目が高いものを求める。自分の頭をすてて自由が手に入るものだったが、それこそできない。自我。わがまま。やさしさ社会。
「自由なのに自由にできないものたち」
後半は、長くなったので省略する。哲学思想のように難しい文はないので読みやすい本ではある。「読書は好きになる必要がある」。映像画像音声などは便利な道具だ。便利で知を得ることができるが、自由からは遠ざかる。続きを読む投稿日:2022.06.19
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