好きになる微生物学
渡辺渡(著)
/KS好きになるシリーズ
作品情報
ポイントが掴める!
食中毒からインフルエンザ、デング熱、SARSコロナウイルス、エボラ出血熱、パピローマウイルスなど、さまざまな感染症と微生物の関係を簡潔にまとめた医療系学生向けの入門書。
一般の人でも読める明快さ!
カラーイラストとわかりやすい語り口で、スラスラ理解できる。確認問題付き。
【まえがきより】
現代は遠い地域や国で発生した感染症が、交通機関の発達により数日で私達の地域に到達することが可能です。すなわち、ニュースで見聞きする感染症が、まさに“身近なもの”になっています。本書では、感染症とその原因の微生物との関係を中心に解説しました。そして、読者の皆さんがとっつき易く、かつ微生物学に興味を持ってもらえるようにイラストを多用し、解説し過ぎないように意識しました。また、簡単な確認問題や要点集も作成しましたので、併せて利用してもらえると幸いです。(抜粋)
【目次】
1章 微生物って何?
1.1 微生物の分類
1.2 微生物の発見と感染症
1.3 微生物検出と培養
1.4 感染症への対応
2章 細菌って何?
2.1 細菌とは
2.2 細菌の種類と特徴
3章 ウイルスって何?
3.1 ウイルスとは
3.2 ウイルスの種類と構造
4章 真菌と原虫って何?
4.1 真菌とは
4.2 真菌の種類と特徴
4.3 原虫とは
4.4 原虫の種類と特徴
5章 微生物から身を守る ~感染防御~
5.1 院内感染対策
5.2 消毒と滅菌
5.3 予防接種
5.4 口腔ケアの重要性
5.5 食中毒への対策
5.6 母子感染の対策
6章 微生物と闘う ~抗菌薬・抗ウイルス薬・抗真菌薬~
6.1 抗菌薬
6.2 抗ウイルス薬
6.3 抗真菌薬
6.4 薬剤耐性菌と耐性ウイルス
7章 微生物を整理する ~要点集~
7.1 細菌編
7.2 ウイルス編
7.3 真菌編・原虫編
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 好きになる微生物学
- 著者
- 渡辺渡
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 生物・バイオテクノロジー
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- KS好きになるシリーズ
- 書籍発売日
- 2015.11.25
- Reader Store発売日
- 2020.07.10
- ファイルサイズ
- 37MB
- ページ数
- 176ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 2.7 (4件のレビュー)
-
基本事項の解説が雑。たとえば抗原、抗体、便口感染、日和見感染といった太字語句を使って解説が進むけど、その語句自体の定義や説明がないので何度も「?」となった。中間・章末の○✕クイズも本質を問う(=その章…でいちばん大切な知識を理解・定着させる)というより重箱の隅をつつく感じで、言い方は悪いけど私大文系入試の悪問みたい。初学者がどこで躓くかといえば未知の知識に遭遇したときなので、それを先読みして適宜説明してくれていたら、いちいち「生理活性?」「病原性?」とならずに済んだと思う。
イラストはほんわかしてて良かった。
【まとめ】
Q1. 微生物ってどんなのがいる?特徴は?
A1. 細菌、ウイルス、真菌、原虫など。
▶細菌は原核生物(単細胞生物で遺伝子が核膜に囲まれていない)で、いわゆる◯◯菌のほとんどが細菌。真菌と原虫は真核生物(遺伝子が核膜に囲まれている)で、真菌はカビの仲間(菌糸型・酵母型の2つ)、原虫は単細胞の寄生虫。細菌も真菌も細胞壁をもつが、その組成は異なる(→抗菌薬と抗真菌薬の違い)。細菌・真菌・原虫の3つは大きさが数μm(→光学顕微鏡)で、栄養などの条件が整えば自立増殖する点が特徴。
▶いっぽうウイルスは大きさが数nm(→電子顕微鏡)で、最大の特徴は自立増殖できないこと。他の細胞に感染(寄生)してその細胞のエネルギーや酵素を利用して増殖するが、はたしてウイルスが生物なのか非生物なのかは現在でも議論の的。
Q2. ウイルスの増殖プロセスは?
A2. 大きく3つの段階に分かれる。
①【吸着・侵入から脱殻】レセプター(例: リンパ球のCD4分子→HIV感染)
②【遺伝子の複製・転写・翻訳】
・DNAウイルス → DNAポリメラーゼ(複製用の酵素)、リボソーム(タンパク質を産生する細胞内小器官)
・RNAウイルス → RNAポリメラーゼ、mRNA、リボソーム、レトロウイルス(逆転写酵素)
③【粒子の再構成から出芽】プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)、子孫ウイルス
Q3. 抗菌薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬の違いは?
A3. 薬によって標的が異なる。
▶抗菌薬: ①細胞壁=ペプチドグリカン、②タンパク質合成阻害薬、③遺伝子の複製・転写の阻害
▶抗ウイルス薬: ①遺伝子の複製・逆転写の阻害、②プロテアーゼ阻害剤、③ウイルス固有の機構を阻害(ノイラミニダーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、受容体阻害剤)
(⚠ウイルスのみに選択的に作用し、感染細胞には作用しないような薬の開発がむずかしい → 抗菌薬にくらべて抗ウイルス薬の種類は圧倒的に少ない)
▶抗真菌薬: ①細胞膜成分=エルゴステロール、②その他(DNA合成阻害と異常RNA生成、細胞壁合成酵素阻害、紡錘糸移動阻害)
【「?」だったワード】
生理活性 上皮 真皮 病原性 抗原と抗体 抗原性 抗体価 フィブリン ヘリコバクターピロリのLPS 日和見感染 便口感染 溶血性(血に溶ける?血が溶ける?) 奏効率 播種性血管内凝固症候群(DIC) 血清型 修飾因子 逆性石鹸 生ワクチン 組織移行性 基質 ヌクレオチド
【素朴な疑問】
Q. ピロリ菌がウレアーゼを介して胃酸を中和し、胃粘膜で生きのびるのなら、他の細菌もそれに便乗して生きのびたりしてないのだろうか?
Q. 納豆菌がつくるビタミンK₂(血液凝固を促進)とナットウキナーゼ(血液凝固を抑制)は相反する作用をもっているけど、けっきょく納豆を食べると血液は凝固するの?溶解するの?
【目次】
1章 微生物って何?
1.1 微生物の分類
1.2 微生物の発見と感染症
1.3 微生物検出と培養
A 微生物の検出
B 細菌や真菌の培養
C ウイルスの培養
1.4 感染症への対応
2章 細菌って何?
2.1 細菌とは
A 細菌の構造
B 細菌の増殖
C 細菌の学名
2.2 細菌の種類と特徴
A インフルエンザ菌タイプb
B 黄色ブドウ球菌
C カンピロバクター
D クラミジア
E 結核菌
F コレラ菌
G サルモネラ属菌
H ジフテリア・百日咳・破傷風菌
I 赤痢菌とペスト菌
J 腸管出血性大腸菌
K 腸炎ビブリオ菌
L ナイセリア属菌
M 梅毒トレポネーマ
N ヘリコバクターピロリ菌
O クロストリジウム属菌(ボツリヌス菌、ディフィシル菌、ウェルシュ菌)
P マイコプラズマ
Q リケッチア
R 緑膿菌
S レジオネラ菌
T 連鎖球菌属
3章 ウイルスって何?
3.1 ウイルスとは
A ウイルスの構造
B ウイルスの増殖
C ウイルスの学名
3.2 ウイルスの種類と構造
A アデノウイルス
B インフルエンザウイルス
C エボラウイルス
D 肝炎ウイルス
E 重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルス
F 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス
G 水痘帯状疱疹ウイルス
H 中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス
I デングウイルス
J 日本脳炎ウイルス
K ノロウイルス
L パピローマウイルス
M パルボウイルス
N ヒトT細胞白血病ウイルス
O ヒト免疫不全ウイルス
P ヘルペスウイルス
Q ポリオウイルスとエンテロウイルス
R 麻しんと風しんウイルス
S ライノ、RS、ムンプスウイルス
T ロタウイルス
4章 真菌と原虫って何?
4.1 真菌とは
4.2 真菌の種類と特徴
A カンジダ・アルビカンス
B アスペルギルス・フミガーツス
C クリプトコッカス・ネオフォルマンス
D 皮膚糸状菌
4.3 原虫とは
4.4 原虫の種類と特徴
A 赤痢アメーバ
B マラリア原虫
C トキソプラズマ
D 膣トリコモナス
E クリプトスポリジウム
5章 微生物から身を守る ~感染防御~
5.1 院内感染対策
5.2 消毒と滅菌
A 言葉の使い分け
B 物理的な手法
C 化学的な手法
5.3 予防接種
A 予防接種の位置づけ
B ワクチンの種類
C 代表的なワクチン
5.4 口腔ケアの重要性
A 口腔ケアと歯周病
B 口腔ケアと誤嚥性肺炎
C 口腔ケアと糖尿病
D 改善が期待されるその他の疾患
5.5 食中毒への対策
A 食中毒とは
B 食中毒の予防
C 食中毒の対処
5.6 母子感染の対策
A 経胎盤感染する微生物
B 経産道感染する微生物
C 経母乳感染する微生物
6章 微生物と闘う ~抗菌薬・抗ウイルス薬・抗真菌薬~
6.1 抗菌薬
A 細胞壁を標的とした薬
B タンパク質合成阻害薬
C 遺伝子の複製および転写酵素の阻害
6.2 抗ウイルス薬
A 遺伝子の複製および逆転写酵素の阻害
B プロテアーゼ阻害剤
C その他の作用の薬剤
6.3 抗真菌薬
A 細胞膜成分を標的とした薬剤
B その他の作用の薬剤
6.4 薬剤耐性菌と耐性ウイルス
A 薬剤耐性菌
B 多剤耐性菌
C 薬剤耐性ウイルス
7章 微生物を整理する ~要点集~
7.1 細菌編
A グラム陽性通性嫌気性球菌
B グラム陰性好気性球菌
C グラム陽性偏性嫌気性桿菌 ~有芽胞菌
D グラム陽性通性嫌気性桿菌
E グラム陰性好気性桿菌
F グラム陰性通性嫌気性桿菌
G らせん菌
H その他
7.2 ウイルス編
A DNAウイルス
B RNAウイルス
C レトロウイルス
7.3 真菌編・原虫編
参考文献
索引続きを読む投稿日:2023.09.08
11218007193 491.7/W46
https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB20108678投稿日:2019.01.28
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。