国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか
デービッド・アトキンソン(著)
/講談社+α新書
作品情報
「観光立国論」を提唱して訪日外国人観光客激増のきっかけをつくり、「所得倍増論」で最低賃金引き上げによる日本経済再生をとき、「生産性革命」によって日本企業と日本人の働き方の非合理性を指摘した論客が、ついに日本経済低迷の「主犯」に行きついた!その正体は、「中小企業」!これまで、日本経済の強みとされてきた零細、中小企業が、いかに生産性を下げているか、完璧なまでに論証する。そこから導かれる日本再生の道筋とは――。ついに出た、アトキンソン日本論の決定版。
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商品情報
- 著者
- デービッド・アトキンソン
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社+α新書
- 書籍発売日
- 2019.09.21
- Reader Store発売日
- 2019.09.20
- ファイルサイズ
- 2.2MB
- ページ数
- 256ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (26件のレビュー)
-
データに基づき、日本の企業分析と中小企業への活路理論は一定の理解を得られるものでした。
日本の財政が厳しい中で選択をする必要性が迫られていると感じます。投稿日:2023.10.27
日本経済再生のためには中小企業を集約して生産性改善すべし。という論陣なのだが、総論賛成、各論説明不足。といった感じ。
肝心なところで1+1=2みたいな話で逃げたり、英統計で実証されている。とだけ言っ…たり、私は因果関係と相関関係を間違えることは無い。と啖呵を切ったりしているけれど、そこから一歩踏み込んだところに論点・論拠があるんじゃないかと言いたい。また、局所局所のことだけ見て上記のような薄い議論で逃げるから、全体で見ると矛盾しているようにとれる記述だらけ。一例だけ挙げると日本の高度成長は単に人口増の効果だ。と言っているけれど、そうであれば筆者の説く中小企業再編による合理化も、人口減時代には全く意味がないよね。まあ、これは揚げ足取りに近いけれど、筆者が嫌う反対派と同じレベルで針小棒大、極端な単純化理論がちりばめられていると思う。
結局のところ、膨張し続けることを是とする資本主義経済に属する以上、規模(人口)増加の効果がなくなる日本では、単価(賃金∝物価)を上げることでGDPを上げるしかない。賃上げは中小企業の再編を促し、企業体力が上がることで効率改善のための投資が増え、ますます正の効果をもたらす。また物価上昇は実質的な社会保障費(年金)の抑制につながる。と言っているだけだと思う。明確には述べられていないけど。本当はこうやって議論を整理して、では、実際に改善策を社会に実装するには1+1=2とならない/できない/しないことへの対策として○○をやっていくべき。とまとめてほしかった。
それにしても結局わからないのが日本の生産性問題。"生産性"と一言で言われているけれど、①国民一人当たりのGDP と、②労働者一人当たりのGDP がごちゃ混ぜで語られるからわかりにくいのかな。という気がするが、②で考えた時に日本人の給与は大企業でも外国企業に劣るのに、なぜ国際競争に苦戦するんだろうと。別に外国人と仕事しても彼らが日本人よりはるかに優秀だとは全く思えないし、企業規模がそれほど大きくない企業でも給与水準は日本より高い。そんな現状で筆者の言う中小企業の統合をやってもどれほどの効果があるのかと思ってしまうが。なんかそうやってもやもやしていると、サービス業の企業体格と生産性の関係云々も筆者もおられた大規模コンサルと、街の食堂を比べて言ってるんじゃないかとすら思えてしまう。そういうデータの細かいところからきちんと示して、さらに詳細で建設的な議論を望みたい。続きを読む投稿日:2023.06.23
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