インクの混じった肉の味は格別だ――意識のない男のTシャツを引き剥がすと、みごとなタトゥーが現れた。体がまだ温かいうちにすませるのが肝心だ。冷えきると皮膚がこわばり、肉も固くなる。そうなると作業はむずかしくなる。ついにこの瞬間が到来した。肩から肩甲骨のとがった先に向け、タトゥーの輪郭に沿ってすばやく刃を引く。刃先が道を切り開きながら進み、その軌跡に赤いリボンが浮かび上がる。指にからみつくそれは、温かい。背筋がぞくりと震え、血液が下半身に押し寄せて沸き立った。この作業が終わるまでに、男は息絶えるだろ・・・
便利な購入方法
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インクの混じった肉の味は格別だ――
意識のない男のTシャツを引き剥がすと、みごとなタトゥーが現れた。
体がまだ温かいうちにすませるのが肝心だ。
冷えきると皮膚がこわばり、肉も固くなる。
そうなると作業はむずかしくなる。
ついにこの瞬間が到来した。
肩から肩甲骨のとがった先に向け、タトゥーの輪郭に沿ってすばやく刃を引く。
刃先が道を切り開きながら進み、その軌跡に赤いリボンが浮かび上がる。
指にからみつくそれは、温かい。
背筋がぞくりと震え、血液が下半身に押し寄せて沸き立った。
この作業が終わるまでに、男は息絶えるだろう。
こいつは最初の一人ではない。
最後でもない――。
物証なし、目撃者なし、被疑者なし。
生きながら皮を剥がれた被害者の遺体を手掛かりに、刺青偏執のシリアルキラーを追え!
国際犯罪小説祭「ブラッディ・スコットランド」の勝者が贈るサイコスリラー、日本上陸!
著者について
スコットランド、エディンバラ在住。
脚本家としてキャリアをスタートし、2000年のオレンジ賞(現ベイリーズ賞)、2001年にはBBC主催の脚本家コンペティションで高評価を得た。
その後、小説家に転身。
国際犯罪小説祭「ブラッディ・スコットランド」で勝者となり、本作『刺青強奪人(原題:THE TATTOO THIEF)』でデビュー。
すでにシリーズ第二弾を書き上げ、現在は第三弾を執筆中。 -
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さあ、ここからが本番だ
出ておいで、わたしの愛しいナイフたち
お楽しみの時間だよ
すべては順調だった。
わたしは<コレクター>の期待に応え、望まれた通りにコレクションを集めた。
そう、すべては順調だった。あの日がくるまでは……。
だが、あいつがわたしの領分を侵し、唯一安心できる場所を汚した。
あいつはわたしをすべてぶち壊そうとしている。
フランシス・サリヴァン。
それが責めを負うべき刑事の名前だ。
後悔させてやる。
かならず。
名匠の手がけたタトゥーを狙う<コレクター>とは何者か?
刺青偏愛のサイコパスの狂気を暴け!
著者について
スコットランド、エディンバラ在住。
脚本家としてキャリアをスタートし、2000年のオレンジ賞(現ベイリーズ賞)、2001年にはBBC主催の脚本家コンペティションで高評価を得た。
その後、小説家に転身。
国際犯罪小説祭「ブラッディ・スコットランド」で勝者となり、本作『刺青強奪人(原題:THE TATTOO THIEF)』でデビュー。
すでにシリーズ第二弾を書き上げ、現在は第三弾を執筆中。 -
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