経済で読み解く日本史 大正・昭和時代
上念司(著者)
/飛鳥新社
作品情報
教科書が教えない「経済の掟」が歴史を作った!
お金の流れが物語る、
まったく新しい視点の日本通史。
文庫版で5冊同時発売!
なぜ日本は大東亜戦争へと向かったのか。国民世論は長期停滞のトラウマから抜け出せないまま、間違った情報により、日米激突へのレールをまっしぐらに進んだ。
すべてを失った敗戦から復活し、高度経済成長を成し遂げた日本を、再びバブル経済の暗雲が襲う。
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商品情報
- シリーズ
- 経済で読み解く日本史 大正・昭和時代
- 著者
- 上念司
- 出版社
- 飛鳥新社
- 書籍発売日
- 2019.05.24
- Reader Store発売日
- 2019.07.01
- ファイルサイズ
- 11.8MB
- ページ数
- 280ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (4件のレビュー)
-
上念氏の本は以前から読んでいたのですが、最近ネットにて「経済で読み解く日本史」のシリーズとして全5巻セットが文庫本で出ていることを知りました。文庫本なので持ち運びがしやすく、どこででも読めて助かります…。
第四冊目は、大正・昭和時代⑤です~
以下は気になったポイントです。
・大東亜戦争の発端は、日露戦争の戦後処理にあった。あれだけ協力してくれた英米との約束を反故にして、満州の権益を独り占めにしようとした(p2)
・本シリーズの一貫したテーマは、「人々は経済的に困窮すると、ヤケを起こして普段は見向きもしないような過激思想に救済を求める」(p6)
・金の生産量が人間がつくる商品よりも不足して金(ゴールド)の価値が高くなるのが、デフレである。デフレとは、モノとお金のバランスがお金不足によって崩れること(p7)
・戦前の交換レートで金本位制に復帰するには、すでに大量に発行してしまった貨幣を吸収して減らす必要があった、貨幣を吸収するには利上げが必要、しかし利上げをすると不景気になる。利上げにより人々が貯蓄を選好すれば景気は悪化する(p9)
・第一次世界大戦の終結から昭和恐慌に至る間に経済が低迷した本当の原因は「デフレ」であること、インフレではなく、デフレであることが重要(p25)
・植民地獲得の主な目的は、1)増加する本国人口のはけ口、2)原料の供給地、3)過剰に生産される製品を売りさばくための市場、である(p33)
・鉱山ビジネスに参入してきたスタンダードオイルのロックフェラーは、新たな鉱山を購入するたびにハインツとの泥沼の訴訟に巻き込まれるので、1906年に1200万ドルの大金を払ってモンタナのすべての権益を購入した(p57)
・第一次世界大戦の東部戦線において、1908年3月にロシアのボルシェビキ政権との間で「ブレスト=リトフスク条約」を締結し、ドイツ・オーストリア・トルコ連合軍の勝利が確定、フィンランド・エストニア・ラトビア・リトアニア・ポーランド・ウクライナは独立できた(p80)
・ハイパーインフレとなる条件、1)生産設備の徹底的な破壊、2)労働力の中長期的な不足、3)高額紙幣の大量発行(p109)
・旧平価での金本位制復帰とは、1ドル2.5円だったのを、25%円高の、1ドル=2円(デフレ志向)で復帰すること(p121)
・ゴールドが大量に流出したときにイギリスができることは2つ、1)減少した金の量に合わせて貨幣量を減らす、デフレを引き起こす、2)金とポンドとの交換を停止する=金本位制の離脱(p155)
・日銀の直接の国債引き受けについて大事なのは、この政策により貨幣量が今後も増えていくという期待の形成である、それで得た財源(財政政策)はおまけ(p165)
・ヒトラーは政権発足からわずか4か月で一党独裁を実現した、ドイツという国家よりもナチスという政党が上にあるので、ファシズム体制と呼ぶ(p180)
・日本はなぜ高い関税をかけられても日本製品の輸出が伸びたか、その理由は為替レートの大幅な切り下げにある、金本位制を離脱したことで100円=13ポンドが、5ポンドにまで急落した(p183)
・太平洋戦争の敗戦によって受けた日本の被害総額は、1340億円で、とうじの国富(正味資産)総額の41%であった、失業者1000万人(p204)
・日本は1973年に変動相場制に移行したので為替介入はしないと約束したのであったが実際には輸出企業の衰退を恐れてやっていた、やめた途端に、為替は250円から120円となった(p253)
2019年11月17日作成続きを読む投稿日:2019.11.17
この国が二度と戦争に突入することがないように
正しい経済政策を歴史から学べ。
歴史を学ぶ本来の目的は、平和な未来を築くため。
ぜひ高校生に読んでほしいシリーズ。投稿日:2022.04.02
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