持たざる経営の虚実 日本企業の存亡を分ける正しい外部化・内部化とは?
松岡真宏(著)
/日本経済新聞出版
作品情報
「選択と集中」は誤訳だった!?
M&A、事業再生コンサルティングの最前線から放たれる、
日本企業を強くする常識破りのサバイバル戦略=新・コングロマリット経営!
1990年代以降、日本の多くの企業は、「選択と集中」の掛け声のもと、「持たざる経営」を目し、資産を切り離した。
その流れは、現在のM&Aブームにつらなるが、手本となったGEは低迷を続ける。
超低金利の昨今では、外部にあった機能を内部化(プリンシパル化)する動きも活発に。
「持たざる経営」は魔法の杖ではなくなった。
そこで本書では、これからのM&Aは、事業ポートフォリオの見直しやシェア拡大という視点ではなく、
各企業が、事業・機能をどんなインセンティブで外部化・内部化しているのか、取引コストでとらえることを提案する。
業務や人材にまつわる課題を、インセンティブ、資本/取引コストの関係という経済学的視点から、わかりやすく解説する一冊。
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商品情報
- 著者
- 松岡真宏
- 出版社
- 日経BP
- 掲載誌・レーベル
- 日本経済新聞出版
- 書籍発売日
- 2019.01.23
- Reader Store発売日
- 2019.01.31
- ファイルサイズ
- 3.1MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (5件のレビュー)
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松岡真宏 『持たざる経営の虚実 日本企業の存亡を分ける正しい外部化・内部化とは?』(日本経済新聞出版社、2019年)は「選択と集中」の通説的理解を批判し、社外の組織や資源を社内に取り込むという持たざる…経営とは逆のベクトルを主張する。タイトルは『持たざる経営の虚実』であるが、「実」よりも「虚」に重点を置いている。
本書は「選択と集中」が日本では「本業以外に手を広げてきた企業が本業に集中する」と理解されているが、これは誤訳とする。この結果、日本企業は積極的にリスクを取って、新しい事業に投資しなくなるというマイナスの効果が生じた。ところが、「選択と集中」の本来の意味は「将来的にその分野における業界ナンバーワンか、ナンバーツーになりうる事業だけにする」ことであったとする。
私は「選択と集中」を「強みを活かせる分野を選択し、集中する」と理解している。その意味で「本業に集中」との理解を誤訳とする本書の主張に賛成である。強みは市場の中で判断するもので、市場構造が変化している際に本業への集中は正しい選択にならない場合がある。むしろ、何をしても売れた高度経済成長期の「成功体験」への固執である。
本書は社外の組織や資源を社内に取り込むという内部化を主張する。その理由として取引コストの増加がある。これは社外の企業やフリーランスに成果物や商品を発注する際にかかる手数料や手間などを指す。社外の取引さに発注する金銭や事務作業、心理面の負担を考えると、継続的に必要な取引や機能を内部化した方がコストメリットは大きくなるとする。
私は取引コストを考えて内部化・外部化を考えるべきとの本書の主張に同意する。一方で本書が取引コストの大きさを強調する点は疑問がある。21世紀は20世紀と比べると取引コストが著しく低下した。Amazon Businessなどのインターネットのサービスを利用することで外部への発注が容易にできることになった。クラウドソーシングも生まれている。
昭和時代は考えられなかった新興国企業へのオフショア発注も普通に行われるようになった。これからは外国人材の活用も活発化するだろう。むしろ、顔の見える関係の方が依頼したことをキチンとやらないなどのいい加減さが生じがちである。
故に20世紀と比べて21世紀に外部化が推進されることは、むしろ取引コストの観点から正当化される。私は昭和の日本的経営から脱却する意味で「選択と集中」や「持たざる経営」を掲げることは正しいと考える。本書の結論は、「90年代以降の改革が間違っていた」と主張したい昭和の日本的経営の懐古趣味者が飛びつきそうであるが、それが良いことかは疑問である。続きを読む投稿日:2020.01.10
選択と集中という言葉が誤解され広まった結果、新しい事業を伸ばしていくことが否定された側面。実はジャックウェルチは事業整理と共に新規事業に積極投資した
外部化は取引コストがかかり、増加傾向
コングロマリ…ットは歴史的に高収益
隣接MAによる取引コスト引き下げ、プリンシパル化(cf商社の事業投資、民泊会社の宿運営)戦略も考えられるべき続きを読む投稿日:2021.08.27
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