マスコミ偽善者列伝 建て前を言いつのる人々
加地伸行(著者)
/飛鳥新社
作品情報
俗情におもねり、時流に乗りたい政治家とコメンテーターを重用する新聞・テレビの無責任、無知、無節操への寸鉄!
東洋思想の第一人者が徒然なるまま、物知り顔の人物の真贋を見抜く痛快エッセイ。
深刻そうに「その時だけの絶対反対」を永遠に繰り返すマスコミ人を嗤(わら)い飛ばします。
「老生、ここ十年、世の姿や人の説について、あれこれ書き留めてきた。そしてなにやら得たものを中国古典の心に重ね、下手な絵画風に描いてきた。わが老残、いや老害の日々ゆえにこそ、言いたきことを言うまでよ」(序章より)
<目次より>
序章 薄っぺらな国家批判
第1章 教育
第2章 貧困・格差と社会保障と
第3章 マスコミ
第4章 憲法
第5章 戦争
第6章 政治家
第7章 宗教と儀礼と
終章 老生の立場について
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この作品のレビュー
平均 2.8 (6件のレビュー)
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TVではコメンテーターと呼ばれる人が、連日勉強不足を恥じと思わず、偽善に満ちたコメントをする、左であれば文化人的な時代を過ごした人は、結局、自らは動かず高踏的なコメントをする、などマスコミには不快な人…が多く登場します。頑固爺さんが毒舌になるのも理解できますが、一冊になると単調に過ぎました。でも、結びの宗教を俯瞰する提言はさすがですね。一流の見識と納得しました。続きを読む
投稿日:2019.08.11
続編の方を先に読んだが、面白かったのでこちらも。
本書では、池上彰、寺島実郎、浜矩子、福島瑞穂、前川喜平、山口二郎、小沢一郎、鳩山由紀夫、海江田万里、小池百合子などが俎上に載せられ、彼らの言葉がいかに…薄っぺらくていい加減かを論評したもの。続編同様、Z会の漢文顧問をしているだけあって、漢文の原典も併載しています。
内容は老人特有の「思い込み」「偏見」も多少ありますが、そうした「暴走」や「毒」も含めて楽しむ本です。
テレビで活躍する左サイドの人たちについては、「根本的哲学があっての発言ではなく、とにかく政府に反対することが左筋の本質。こんな気楽な商売はない」と一刀両断。建設的な批判ではなく、批判のための批判に終始している姿が痛ましい。
「弱者を救おう」という主張に対しては、なかなか正面切って反対できない雰囲気があるが、筆者は「難民を救おう、貧乏人を救おう」というのは活動家の偽善である。本当にそう思うなら、彼らが率先して援助してやるべきであるが、いつも高みからのスローガンで終わらせている、と手厳しい。
「嫌中嫌韓本」の出版を批判し、出版差し止めの動きがあるが、言論には言論で対応すべきで、「好中好韓本」を出せばいいだけの話、もし読者需要があるなら。
従軍慰安婦のデマ記事で有名な植村隆が、北星学園大学の非常勤講師の解任に対して、彼の支援者団体がシンポジウムで大学自治を批判した。その解雇決定そのものが大学自治なのに、自己矛盾に気づかない。
ジャーナリズムの本質とは、無責任・無能・無節操。(池上彰の考)
天皇制の存在自体に異議を唱えている共産党は、本来「改憲派」のはずなのに、「護憲派」のごとく振舞っている。くわばらくわばら。
加地 伸行(1936年〈昭和11年〉4月10日- )は、日本の東洋学者、漢文学者。大阪大学名誉教授、立命館大学フェロー、Z会顧問。号は孤剣楼。筆名は二畳庵主人。『漢文法基礎』の著者としても知られる。保守派の論客として知られ、産経新聞オピニオン面「正論」欄の執筆メンバーを務めており、2008年には第24回正論大賞を受賞した。新しい歴史教科書をつくる会賛同者でもある。
政治的スタンス:
徴兵制;
教育目的の徴兵制復活を唱え、2012年に国立大学の秋入学移行が論議された折には、高校卒業から大学入学までの半年間で新入生の心身を鍛え直すために自衛隊への正式な入隊を義務付けよと主張した。
天皇論;
天皇制について、「私の天皇像とは、天皇制を遂行できる天皇である。もしそれができない天皇ならば退位してもらいたい」「皇后の役目は、ダンスでもなければ災害地見舞でもない」と平成年間の皇室の在り方に対して、批判している。(ウィキペディア)続きを読む投稿日:2021.11.10
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