本書は21世紀に入って刊行された最も優れた歴史小説であり、一人の作家が生涯に一度書けるかどうかというほどの名作である。――縄田一男(日本経済新聞書評より)黒船来航に揺れる幕末。榎本釜次郎(武揚)は、幕府要人の蝦夷地視察に随行した後、新設の海軍伝習所に入所。操船、蒸気機関等の技術や語学を研鑽し、オランダ留学を果たす。欧州の地で近代国家間の戦争を目の当たりにした釜次郎は、日の本と隔絶する列強諸国の有り様に驚愕する――。新田次郎文学賞受賞作を全面改稿した決定版!
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その個人史を書くことが、彼なり彼女なりの属する共同体の歴史を書くこととほぼ重なる、という人物がいる。榎本武揚も間違いなくそのひとりであった。自分はその武揚について、これだけ存分に書かせてもらえたのだ。小説家としてなんと幸福なことかと、いま感じている。
――単行本『決定版 武揚伝』あとがきより
押し寄せる西軍の前に奥羽越列藩同盟の雄・仙台藩が降伏、会津は陥落した。榎本武揚は徳川家艦隊を引き連れ蝦夷ガ島に向かい箱館を攻略。英仏米露普を相手に自治州を宣言し、蝦夷共和国を樹立する。だが荒天により開陽丸を喪い、西軍が海峡を突破! 五稜郭に拠り奮戦するも、土方歳三は倒れ、武揚は……。
新田次郎文学賞受賞作を全面改稿した決定版、堂々完結! -
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オランダ留学で地球規模の思考法を身につけた、開明的な知識人、時代の先覚者、しかも徳川家家臣という意識が人一倍つよい武揚。そうした人間の割り切れなさも作者はきちんととらえている。武揚を通して浮かび上がる国家と個人、日本の政治の体質といった主題は、けっして過去のものではない。
――岩橋邦枝(第21回新田次郎文学賞選評より)
幕府艦隊は最新鋭の旗艦・開陽丸の艦長に榎本武揚を抜擢。海軍力で薩長軍を圧倒するも、朝敵とされた徳川慶喜は抗戦に徹しきれず、江戸城は無血開城する。武装解除を逃れた幕府陸軍は、奥羽越列藩同盟への合流を図る。一方、徳川家の海軍となった艦隊を率いる武揚は、幕臣の務めを全うせんと苦闘するが……。
著者畢生の歴史巨篇を全面改稿した決定版! -
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本書は21世紀に入って刊行された最も優れた歴史小説であり、一人の作家が生涯に一度書けるかどうかというほどの名作である。
――縄田一男(日本経済新聞書評より)
黒船来航に揺れる幕末。榎本釜次郎(武揚)は、幕府要人の蝦夷地視察に随行した後、新設の海軍伝習所に入所。操船、蒸気機関等の技術や語学を研鑽し、オランダ留学を果たす。欧州の地で近代国家間の戦争を目の当たりにした釜次郎は、日の本と隔絶する列強諸国の有り様に驚愕する――。
新田次郎文学賞受賞作を全面改稿した決定版! -
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