時は宝暦四(1754)年、屑鉄買いの鉄鐸(さなき)重兵衛は下野国の小藩の鉄山奉行だった。藩が改易になり、仲間と江戸に出てきたのだ。その日、飴を目当てに古釘を持ってくるなじみの留松という子が、差し出したのは一振りの小柄(こづか)だった。青く銀色に光っている。重兵衛は興奮した。希少な流星鉄(隕鉄)を使った鋼(はがね)で作られている。しかし、その夜、留松の一家は惨殺され、重兵衛たちは事件の渦中へ……。
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時は宝暦四(1754)年、屑鉄買いの鉄鐸(さなき)重兵衛は下野国の小藩の鉄山奉行だった。藩が改易になり、仲間と江戸に出てきたのだ。その日、飴を目当てに古釘を持ってくるなじみの留松という子が、差し出したのは一振りの小柄(こづか)だった。青く銀色に光っている。重兵衛は興奮した。希少な流星鉄(隕鉄)を使った鋼(はがね)で作られている。しかし、その夜、留松の一家は惨殺され、重兵衛たちは事件の渦中へ……。
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砂鉄を探しに入った山中で、歩き踏鞴(たたら)衆の娘・多霧は大量の惨殺死体に遭遇する。唯一の生き残りらしい瀕死の若者を発見、手当の後、目を離したすきに彼は消えた。「逃げろ、俺に関わるな」という一言を残して……。一方、多霧の属する橘(たちばな)衆は覆面武家集団の襲撃を受けていた。彼らの目的は「不死の者」を探すことだった。鉄の民の誇りをかけた死闘のゆくえは? そして謎の若者の正体とは?
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多霧たち歩き筋踏鞴(たたら)衆の橘一党は、踏鞴場を求めて出雲(いずも)にいた。その山中で唐金(青銅)の鎧に身を包んだ猪の集団が、山廻りの侍たちを全滅させるのを目撃。猪を操っているのは何者なのか? 戦いに巻き込まれた多霧たちは、夷(い)月(いつき)の強力な霊力を以てしても調伏できない恐るべき呪いと対峙することになる。やがて出雲神話に隠された真実が明らかになる時、恐怖の王が解放される……。壮大なスケールと迫力ある闘いシーン サスペンスとスペクタクル満点のエンタテイメント小説! シリーズ第三弾。
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