歩くような速さで
是枝裕和(著)
/ポプラ社
作品情報
「立ち止まって足元を掘り下げる前の、もっとたわいない、もっと柔らかいもの。作品と呼ばれるものが、水の底に静かに沈澱されたものだとするならば、まだそれ以前の、水中をゆっくりと漂っている土つぶのようなもの。このエッセイ集はそんな土つぶの集まりである」(本文『まえがきにかえて』より) 監督という仕事、少年時代の原体験、3.11以降のこと、カンヌ受賞の瞬間…気鋭の映画監督が日々の思考の軌跡を綴った初のエッセイ集。
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商品情報
- シリーズ
- 歩くような速さで
- 著者
- 是枝裕和
- 出版社
- ポプラ社
- 書籍発売日
- 2013.09.30
- Reader Store発売日
- 2021.02.12
- ファイルサイズ
- 12.4MB
- ページ数
- 223ページ
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この作品のレビュー
平均 3.1 (13件のレビュー)
-
是枝監督の最新刊を読みたいと思っているが、まだ読めないでいる。その代わりに?図書館の本棚から手にとってみた。
吉野弘の「生命は」が引用されている箇所。
"生命は
自分自身だけでは完結できないように…
つくられているらしい
(略)
生命は
その中に欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ"
この部分を引用したあと。
"人は自らの欠点を努力で埋めようとする。その努力は現実でも映画の中でも美徳として語られてきた。ずっと昔から。しかし果たして人は一人の力だけでそのような克服を成し得るのか?成し得たとしてそれは本当に美しいのか?この詩はそんなふうに私たちの価値観を問い直しているように思った。
(略)
ヒーローが存在しない等身大の人間だけが暮らす薄汚れた世界が、ふと美しく見える瞬間を描きたい。そのために必要なのは歯をくいしばることではなく、つい他者を求めてしまう弱さなのではないか。欠如は欠点ではない。可能性なのだ。そう考えると世界は不完全なまま、不完全であるからこそ豊かだと、そう思えてくるはずだ。"55ページ
「見えないものと見えているもの」というメディアについて書かれているところも、初出は2007年なのだが、今ますます書かれていることが切実になっていて、日本のメディアは10年前から下り坂を下り続けているのだなあと実感して悲しくなった。
新聞の連載が中心なので短くて読みやすいのだが、いろいろ考えさせられた。
全作品を見ているわけではないが、是枝監督の映画が好きな理由がわかった。続きを読む投稿日:2016.10.25
このレビューはネタバレを含みます
是枝裕和監督。日本の映画監督の中では、トップクラスに好きな監督です。その是枝監督の文字の作品を読むのは、初めて?という感じでしたので、ドキドキしながら読み始めました。「映画は大好きだけど、文字作品は、…どうだろうなあ、、、あんまグッと来なかったら、個人的にはショックだなあ、、、」とか思いながら。
レビューの続きを読む
結果。杞憂でしたね。映画監督として抜群の存在の是枝監督は、文章家としてもお見事でした。やっぱそらね、映画が本業の方ですので、映画の方がグッとくる率は断トツですが、文章も良い。良いんだよ。こういう考え方をする人が好きなんだよ俺は!という感じの文章がズラリ、でしてね。読んでて嬉しくなっちゃった。
色々なエッセイが収録されていますが、その中の一つ、「欠如」というエッセイが、凄く印象に残りました。是枝監督自身の映画「空気人形」(自分はまだ未観なのです、、、すみません)に絡めた話のエッセイなのですが、文中で引用されている詩人・吉野弘氏の「生命は」という詩の素晴らしさがヤバい。
あと、是枝さんの言う「欠如とは欠点ではなくて可能性」という考えは、プロ野球人の落合博満さんの考え方とも繋がるなあ、と思った次第。落合さんは、中日ドラゴンズの監督をされていたとき、選手の欠点を見ると、まず「この欠点を直そう」とは考えずに「この欠点を逆に上手く利用できないか?」って考えた、んですって。「欠点を直すことは良い部分が失われることでもある」みたいな名言を残してもおらえるはず。禅問答みたいやな、とかも思いますが笑、いやあ、深いなあ~お二人とも。
色々とネットで調べてみると、是枝監督、書籍も沢山出しておられる感じです。これからは、ガンガン読んでいこうって思いましたね。で、映画の方も、ガンガンと観て行きたい。まだ、全作品は、観ること出来ていないんですよね、、、あかんがな。
ま、間違いなく、自分にとっては最高峰の存在です。是枝裕和さんという人物は。是枝監督の、物事に対する視点、視線。それがもう、たまらなく、好きなんですよええ~。続きを読む投稿日:2021.05.12
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