デジタルトランスフォーメーション 破壊的イノベーションを勝ち抜く デジタル戦略・組織のつくり方
ベイカレント・コンサルティング(著)
/日経BP
作品情報
ITによる企業変革、待ったなし!
Uber、Airbnb、FinTechベンチャー
ディスラプター(破壊者)は突然やって来る!
本格的なデジタルの時代に突入し、ITを活用した新しいサービスや企業が次々と生まれています。代表的プレイヤーはアップルやグーグル、ウーバーなどのIT企業です。既存の産業に対して新しいビジネスモデルを持ち込み、破壊的インパクトを与えるためデジタルディスラプター(デジタルによる破壊者)とも呼ばれています。
デジタル化の影響は既に日本企業にも及んでおり、“王国”とまで言われた日本の家電産業は壊滅状態に陥りました。最強の自動車産業もIT企業の挑戦を受け、将来にわたり磐石とは言えなくなりつつあります。既存の大企業といえども、自らのビジネスをデジタル化し変革していかない限り、明日は保証されないのです。
本書は、こうしたデジタルトランスフォーメーション(デジタルによる変革)に取り組む企業のために具体的な処方箋を提供します。デジタル戦略は、誰が、どのように立案し実行すべきか。必要な経営機能(担当役員)、推進組織とは? そして既存のIT部門の役割は? 全ての解決策がこの1冊の中にあります。
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商品情報
- シリーズ
- デジタルトランスフォーメーション
- 出版社
- 日経BP
- 書籍発売日
- 2016.09.14
- Reader Store発売日
- 2016.10.11
- ファイルサイズ
- 3.4MB
- ページ数
- 280ページ
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この作品のレビュー
平均 3.7 (8件のレビュー)
-
ITがIT産業の枠を超えて、全産業への影響を与える時代になった。そのことをもって、DX=デジタル・トランスフォーメーションと呼んでいる。その影響は、デジタル・ディスラプションとも呼ばれるように、時に既…存産業に対して破壊的だ。タクシー業界におけるUber、宿泊業界におけるAirbnbをわかりやすい具体的な例に挙げることができる。また、日本企業のグローバルでの優位性が奪い取られた家電業界もそのひとつといえる。スマホにその市場を破壊されたデジタルカメラの市場もそのひとつだろう。いずれ車産業にもその影響が来るのも時間の問題だ。
本書は、そのデジタル・トランスフォーメーションについて、ベイカレントコンサルティングというコンサルティングファームがまとめたものだ。読んでいて表現がコンサルらしいと何度も思った。著作者としてファームが本にまとめるときには誰かがクレジットと責任をもってまとめるべきなのにな、と思いながら読み進めた。
この本のメッセージのひとつは、「今のビジネスや業務に対してITを活用する」ことから、「最新のITを活用し、顧客経験に訴求したサービスを提供する」ことがITの目的となったということである。B2B2Cの観点において、中間のBのニーズや環境も踏まえて顧客に価値を届けるという発想である。
「タッチポイント、コンテンツ、タイミングの3つの掛け算を最大化する」、「顧客から見て、なぜこの企業から、この商品を買いたくなるのか、についてのストーリーは重要な要素」、「カスタマージャーニー仮説をいくつか作っておくことが重要」というような否定はしないし、重要だし、でもどこかで聞いたと思うような言葉が並んでいる。デジタル戦略を実現する組織には「ビジネスアーキテクト」と「オペレーションデザイナー」と「スーパーエンジニア」が必要だと言う。確かにそれは大事なことだが、それらの人たちがいてまとまっていれば苦労せずに何事も達成できるだろう。また、推進のためには経営陣からの「ディスラプターに破壊されてしまうかもしれない、という危機感の醸成」が大きな原動力になるともいう。これはどこかで聞かされた話だけれども、正しく重要だと思う。
その内容を否定しはしないし、また正しいのだけれども、少し残念なことに一般的な内容が多く、新鮮味がなかったというのが読んでいての感想だ。また、「この段階を踏まないと、ベストプロクティスのコアにある原理にまで到達できず」や「エンジニア出身のビジネスアーキテクトを生み育てることも、極めて需要だ」といった単純誤記が残っている(2017年3月時点のkindle版)のも校正が甘く、そこは責任の所在があいまいなせいなのかとも思われ残念。
ただ、一般的な記述が多いと残念がるのは、この本を読む自分が具体的な解決策を求めているわけで、それを本の中に求めるのは過大な期待であり、そこは自分の頭で考えないといけないのかなとも思ってみた。ちゃんとジェイムズ・マキヴェイの『デジタル・ディスラプション』も読んでから考えることにしよう。
Googleは、「何かをやりたい」と思った瞬間を「マイクロモーメント」と呼び、そのときにスマートフォンに触れて検索をするような新しい消費者行動の起点となることを目指しているという。Netflixのリード・ヘイスティングもソファに座って、さて何をしようかと思う瞬間をMoment of Truthと呼び、そのときにNetflixを選んでもらえるようにするのだと言っていた。Amazonのジェフ・ベゾスは「地球上で最も顧客を大切にする企業であること」を標榜し、「多くのIT企業が顧客中心と言っているが、本当にそうしている企業はほとんどない」といって、顧客体験改善のチームをCEO直轄として自ら責任を持っているという。GoogleとAmazonという、二つのITの巨人のアクションは印象的である。ここには、今まで誰も得たことがない規模のビッグデータとAIが投入されるのだ。
何にせよ、ディスラプションの波(その比喩の通りこれから何度も寄せては返されることだろう)はすぐそこまで来ている、といってもいいのだろうな。続きを読む投稿日:2017.03.20
DXについて知るために入門的な位置付けで読んだ。
この書籍が書かれたのがかなり前だから、実際に企業の組織図を見るとこの本通りの組織構成になっていたりと非常に興味深かった。
企業の中計をみるとDX推進…に注力しているか、していないか明確に分かれている。
これが将来どう影響していくのか楽しみだ。続きを読む投稿日:2021.01.07
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