物語 数学の歴史 正しさへの挑戦
加藤文元(著)
/中公新書
作品情報
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
古代バビロニアで粘土板に二次方程式の解法が刻まれてから四千年、多くの人々の情熱と天才、努力と葛藤によって、人類は壮大な数学の世界を見出した。通約不可能性、円周率、微積分、非ユークリッド幾何、集合論-それぞれの発見やパラダイムシフトは、数学史全体の中でどのような意味を持ち、どのような発展をもたらしたのか。歴史の大きなうねりを一望しつつ、和算の成果や19世紀以降の展開についても充実させた数学史決定版。
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商品情報
- シリーズ
- 物語 数学の歴史 正しさへの挑戦
- 著者
- 加藤文元
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公新書
- 書籍発売日
- 2009.06.25
- Reader Store発売日
- 2015.03.10
- ファイルサイズ
- 71.4MB
- ページ数
- 323ページ
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この作品のレビュー
平均 3.7 (13件のレビュー)
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古代中国やメソポタミア、ギリシャの高度な文化から始まり、フェルマーの最終定理や現代の集合論に至るまでの、数学の「思想的な」歴史をたどる壮大な物語。数とは何か、数学する(数学を数学的に考える)とはどうい…うことかを、深く深く考えさせられる本です。
読んでいて最初にぶつかるのが、そもそも数とは何かという、基本的でありながら容易に答えを出せない問いです。海外ではどうか知りませんが、日本語の「数」は音訓2通りの読みによって、数字や具象物に付随する計算などでは「かず」、抽象的に数学する場合には「すう」と読む。と、そんなことを、確か中学の数学で習った気がします。茲で問題になるのは、人間にとって数はいったいいつから「すう」たる存在と成りえたか、ということでしょう。個人の発達では、「すう」のような概念を扱えるのは、形式的操作という認知処理を行えるようになる10歳以降と思われます。個人がその際に体験するコペルニクス的な大変化を考えるとき、歴史の中で人間の思考が具象を離れるのは、とても重大な事件だったように思えるのです。
現在世界を席巻している西洋数学が、古代ギリシャの数学を起源としているということは周知のことですが、筆者は本書で、そのために数学自身が抱えることになった根本的矛盾を何度も指摘しています。それは代数と幾何との間にある、計算することと図を描くこと、もっと言えば、ルーティン化された解決法と直感による解決という2つの間にある齟齬にほかなりません。私たちは教育課程で数学を習う中で、数によって図を表し、図から数を返すという行為を当たり前のことだと考えてしまいがちです。しかし、そこには凡人では分からないような大問題が隠れているようです(数と図との関係ですら、中学生には理解しづらいことだというのに!)。図という連続と数という離散、あるいは、線という連続と点という離散。心理学領域での「スペクトラム仮説」を巡る議論をはじめとして、自然科学的アプローチでは必ず問題になるこの2つの捉え方は、西洋的、あるいはギリシャ的なものの考え方に孕む宿題を、今の私たちに残しているのかもしれません。
本書は初心者向けに書かれたものかと思いきや、要所要所でかなり高度な数学理論が紹介されています。それは限りなく平易に記述されていますが、残念ながら私は、筆者がもっとも取り上げたかったというリーマンの業績を、あまり理解することができませんでした。1+2+3+4+…と、自然数を「無限に」足した解がなぜかマイナスになるという定理でつまずいているようでは、まだまだ数学を理解する道は遠いということでしょうか。
(2009年7月入手・11月読了)続きを読む投稿日:2009.10.28
古代から現代に至るまでの数学の通史を一気に読み通しました。数や図形から始まった数学の始まりから、現代までの捉え方とその間にあった出来事などが簡潔にまとめられていると思います。より詳しいことを知ろうと思…えば、個別の数学的事象について学び続けることが必要ですね。それと同時に、この物語を読むと、普段使っている数学が数世紀前の数学だなということを実感します。今の数学を知り、使えるようになればできることも増えてくるのだろうと思います。やはりいろいろなことを知り、手を動かすことは大切だなと考えます。続きを読む
投稿日:2023.02.19
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