ヒップホップの詩人たち
都築響一(著)
/新潮社
作品情報
その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
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商品情報
- シリーズ
- ヒップホップの詩人たち
- 著者
- 都築響一
- 出版社
- 新潮社
- 書籍発売日
- 2013.01.31
- Reader Store発売日
- 2013.07.19
- ファイルサイズ
- 2.2MB
- ページ数
- 606ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (14件のレビュー)
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持たざる者の音楽、ストリートから生まれた言葉をリズムに乗せて刻む。15人の日本語ラッパーの物語。
持たざる者の音楽、ストリートから生まれた言葉をリズムに乗せて刻む。15人の日本語ラッパーの物語。
紹介順に田我流、NORIKIYO、鬼、ZONE THE DARKNESS、小林勝行、B.I.G. JO…E、レイト、チプルソ、ERA、志人、RUMI、ANARCHY、Twigy、TOKONA-X、ILL-BOSSTINO/THA BLUE HERB。全然知りません(笑)
日本語のラップで言えば知っているのは古くは咲坂と桃内のスネークマンショーの「噂のカム・トゥ・ハワイ」が82年、吉幾三の「おら東京さ行ぐだ」が85年、しかしこれはヒップホップの文化とは違う流れの様だ。ヒップホップの要素の一つブレイクダンスが日本で知られたのが83年の映画「フラッシュダンス」そしてRUN-DMCのWALK THIS WAYがヒットしたのが86年で日本にヒップホップが伝わりだしたのがこのころからのようだ。TwigyやILL-BOSSTINOは1971年生まれでちょうどこのころヒップホップに出会った日本のヒップホップ第一世代だ。90年代のラップブームは94年のEAST END & YURIの「DA.YO.NE.」(ちなみにB面の「素直に」の方が好きだ)やスチャダラパー&小沢健二の「今夜はブギーバック」などコミカルな要素が強い。スネークマンショーも吉幾三もそうか。
この風潮に対しこの本で度々とりあげられているさんぴんCAMPというイベントが96年日比谷野外音楽堂で行われ伝説のライブとなった。アンダーグラウンドのアーティストが世に出るきっかけになり、この本に出ている1978年以降に生まれた第二世代のアーティストはこのころヒップホップに出会ったものが多い。
ニューヨークのダウンタウンのストリートで生まれたヒップホップの4大要素はラップ、DJ、ブレイクダンスとグラフィティ(落書きね)でラップは通常メロディを重視せずリリック(歌詞)で韻を踏み(ライム)、フロウという節回しをつけて喋るように歌う。日本語でやるのは本質的に難しいもんが有りそうだが出てくる詩はこの形式は守っている。歌詞を読んでて訴えるものがあるかというと微妙でした。そのまま本当に現代詩としてそうなものもあればベタに日常の出来事を綴ったものもある。やはり読むものではなく聴くものなのだろう。ITUNESで一通りサンプルを聴いたが興味を持ったのは一人二人かな。個人的にラップと言ってもメロディラインがきれいなものが好きで、そもそも英語の場合なんか何言ってるかわからんし。日本語ラップの場合はメロディが単調だとリリックやフロウそのものが好きになれるかどうかなんだろう。それでも「ランドセル俳人の5・7・5」の小林凛君の俳句の方が好きだが。
それにしても悪い奴が多い。暴走族ていどではなく日本で3例目の決闘罪の適用やカード詐欺、麻薬の密輸や高校時代のオレオレ詐欺などこの辺りは全く共感できない。しかし例えばZONE THE DARKNESSは少年院で考え続けた時の話をこう語る。「少年院に入ってくるやつって、抱えてる問題がみんな一緒で、なんていうんだろうな、結局、辛いこととか現実と向き合えないっていうことがひとつと、あとは見栄っ張りっていうか、自分を強く見せようとするっていうか、そのふたつだけなんですよ。」そして今では「けっきょく、普通に働くのが一番大変だし、普通に暮らすことが一番大変だし、でもそれが一番幸せな気がします。前は、普通のサラリーマンのひととか、だっせーなって思ってたけど、いまはいやいやちがうって。何十年も満員電車で通勤して、マイホーム買えるって、立派ですよね。ストリートよりよっぽどサバイブしてるっていうか(笑)。ー中略ーただ普通なだけじゃそれはそれでつまらないし、悪いことを経験した上でっていうのはもちろんあるんですけど。普通の生活をして、普通の人の目線で、普通の人の気持ちじゃないと、普通の人に届かないって思うんですよね。」・・・普通だ。
ついでにYOU TUBEでフリースタイルバトルは見てみたがこれはなかなか面白い。基本的には俺のほうが上手い、お前はダサい。だから俺が勝つっていうこともの口喧嘩のようなもんだが、あれを即興でやるのはなかなかすごい。エミネムの8マイルなんか何言ってるかわからないのでこれは日本語の方がいいかな。続きを読む投稿日:2014.02.23
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ラップをただの自分語りではないけれど、来歴を知るおもしろさは確実にある。
徐々に一般的なものになり、耳馴染みはよくなってきた日本語のラップ。
しかし、それらの多くはJ-POPと呼ばれる範疇で語られることが多いラップばかり。
アンダーグラウンドで続けきてたラッパーたちの姿は、…まだまだ十分に知られているとはいえない。
日本のラップ黎明期から活動してきたラッパーを始め、日本語独特の訛りとフロウを身につけた新世代まで。
彼らの口から出る「詩」の成り立ちを、流行やテレビ、雑誌的な網からこぼれ落ちたもの専門の編集者都築響一が、
綿密なインタビューを通して明らかにしていきます。
登場するのは、田我流、NORIYUKI、鬼、ZONE THE DARKNESS、
小林勝行(神戸薔薇尻)、B.I.G.JOE、レイト、チプルソ、ERA、志人(降神)、RUMI、ANARCHY、
Twigy(マイクロフォン・ペイジャー)、TOKONA-X、ILL-BOSSTINO(ブルーハーブ)。
家族構成、生い立ち、時には犯罪歴など、その来歴を徹底的に取材。
かつてやんちゃをしてきた人が多いのはイメージ通りかもしれないが、しっかりとした学歴を持つラッパーもいる。
インタビューの間に挿入されるリリックは、その生まれや家族、友人、社会との関係を知った瞬間、また違った表情を見せ始める。
アイドルが披露するラップではなく、ラップだけをするラッパーたちの真摯な言葉と活動に丹念に向き合ってみることは、
決して無駄なことではない。続きを読む投稿日:2014.04.28
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