コミック版 夜行観覧車
木村まるみ(作画)
,湊かなえ(原作)
,TBSテレビ(企画協力)
,ドリマックス・テレビジョン(企画協力)
,奥寺佐渡子(脚本)
,清水友佳子(脚本)
/Jourすてきな主婦たち
作品情報
父親が被害者で、母親が容疑者―――。エリート一家・高橋家で起きた殺人事件。しかし、事件当時、家にいたはずの次男は、その日を境に失踪する。警察も、高橋家の残された子供たちも、高橋家の騒ぎに耳をそばだてていた遠藤家や自治会婦人部会長の小島さと子も真犯人は次男ではないかと考えはじめる…。果たして事件の真相は!?
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商品情報
- シリーズ
- コミック版 夜行観覧車
- 出版社
- 双葉社
- 掲載誌・レーベル
- Jourすてきな主婦たち
- 書籍発売日
- 2013.03.13
- Reader Store発売日
- 2013.04.19
- ファイルサイズ
- 57.7MB
- ページ数
- 194ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (6件のレビュー)
-
家族のあり方を教えてくれる一冊
[あらすじ]
海辺の街から坂を上ったところにある高級住宅街のひばりヶ丘。
その中でも大きな家に住む医師の家庭で起きた家庭内殺人事件。
医師の父親に美しく優しい母親、
長男は大学の医学部に進み、妹と弟は…地元の名門私立に通うという、
絵に描いたようなエリート一家にいったい何が起きたのか?
癇癪を起こして暴れる娘を持つ向かいの家族、
海外赴任をしている息子夫婦から距離を置かれる昔からの住人、
そして事件当事者として好奇の目で見られてしまう子どもたち。
それぞれの家族からのそれぞれの視点によって、
事件の動機と真相が徐々に明らかになってくる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この物語は家庭内殺人事件というセンセーショナルな事件が発端となりながらも、
血なまぐさい描写も無く事件自体は淡々と描かれ通り過ぎていきます。
逆に近隣家族のすさんだ家庭内の様子や友人関係のことなど、
事件周辺で関わっている人々の生活や心の葛藤などが読者の目を惹きます。
エリート一家で起こった家庭内殺人事件を縦軸として、
向かいの家に住む主婦、夫、娘の視点、
昔から高級住宅街に住んでいる老婦人の視点、
事件当事者となった子ども達の視点から徐々に色々なことが分かってきます。
事件の真相はどうだったのかということもさることながら、
日常の中に潜む怖さや善悪のあいまいな境目など、
人の心の中に棲む正義と悪とが徐々に表に現れては消えていきます。
湊さかえさんの作品では「告白」など人の内面を綴った傑作が多数ありますが、
今回の作品でも様々な人の視点から見ることによって、
物事の本質はひとつではないんだということをひしひしと感じました。
お金や物に恵まれていることが幸せではないんだということを感じながらも、
そんな言い古された言葉では表しきれない本当の幸せを考えさせられる。
そんな作品でありながらも、
読後にはホッとするような安心感が胸に漂う一冊でした。
湊かなえさんの作品を手に取ると一気に読み進めてしまいますが、
今回もそんな素晴らしい作品でした。続きを読む投稿日:2013.12.16
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上流家庭の病巣をえぐる
海が見下ろせる高級住宅地・ひばりが丘に住む『遠藤家』、『高橋家』、『小島家』それぞれの家族が抱える悩みを描いたお話。彼等が抱える葛藤は、家庭内暴力、再婚と子育て、孤独な老人環境、果ては殺人事件に発展…してゆく。
湊かなえの本を読むのは、『告白』、『白ゆき姫殺人事件』に続いて三作目であるが、その文体が全て告白文調である。三作全てが告白文調だったのは偶然だと思うが、告白文調以外の小説も一度読んでみたいものだ。逆に言うと、もう告白文調の文体はごちそうさまと言いたい。
さて『告白』、『白ゆき姫殺人事件』は映画化されたが、本作は今のところTVドラマ止まりである。まあ舞台が限定されているし、家庭内の葛藤をテーマという繊細かつ身近なお話なので、一発ものの映画よりジワジワ続く連続ドラマのほうが似合っていることも確かであろう。
また本作は家庭内で起きた殺人事件を扱っているものの、ミステリーという訳ではないようだ。特に画期的な謎解きやどんでん返しがあるわけでもなく、ラストも当たり前の平坦な結末で閉じられ、感動的なエンディングも訪れなかった。
さらには親のことを「あんた」呼ばわりする不愉快な娘や、自分勝手な母親たちばかりでうんざり感が募るばかり。そしてなぜか男たちは全員が弱々しく存在感が希薄である。
作者は本作を、現代が抱える「家庭の病巣」を提示したヒューマン小説だと言いたいのだろうか。だがテーマが古過ぎるし全体的なストーリー構成が単調で、尻切れトンボのような雑な創り込みであることも否めない。
そしてタイトルの『夜行観覧車』とはいったい何を意味するのであろうか。ラストで小島さと子が息子に次のように話しかける。これがヒントなのだろう。
「長年暮らしてきたところでも、一周まわって降りたときには、同じ景色が少し変わって見えるんじゃないかしら」
だがこのメタファーでは、余りにも説得力に乏しい気がする。どうも苦し紛れに無理矢理こじつけたような気がしないでもない。もしかすると、このような曖昧なタイトルの付け方は、作者自らが本作に自信を持てなかった証なのかもしれない。続きを読む投稿日:2016.09.08
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