プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
マックス・ヴェーバー(著)
,大塚久雄(訳)
/岩波文庫
作品情報
営利の追求を敵視するピューリタニズムの経済倫理が実は近代資本主義の生誕に大きく貢献したのだという歴史の逆説を究明した画期的な論考。マックス・ヴェーバー(一八六四‐一九二〇)が生涯を賭けた広大な比較宗教社会学的研究の出発点を画す。旧版を全面改訳して一層読みやすく理解しやすくするとともに懇切な解説を付した。
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商品情報
- 著者
- マックス・ヴェーバー, 大塚久雄
- 出版社
- 岩波書店
- 掲載誌・レーベル
- 岩波文庫
- 書籍発売日
- 1989.01.17
- Reader Store発売日
- 2012.11.22
- ファイルサイズ
- 1.1MB
- ページ数
- 412ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (116件のレビュー)
-
分かりやすい現代語訳で古典の名著を
社会学的に避けて通れない程の名著。
久し振りに電書で読んでみたら、以前読んだのが何時のどの版かは定かではないが、随分噛み砕いた翻訳で読み易くなっていて驚いた。……とはいえ一種の「専門書」ではあるので。…まずは訳者による解説を一読した上で、改めて本文を、脚注は飛ばして読み進めるのをお勧めしておきたい。脚注は全体像をそうやって把握した上で、著者の多面的な関心や著者への批判に対する反批判を押さえておくために読むのがベター。
(なお電子書籍版では後半1/2が索引と、ハイパーリンクでジャンプするための脚注[本文内に記載されたものと同内容]で占拠されているため、ぱっと見ほどのボリュームでもなく、割と楽に読み終えられる)
大澤真幸的理解で噛み砕くと。
それまでの中世的世界観は誕生>幼児>大人>老人>死の円環を、直近世代で若干の重なり合いを持ちつつも、延々繰り返す…厚みゼロの円を、世代を重ね延々繰り返すようなイメージだったと。
そこに宗教改革の波が押し寄せた。ルターがBeruf(天職)概念を聖書翻訳に導入し、カルヴァンで更にその世俗化(生臭な聖職よりも清くつましい生活を送る世俗者の方が救われるべき>修道士の生活スタイルで世俗生活を送る事が推奨され、儀式儀礼的なモノが排除される)が進められた。
更にカルヴァンの後継たるカルヴィニストらでは「神の恩恵が与えられるのは一部の選ばれた者だけ」という予定説概念が導入される。
その恩恵を受ける「予定」に入っているかどうかは、絶対者たる神と相対者たる人の間が断絶している以上説明も理解も不能。
しかし、「人間には推し量り得ないとはいえ、神は合目的性を持って世界を生み出した筈」「だから合理的な社会の実現のために邁進すべき」「そして被造物神化(偶像崇拝の拡張概念。物神崇拝)は厳しく抑制されるべきだから、生理的な欲求も厳格にマネジメントし、利益や財産の発生は否定しないがそれに安逸してはいけない」という、実践を行う事によって自分が選ばれた者である事を実感できる、という。
ここで最後の審判という無限遠点に至るまでの時間を、果てしなく微分した「今」の実践で時間を捉える…直線的・一方向進行的に時間を捉える…世界観が生まれたのだとか。
(ヴェーバーの本書に微分概念は出て来ない。また生活時間を一定時間で区切って管理するスタイルは修道士の模倣で生まれた事に注意)
これは一種のカルトとも言える思考であり、メンタル貴族主義でもあり、常に自分が救われるべき存在である事を確信したいがために、強迫神経症的に「実践」を強いられる事になる。
その強迫神経症が資本主義黎明期の爆発的なエネルギーを生み出した、という考え方が本書の基本トーンになるだろうか。
大澤理解によれば上記の時間概念のパラダイム変化により、中世の資本主義=遠隔地貿易のリスクテイクによる利潤から、近代・現代の資本主義=時間の離れた未来に対するリスクテイクによる利潤、が生まれたという捉え方もできるが、それは本書から離れた別の話。
何はともあれ。折角読み易い翻訳で名著が刊行されているので、読まない手は無いのではないかと。続きを読む投稿日:2013.11.04
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初の古典。とにかく日本語が意味がわからない。最後の解説から読めばよかったと読み終わったあとに気づく。
解説いわく、宗教的な強制的禁慾という精神が、本当の意味での資本主義を形成していき、最終的にな宗教…的倫理観に基づく禁欲行動が形骸化してしまい、鉄の檻として、自分たちを資本活動に邁進させてしまっている。そんな分析をしている本だと分かった。
鉄の檻という言葉を使っているから、ヴェーバーは資本主義の活動自体を、生活を制限するものとして考えていたのかな?とか考える。
ただの漢字と平仮名に目を通す作業だったが、背景がわかったうえでもう少し読んでみても面白いのかもしれない
続きを読む投稿日:2024.02.14
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